ES 地面の目印

以前の数学メモは、地面の目印 -エスワン- にあります。

メモ55 無限個の整数点を持つ3次元アフィン代数多様体

1. はじめに

 有理数体 \mathbb{Q} 上で定義された楕円曲線の有理点など、多項式で定義される曲線や曲面、多様体の有理点は大変興味深い対象である。よく知られているように非特異な平面曲線の場合の有理点は、

  • 1次式で定められる曲線(直線):常に有理点は存在。その全体の集合としての濃度は \mathbb{Q} と同じ
  • 2次式で定められる曲線(2次曲線):1つ有理点が存在すれば無限に存在。その濃度は \mathbb{Q}
  • 3次式で定められる曲線:有理点をもてば楕円曲線となり、\mathbb{Q} 上の変数変換により y^{2}=x^{3}+ax+b に変形できる。さらに、この楕円曲線の有理点は有限生成アーベル群となる。つまり、位数有限の有限群と r 個の \mathbb{Z} の直積となる(ちなみに、この r を有理点群の階数といい、有名なバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想にでてくるものである)。

である。

 では、非特異平面曲線の整数点についてはどうであろうか。

(1) 直線の場合ax+by+c=0 \ (a,b,c \in \mathbb{Z}, a,b,c の最大公約数は 1 )  

 このとき、

  • a,b の最大公約数が 1 であれば、整数点は無限個存在する。逆もなりたつ。

 最大公約数が1 なので x_{0},y_{0} \in \mathbb{Z} があって、ax_{0}+by_{0}=1 である。したがって t を任意の整数として

x=bt-cx_{0},y=-at-cy_{0} とすれば ax+by+c=0 である。

(2) 2次曲線の場合ax^{2}+bxy+cy^{2}+dx+ey+f=0  \ (a,b,c,d,e,f \in \mathbb{Z}, \  a,b,c,d,e,f の最大公約数は 1 )

このとき、  

  • 有限個の場合もあれば無限個の場合もある。

 詳細は知らないが、 

 a’x'^{2}+b’y'^{2}+c^{’}=0 \ (a',b',c' \in \mathbb{Z}) の形に変形できて a’b’ の符号が同じとき、楕円になるので、整数解は有限個である。

 a’b’ の符号が異なるとき、双曲線になる。このときは、有限個の場合もあれば、無限個の場合もあるようである。例えば、ペル方程式 x^{2}-by^{2}=c, \  (b: 正の整数、≡2,3 \ (mod \ 4), 平方因子を有しない) のとき、一つ解 (x_{0},y_{0}) があるとする。 \mathbb{Q}(\sqrt{b}) の正の基本単数 εε=e+f \sqrt{b}  とすれば

   x+y\sqrt{b}=(x_{0}+y_{0}\sqrt{b})(e+f\sqrt{b})^{n} も解である。

  ax^{2}+by+c=0 の場合は無限個になる場合がある。例えば、y=x^{2} のとき (n,n^{2}), \ (n \in \mathbb{Z}) は整数点

(3) 楕円曲線の場合:

  ジーゲルの定理としてよく知られているように、整数点の個数は有限個である。

  

 以上が平面曲線の場合であるが、さらに次元をあげて代数曲面や代数多様体の場合の有理点や整数点の場合はどうであろうか。どんな結果が得られているのか全く承知していないが、大変興味のあるところである。

 今回、メモ46、49、53や第35回日曜数学会で紹介した p≡1 \ (mod \ 5) の素数の2乗和表現をいじくっているうちに、4変数4次多項式=0で定められる無限個の整数点を有する3次元アフィン代数多様体を見つけたので紹介したい。

 

2.無限個の整数点を有する3次元アフィン代数多様体

 見つけた3次元アフィン代数多様体は以下のとおりである。

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定理

F=11r^{4} - 38r^{3}s + 54r^{2}s^{2} - 37rs^{3} + 11s^{4} - 37r^{3}y

+ 92r^{2}sy - 89rs^{2}y + 31s^{3}y + 54r^{2}y^{2} - 86rsy^{2} +41s^{2}y^{2}

- 38ry^{3} + 31sy^{3} + 11y^{4} + 31r^{3}z - 86r^{2}sz +92rs^{2}z - 38s^{3}z

- 89r^{2}yz + 166rsyz - 86s^{2}yz +92ry^{2}z - 89sy^{2}z - 37y^{3}z

+ 41r^{2}z^{2} - 89rsz^{2} +54s^{2}z^{2} - 86ryz^{2} + 92syz^{2} + 54y^{2}z^{2}

+ 31rz^{3} - 37sz^{3}- 38yz^{3} + 11z^{4} - 7r^{3} + 10r^{2}s + 4rs^{2} - 7s^{3}

+ 4r^{2}y +11rsy - 18s^{2}y + 10ry^{2} - 18sy^{2} - 7y^{3} - 18r^{2}z + 11rsz

+ 10s^{2}z + 11ryz + 11syz + 4y^{2}z - 18rz^{2} + 4sz^{2} +10yz^{2} - 7z^{3}

- 4r^{2} + 8rs - 4s^{2} + 8ry - 8sy - 4y^{2} - 8rz+ 8sz + 8yz - 4z^{2}

とするとき、以下がなりたつ。

(1) 4次元アフィン空間において F(r,s,y,z)=0 で定められる集合 V(F) は、\mathbb{Q} 上の既約な3次元アフィン代数多様体である。

(2) V(F) は無限の整数点を有する。

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 大変長くて簡明な式ではないが、しばらくお付き合いいただきたい。

 

3. 定理の証明

 (1)は sagemath を使用して factor(F) により確かめた。

したがって、(2)を証明すればよい。まず、p≡1 \ (mod \ 5) の素数の2乗和表現の既存結果をみる。

-----------------------------------

命題1  p≡1 \ (mod \ 5) の素数について以下が成り立つ。

(1) 16p=x^{2}+125w^{2}+50v^{2}+50u^{2}, x≡1 \ (mod \ 5), xw=v^{2}-u^{2}-4uv

を満たす x,w,v,u \in \mathbb{Z} が実質的に唯一定まる。実際は4つの解があり、これらは  (x,w,v,u),(x,w,−v,−u),(x,−w,u,−v),(x,−w,−u,v) である。また、w,v \neq 0 、したがって、v \gt 0,u \geq 0 とすれば解は唯一に定まる。

(2) α を有限体 F_{p} の原始根、χχ(α)=exp(\frac{2π\sqrt{-1}}{5}) で定める5 次の指標とする。

 また、S_{i}=\{α^{5m+i}: 0 \leq m \lt (p-1)/5 \} \  i=0,1,2,3,4

    T_{i}=\{1+α^{5m+i}: 0 \leq  m  \lt (p-1)/5\} \ i=0,1,2,3,4

    n_{i}=\# S_{i}⋂T_{0} 

とする。このとき、ヤコビ和 J(χ,χ) は、

 4J(χ,χ)=x+5\sqrt{5}w+λv+μu

ここで, λ=\sqrt{-50+10\sqrt{5}},μ=\sqrt{-50-10\sqrt{5}}

    x=-25/3 \cdot (n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})+4/3 \cdot (p-4)

    w=n_{1}-n_{2}-n_{3}+n_{4}

    v=n_{1}-n_{4}

    u=n_{2}-n_{3}

と表され

  16p=x^{2}+125w^{2}+50v^{2}+50u^{2}, x≡1 \ (mod \ 5)

  , xw=v^{2}-u^{2}-4uv

を満たす。

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(証明)

(1) ”The Determination of Gauss Sums, by Bruce Berndt and Ronald Evans ” (https://www.ams.org/journals/bull/1981-05-02/) による。

(2) 本ブログの「メモ49 有限体Fpにおけるx^5+y^5=k の解の個数」の命題5による。

(証明終)

 

(定理の(2)の証明)

 r=n_{1}, s=n_{2},y=n_{3},z=n_{4} とおき、命題1(2)の x,w,v,zr,s,y,z で表し、

xw=v^{2}-u^{2}-4vu に代入すると

-7r^{2} + 3rs + 7s^{2} - 3ry + 11sy + 7y^{2} - 11rz -3sz + 3yz - 7z^{2}

+ rp - sp- yp + zp - 4r + 4s + 4y - 4z=0 を得る。

これより、 

(r-s-y+z)p=7r^{2} - 3rs - 7s^{2} + 3ry - 11sy - 7y^{2} + 11rz

+3sz - 3yz+ 7z^{2}  + 4r - 4s - 4y + 4z \hspace{30pt}   (A)

また、

16p=x^{2}+125w^{2}+50v^{2}+50u^{2} に代入して

275r^{2} - 125rs + 275s^{2} - 125ry + 325sy + 275y^{2}+ 325rz - 125sz

- 125yz+ 275z^{2} - 25rp - 25sp - 25yp -25zp + 2p^{2} + 100r

+ 100s+ 100y + 100z - 34p + 32=0 を得る。

 この両辺に (r-s-y+z)^{2} をかけ (A) 式を使って r,s,y,z のみの式にすると定理の F=0 の式を得る。

 命題1(2)により、p と原始根 α 、5次の指標 χ を定めると n_{1},n_{2},n_{3},n_{4} が定まり、これにより x,w,v,u 、さらには 16p が求められる。したがって、異なるpには異なる非負整数の組 (n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}) が定まる。p≡1 \ (mod \ 5) なる素数は無限個あるので、V(F) は無限個の整数点(n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}) を有する。

(定理(2)の証明終)

 なお、これらの式の計算には sagemath を使用した。

 

4.pが小さいときの確認

  p が小さいときの n_{0},n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}, x,w,v,u を計算したのが下表である。原始根の選び方によって n_{i} 間の置換が生じるので、計算に使用した原始根を明記した。Q,T については、後述する。

 Fr,s,y,z を変数とする4次多項式であり、上表の (n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}) について F(n_{1},n_{2},n_{3},n_{4})=0 となる。

 

 少し詩的な言い方をすると、p≡1 \ (mod \ 5) の素数達は n_{1},n_{2},n_{3},n_{4} の組に姿を変え、4次元アフィン空間内の超曲面上の格子点にひっそりと隠れていることになる。

 p≡2,3,4 \ (mod \ 5) の素数の場合はどうなのか、mod \ 5mod \ 7 に変えたらどうなるかなど興味は尽きない。

 

5.F=0で定められる3次元アフィン代数多様体 V(F) 

 F=0 で定められる3次元アフィン代数多様体を簡単に V(F) と書いたのであった。V(F) がどのような代数多様体であるのか関心があったので、ChatGPTに聞きながら sagemath を使って調べてみた。このあたりの知識はほとんどなく、アバウトな話なので、半分与太話ということでお読みください。表現の適正化や誤り等のご指摘は大変ありがたいです。

 

(1) V(F) の特異点は2次元。つまり、特異点というより特異面

 まず、V(F) の特異点を調べるため、F_{r}=∂F/∂r, F_{s}=∂F/∂s, F_{y}=∂F/∂y, F_{z}=∂F/∂z  とするとき

特異点イデアル I=[F, F_{r}, F_{s}, F_{y}, F_{z} ] の次元を計算すると次元は 2 であることがわかった。

 次に、I の根基 \sqrt{I} を計算すると

 \sqrt{I}=[ r - s - y + z, s^{2} - sy - y^{2} - sz + 3yz - z^{2}]

であった。つまり、V(F) の集合としての特異点は、

 r - s - y + z=0s^2 - sy - y^{2} - sz + 3yz - z^{2}=0 で定義される2次超曲面の共通部分になっている。

 

(2) F をわかりやすい形に変形

 q_{1}=r-s-y+z, \ q_{2}=s^{2}-sy-y^{2}-sz+3yz-z^{2}

とおいて sagemathR.ideal([q_{1},q_{2}]).reduce(F) を計算すると 0 になり、F で生成されるイデアルが [q_{1},q_{2}] に含まれることがわかる。

 これは、q_{1}=0,q_{2}=0 で定義される曲面 V(q_{1},q_{2})F=0 で定義される3次元多様体 V(F) に含まれることを示す(上で見たようにこれが V(F) の特異点の集合であった)。

 次に、R.ideal([q_{1}]).reduce(F) を計算すると q_{2}^{2}  となり、

F=q_{2}^{2}+q_{1}L  という分解が存在することがわかる。

 さらに、lift(L) を計算すると L=q_{2}B+q_{1}A となることがわかる。ここでB=s-3y+2z+3 である。

したがって、 F=q_{2}^{2}+q_{1}q_{2}B+q_{1}^{2}A とかける。A を具体的に計算すると

 A=11r^{2} - 16rs + 11s^{2} - 15ry + 8sy + 13y^{2} + 9rz - 14sz

 - 19yz+ 12z^{2} - 7r - 4s - 10y - 4z - 4 という2次式である。

 

(3) Fと双有理同値の非特異代数多様体 

 これまでの操作で F=q_{2}^{2}+q_{1}q_{2}B+q_{1}^{2}A となることがわかった。

 次に特異点解消?の操作を行うと、5次元アフィン空間 Q [r,s,y,z,t] 内で、

 

 ① q_{2}=q_{1}t として F=q_{1}^{2}(t^2+tB+A) から

   H_{1}=t^{2}+tB(r,s,y,z)+A(r,s,y,z)

 ② q_{1}=q_{2}t として F=q_{2}^{2}(1+tB+t^{2}A) から

   H_{2}=1+tB+t^{2}A 

 

が得られ、非特異化はこれらを貼り合わせて A^{4}×P^{1} の中で得られる(とChatGPTは言ってきた)。

 貼り合わせを考えるのも面倒なので、①と②を別々に考えることとする。すると、以下がわかった。

 

 2つの5変数2次式で定義される5次元アフィン空間の超曲面の共通部分からなる特異点をもつ3次元アフィン代数多様体

H_{1}=t^{2}+tB+A, J_{1}=q_{2}-q_{1}t とし、H_{1}=0,J_{1}=0 の共通部分として定義される3次元多様体 V(H_{1},J_{1}) を考える。V(H_{1},J_{1}) 上では、

 q_{1}^{2}(t^{2}+tB+A)=q_{2}^{2}+q_{1}q_{2}B+q_{1}^{2}A となるので

  V(H_{1},J_{1}) \hspace{25pt} \rightarrow \hspace{20pt} V(F)

    (r,s,y,z,t) \hspace{15pt} \mapsto \hspace{15pt} (r,s,y,z) 

が定まる。逆に

  (r,s,y,z) に対し (r,s,y,z,q_{2}/q_{1}) とすれば V(F) から V(H_{1},J_{1}) への有理写像が得られ,、V(F)V(H_{1},J_{1}) は双有理同値である。

 なお、V(H_{1}) は非特異であるが、V(J_{1}) は特異直線を有する。また、V(H_{1},J_{1})(-4/25,-4/25,-4/25,-4/25,0) という特異点を有している。

 

 4.に記した表では V(F) 上の整数点 (n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}) に対応する q_{1} の値が w であり、q_{2} の値が Q であり, t の値が T である。表中の T はすべて整数であるが、p \gt 241, \ ≡1 \ (mod \ 5) なる素数について、T が必ず整数になるかどうかはわからない。もしそうだとすると、5変数2次式 =0 で定められる A^{5} 内の超曲面の共通部分である3次元アフィン代数多様体 V(H_{1},J_{1}) にも無限個の整数点が存在することになる。2次超曲面の共通部分だから別に不思議ではないかもしれない。

 なお、ChatGPTによると、V(H_{1},J_{1}) の射影閉包をとると Fano 多様体というものになる可能性が高いということです。また、Fano 多様体は有理点の存在が期待される多様体らしく、これは整数点が無限に存在することと整合的です。

 

 4次多項式と3次多項式で定義される A^{5} 内の超曲面の共通部分からなる非特異3次元アフィン代数多様体

H_{2}=1+tB+t^{2}A, J_{2}=q_{2}t-q_{1} としたとき H_{2}=0,J_{2}=0 の共通部分として定義される3次元多様体 V(H_{2},J_{2}) を考える。V(H_{2},J_{2}) 上では

q_{2}^{2}(1+tB+t^{2}A)=q_{2}^{2}+q_{2}q_{1}B+q_{1}^{2}A となるので

  V(H_{2},J_{2}) \hspace{25pt} \rightarrow \hspace{20pt} V(F)

   (r,s,y,z,t) \hspace{15pt} \mapsto \hspace{15pt} (r,s,y,z) 

が定まる。逆に

 (r,s,y,z) に対し (r,s,y,z,q_{1}/q_{2}) とすれば V(F) から V(H_{2},J_{2}) への有理写像が得られ、V(F)V(H_{2},J_{2}) は双有理同値であることがわかる。

 sagemath での計算によると、V(H_{2}),V(J_{2}) は A^{5} 内のそれぞれ4次多項式、3次多項式 =0 で定義される非特異超曲面であり、その共通部分であるV(H_{2},J_{2}) も非特異となる。chatGPTに聞くと V(H_{2},J_{2})は3次元アフィン・カラビ・ヤウ多様体と呼べるものらしい。但し、射影閉包はカラビ・ヤウにはならないとのこと。正確には V(H_{2},J_{2}) を、

  smooth \ affine \ threefold \ with \ trivial \ canonical \ bundle

呼ぶのが無難らしい。誰か詳しく調べてくれないかな。

 

 4.に記した表では F 上の整数点 (n_{1},n_{2},n_{3},n_{4}) に対応する q_{1} の値が w であり、q_{2} の値が Q であり, t の値が 1/T である。p=11 の場合、T=0 なので V(F) 上の整数点 (n_{1},n_{2},n_{3},n_{4})V(H_{2},J_{2}) では無限遠点に飛んで行ってしまうようだ。それ以外の p では Q \neq 0 である( Q=0 とすると、u=0,w=v となり、xw=v^{2}-u^{2}-4uv より x=w がわかり、16p=x^{2}+125w^{2}+50v^{2}+50u^{2} より p=11 を得る)。したがって、3次元非特異アフィン代数多様体 V(H_{2},J_{2}) に無限個の有理点が存在することになる。、

 

6. おわりに

 4変数4次多項式で定義され、なおかつ整数点が無限個ある多様体が見つかったので、これは凄いのではと思ったが、5.に書いたとおり、次元を1つあげると2次多項式で定義される超曲面が交差したものになるとわかったので、あっても不思議ではないのかなと思いました。3次元多様体 V(F),V(H_{1},J_{1}),V(H_{2},J_{2}) に含まれる曲面や曲線、それらの上にある整数点がどうなっているのか大変興味あるところです。関心をお持ちの方は是非検討していただき、結果を教えていただければありがたいです。

 今回見たような整数論の関係式とそれから生じる代数多様体の整数点(有理点)というのはほかにもいろいろあるのではと思うので、大きな話につながっていけばいいなあと勝手に妄想しています。



 

 

 

メモ54 2とl(奇素数)がl乗剰余になるのはどんなとき?

1. はじめに

 2mod \ p で平方剰余となるためには p≡ \pm 1 \ (mod \ 8) であることが必要十分である。 よく知られた平方剰余の第2補充法則である。これまで、本ブログでは 3 乗剰余の話(メモ47日曜数学Advent calendar 2025) を書いたり、有限体における x^{5}+y^{5}=k の解の個数と 5 乗剰余との関連性を示唆(メモ49)したり、もっと一般に l を奇素数とするとき x^{l}+y^{l}=k の解の個数(日曜数学Advent calendar 2024)について書いてきた。ここでは、2l がどんなときに l 乗剰余になるのか、いわば l 乗剰余の補充法則的な事柄をメモしておく。

 このメモは、メモ53の補足的な、あるいは続きのメモなので、そこでの結果を全面的に使います。メモ53も併せてご覧いただければ幸いです。

2.得られた結果

---------------------------------------------------------------

定理 p,l を奇素数、p≡1 \ (mod \ l), \ α: F_{p} の原始根とする。

また、

 S_{i}=\{α^{lk+i} | 0 \le k \lt \frac{p-1}{l} \} \ (0 \le i \lt l-1)

  T_{j}=\{1+α^{lk’+j }| 0 \le k’ \le \frac{p-1}{l} \} \ (0 \le  j \lt l-1)

  n_{i}=\# S_{i}⋂T_{0}

とする。このとき、

 (1) ll 乗剰余 ⇔ n_{1}+2n_{2}+...+(l-1)n_{l-1}≡0 \ (mod \ l)

  2l 乗剰余 ⇔ n_{0}=\#S_{0} \cap T_{0} が奇数

 (2) l=3 の場合

  33 乗剰余 ⇔ 3|B 

  23 乗剰余 ⇔ 2|A

 但し、p=A^2+27B^2, \ A≡1 \ (mod \ 3)

(3) l=5 の場合

  55 乗剰余 ⇔ V+2U≡0 \ (mod \ 5) 

  25 乗剰余 ⇔ X が奇数

 但し、16p=X^2+125W^2+50V^2+50U^2, \ X≡1 \ (mod \ 5), \ XW=V^{2}-U^{2}-4UV

(4) l=7 の場合

  77 乗剰余 ⇔ 5X_{2}+3X_{3}+8X_{4}≡0 \ (mod 49) (注) 

  27 乗剰余 ⇔ X_{1} が偶数

 但し、

72p=2X_{1}^{2}+42X_{2}^{2}+42X_{3}^{2}+42X_{4}^{2}+1029X_{5}^{2}+343X_{6}^{2}, \ X_{1}≡1 \ (mod \ 7)

56X_{1}X_{5}+12X_{2}^{2}+24X_{2}X_{3}-24X_{2}X_{4}+48X_{3}X_{4}

\hspace{20pt} -12X_{4}^{2}-441X_{5}^{2}+98X_{5}X_{6}+147X_{6}^{2}=0

28X_{1}X_{5}+28X_{1}X_{6}+48X_{2}X_{3}+24X_{2}X_{4}+12X_{3}^{2}

\hspace{20pt}+24X_{3}X_{4}-12X_{4}^{2}-147X_{5}^{2}+490X_{5}X_{6}+49X_{6}^{2}=0 

-------------------------------------------------------------

(注) 参考文献[1] によると、7が7乗剰余であるための必要十分条件はX_{2}-19X_{3}-18X_{4}≡0 \ (mod \ 49) となっている。

これは、5(X_{2}-19X_{3}-18X_{4})≡0 \ (mod \ 49)と同値である。計算すると

  5(X_{2}-19X_{3}-18X_{4})=5X_{2}-95X_{3}-90X_{4}

 \hspace{30pt} ≡5X_{2}+3X_{3}+8X_{4} \ (mod \ 49) である。

 念のため、sagemathにより p \le 113 の素数について両者を計算したところ、

 p=23,71,113, 127,197 について 7 乗剰余でない。

 p=43 について 7 乗剰余

と同じ結果を得た。

 また、同じく参考文献[1]によると、この3つの方程式を満たす解として

(X_{1},X_{2},X_{3},X_{4},X_{5},X_{6})=(-6t,±2u,±2u, \mp{2u},0,0) をもつ。ここで、(t,u) は、p=t^{2}+7u^{2}, t≡1 \ (mod \ 7) の解である。この解では、すぐわかるように 5X_{2}+3X_{3}+8X_{4}X_{2}-19X_{3}-18X_{4} も 常に  mod \ 490 となる。 参考文献[1] では、それ以外に6つの解をもつとしているが、メモ53の方法で得られるこの方程式系の解では X_{5}=X_{6}=0 とはならない。これを、このメモの最後に補足として示した(まどろっこしい証明なのでもっとスッキリできないものかと思っています)。

 

3.本メモで使うメモ53の記号の定義や結果

 ここでは、以後の説明で使う記号の定義や結果を主にメモ53から引用する。

(1) ヤコビ和

 p,l を奇素数で、p≡1 \ (mod \ l), \ χ,φ:F_{p}^{*}l 次の指標。0 \in F_{p} に対し χ(0)=0,φ(0)=0 とする。このとき、Jacobi和 J(χ,φ) は、

 J(χ,φ)= \displaystyle \sum_{a \in F_{p}}χ(a)φ(1-a) 

であり、

 1) J(χ,φ)=J(φ,χ)

 2)  χ,φ,χφ が自明な指標でないとき J(χ,φ) \overline {J(χ,φ)} =p

   なお、自明な指標とは  F_{p} の元に対し、すべて1となる指標のこと。

(2) ヤコビ和の計算

 α を有限体 F_{p} の原始根、 χχ(α)=ζ=exp(\frac{2 \pi \sqrt{-1}}{l}) で定める l 次の指標とする。また、

 S_{i}= \{ α^{lk+i} | 0 \leq k \lt \frac{p-1}{l} \} \ ( 0 \leq i \lt l-1)

 T_{i}= \{ 1+α^{lk+i} | 0 \leq k \lt \frac{p-1}{l} \} \ ( 0 \leq i \lt l-1)

 n_{ij}=\# S_{i} \cap T_{j}

と定義する。そうすると、

 F_{p} - \{0 \} = S_{0} \cup ... \cup S_{l-1}

 S_{0} - \{1 \} = (S_{0} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{0} \cap T_{l-1})

i \neq 0 のとき

 S_{i} = (S_{i} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{i} \cap T_{l-1})

であるので

 J(χ,χ)= \displaystyle \sum_{a \in F_{p}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)

 \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{a \in S_{i} \cap T_{j}} χ(a)χ(1-a)

a \in S_{i} \cap T_{j} のとき a=α^{lk+i}=1+α^{lk’+j}, \  χ(-1)=1 に注意すれば

 \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{α^{lk+i}=1+α^{lk'+j} } χ(α^{lk+i})χ(-α^{lk'+j})

 =\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{ \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{l} \cdot \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{l}} = e^{ \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{l}} \displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{\dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{l}}

なので、

 J(χ,χ)=n_{00} \ + \ n_{01}ζ+ \hspace{36pt} ...  \hspace{36pt}+n_{0(l-1)}ζ^{l-1}

  \hspace{40pt} +n_{10}ζ+n_{11}ζ^{2}+\hspace{34pt} ... \hspace{34pt} +n_{1(l-1)}

   \hspace{60pt} \vdots

  \hspace{40pt} +n_{i0}ζ^{i}+n_{i1}ζ^{i+1}+ ... +n_{ij}ζ^{i+j}+ ... +n_{i(l-1)}ζ^{i+l-1}

   \hspace{60pt} \vdots

  \hspace{40pt}+n_{(l-1)0}ζ^{l-1}+n_{(l-1)1}+\hspace{18pt} .... \hspace{18pt}+n_{(l-1)(l-1)}ζ^{l-2}

 したがって、

  N_{0}=n_{00}+n_{1(l-1)}+ ... + n_{(l-1)1}

  N_{i}= \displaystyle \sum_{j+k≡i \ (mod \ l)} n_{jk}

とおくと

 J(χ,χ)=N_{0}+N_{1}ζ+ ... +N_{l-1}ζ^{l-1}

である。

(3) そのほかの定義など

  N=\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1}N_{i}=\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \#(S_{i} \cap T_{j})

 =\hspace{10pt} \#(S_{0} -\{1\})+\displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} \#S_{i}

 =\hspace{10pt}\# (S_{0} \cup ... \cup S_{l-1})-1

 =\hspace{10pt}\#(F_{p}-\{0\}) -1=p-2

また、 N_{i}^{'}=N_{i}-N/l と定める。すると

 \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1}N_{i}^{'}=0

 i ,j について N_{i}^{'}-N_{j}^{'}=N_{i}-N_{j} である。

 

4. 定理の証明

(1) の証明

 F_{p}-\{0\}=S_{0} \cup S_{0} \cup ...\cup S_{l-1}  

 S_{0}- \{1 \}=(S_{0} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{0} \cap T_{l-1})

  i \neq 0 のとき

   S_{i}=(S_{i} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{i} \cap T_{l-1})

また、

  n_{ij}=n_{ji}, \ n_{ij}=n_{(l-i)(j-i)}

 \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} n_{i0}=\frac{p-1}{l}-1

  \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} n_{ij}=\frac{p-1}{l}, \ (j \neq 0)

である。

 p≡1 \ (mod \ l) のとき

 \displaystyle \prod_{k=0,k \neq (p-1)/(2l)}^{(p-1)/l-1} (1+α^{lk})

 =\displaystyle \prod_{k=0,k \neq (p-1)/(2l)}^{(p-1)/l-1} (1+α^{k})(1+α^{k+(p-1)/l}) \cdots  (1+α^{k+(l-1)(p-1)/l})

 =\displaystyle \prod_{k=0,k \neq (p-1)/(2l)}^{(p-1)/l-1} \displaystyle \prod_{j=0}^{l-1}(1+α^{k+j(p-1)/l})

 =\displaystyle \prod_{k=0,k \neq (p-1)/2}^{(p-1)-1} (1+α^{k}) / \displaystyle \prod_{j=0,j \neq (l-1)/2}^{l-1} (1+α^{(1+2j)(p-1)/(2l)})

 =-1/ \displaystyle \prod_{j=0,j \neq (l-1)/2}^{l-1} (1+α^{(1+2j)(p-1)/(2l)})

  0 \leq j \leq l-1, j \neq (l-1)/2 について α^{(1+2j)(p-1)/(2l)}l 乗すると -1 である。この l-1 個と -1 をあわせると  X^{l}=1 の解を構成する。

 (X^{l}+1)=(X+1)(X^{l-1}-X^{l-2}+...-X+1) と因数分解できるので、

 (X^{l-1}-X^{l-2}+...-X+1)=\displaystyle \prod_{j=0,j \neq (l-1)/2}^{l-1} (X-α^{(1+2j)(p-1)/(2l)})

これに -1 を代入して l=\displaystyle \prod_{j=0,j \neq (l-1)/2}^{l-1} (1+α^{(1+2j)(p-1)/(2l)})

以上より、

 \displaystyle \prod_{k=0,k \neq (p-1)/(2l)}^{(p-1)/l-1} (1+α^{lk})=-1/l

 T_{0}-\{0\}=(S_{0} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{l-1} \cap T_{0}) より

 この式の左辺は、

 \displaystyle \prod_{α^{lk} \in T_{0} \cap S_{0} } α^{lk} \displaystyle \prod_{α^{lk+1} \in T_{0} \cap S_{1} } α^{lk+1} \cdots \displaystyle \prod_{α^{lk+l-1} \in T_{0} \cap S_{l-1} } α^{lk+l-1}

よって、ある整数 C が存在して

 α^{lC}α^{n_{1}+2n_{2}+...+(l-1)n_{l-1}}

に等しい。よって、

 ll 乗剰余 ⇔ n_{1}+2n_{2}+...+(l-1)n_{l-1}≡0 \ (mod \ l)

 

(2)の証明

 今、x \in S_{0} \cap T_{0} に対して 1-x \in S_{0}⋂T_{0} を対応させる写像を考えると、これは全単射であり、不動点が存在すれば  x=1/2 のみであることはすぐわかる。したがって、

 2 l 乗剰余 ⇔ 1/2 l 乗剰余 ⇔ n_{00}= \# (S_{0} \cap T_{0}) が奇数

である。

 

(3) の証明: l=3,5,7 の場合

  • l=3 の場合

 メモ53に書いたとおり、n_{0}=n_{00},n_{1}=n_{10},n_{2}=n_{20} とすると、n_{ij} の表は以下のとおりである。

33 乗剰余であるための条件

 定理(1)より

 n_{1}+2n_{2}+...+(l-1)n_{l-1}=n_{1}+2n_{2}≡n_{1}-n_{2}≡ 0 \ (mod \ 3)

が必要十分条件である。

メモ53の l=3 の場合の記述に従い

 a=b=1 と考えれば A=6x_{1}, B=2/3 \cdot x_{2}  

 x_{1}=1/2(N_{1}^{’}+N_{2}^{’})

 x_{2}=1/2(N_{1}^{’}-N_{2}^{’}) より上の表に注意すれば B=(N_{1}^{’}-N_{2}^{’})/3=(n_{1}-n_{2})

したがって、 33 乗剰余 ⇔ 3|B

23 乗剰余であるための条件

 上の表に注意すれば

 A=6x_{1}=3(N_{1}^{’}+N_{2}^{’})=-3N_{0}^{’}=-3(3n_{0}+2-(p-2)/3)=-9n_{0}+p-8

であるので、定理(1)より

 n_{0} が奇数 ⇔ A が偶数

したがって、 23 乗剰余 ⇔ 2|A

  • l=5 の場合

 メモ53に書いたとおり、n_{0}=n_{00},n_{1}=n_{10},n_{2}=n_{20},n_{3}=n_{30},n_{4}=n_{40}, m_{2}=n_{21}, m_{3}=n_{32} とすると、n_{ij} の表は以下のとおりである。

55 乗剰余であるための条件

 定理(1)より必要十分条件は

 n_{1}+2n_{2}+3n_{3}+4n_{4}≡n_{1}-n_{4}+2(n_{2}-n_{3})≡0 \ (mod \ 5)

メモ53の l=5 の場合の記述より

 u=2x_{2}=N_{1}^{'}-N_{4}^{'}=2(n_{1}-n_{4})+n_{2}-n_{3})

 v=2x_{3}=N_{2}^{'}-N_{3}^{'}=-(n_{1}-n_{4})+2(n_{2}-n_{3})

したがって、4u+3v=5(n_{1}-n_{4})+10(n_{2}-n_{3})

 (n_{1}-n_{4})+2(n_{2}-n_{3})=1/5(4u+3v)=1/5 \{ 4(2V+U)+3(-V+2U) \} =V+2U

よって 

 16p=x^{2}+125w^{2}+50V^{2}+50U^{2}, x≡1 \ (mod \ 5), xw=V^{2}-U^{2}-4UV \hspace{10pt}  \ (\ast)

と表したとき

 55 乗剰余 ⇔ V+2U≡0 \ (mod \ 5) である。

25 乗剰余であるための条件

 表の1行目より

 n_{0}=-n_{1}-n_{2}-n_{3}-n_{4}+(p-1)/5-1

 表の2行目と3行目を加えて

 n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4}+3(m_{2}+m_{3})=2/5(p-1) 

である。また、メモ53のl=5 の場合の記述により、

  x_{1}=1/4 \cdot (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{3}^{'}+N_{4}^{'})

 \hspace{15pt} =1/4 \cdot(N_{1}+N_{2}+N_{3}+N_{4}-4/5\cdot(p-2))

であるので、表をもとに計算すると

 4x_{1}=3(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})+4(m_{2}+m_{3})-4/5(p-2)

 \hspace{15pt} =3(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})+4/3 \{-n_{1}-n_{2}-n_{3}-n_{4}+2/5(p-1) \}-4/5(p-2)

 \hspace{15pt} =5/3(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})+8/15(p-1)-4/5(p-2)

 \hspace{15pt}=5/3(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})-4/15(p-4)

 -20x_{1}=-25/3(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})-4/3(p-4)

 \hspace{15pt}  =-25/3 \{-n_{0}+(p-1)/5-1 \} -4/3(p-4)

 3(-20x_{1})=25n_{0}-5(p-1)+25-4(p-4)=25n_{0}-9p+46

 メモ53によると -20x_{1} は上記  (\ast) の表現における x であるので、 

 n_{0} 奇数 ⇔ x 偶数

よって 

 25 乗剰余 ⇔ x が偶数

  • l=7 の場合

 メモ53に書いたとおり、n_{0}=n_{00},n_{1}=n_{10},n_{2}=n_{20},n_{3}=n_{30},n_{4}=n_{40},n_{5}=n_{50},n_{6}=n_{60}, m_{2}=n_{12},m_{3}=n_{13},m_{4}=n_{14},k=n_{24} とすると、n_{ij} の表は以下のとおりである。

77 乗剰余であるための条件

 定理(1)より必要十分条件は

 n_{1}+2n_{2}+3n_{3}+4n_{4}+5n_{5}+6n_{6}≡n_{1}-n_{6}+2(n_{2}-n_{5})+3(n_{3}-n_{4})≡0 \ (mod \ 7)

メモ53の l=7 の場合の記述より

 X_{2}=2x_{2}=N_{1}^{'}-N_{6}^{'}=2(n_{1}-n_{6})+(n_{3}-n_{4})

 X_{3}=2x_{3}=N_{2}^{'}-N_{5}^{'}=-(n_{1}-n_{6})+2(n_{2}-n_{5})

 X_{4}=2x_{4}=N_{3}^{'}-N_{4}^{'}=n_{2}-n_{5}+2(n_{3}-n_{4})

よって

 1/7 \{ 5(N_{1}^{'}-N_{6}^{'})+3(N_{2}^{'}-N_{5}^{'})+8(N_{3}^{'}-N_{4}^{'}) \} =n_{1}-n_{6}+2(n_{2}-n_{5})+3(n_{3}-n_{4})

 メモ53のやり方で

72p=2X_{1}^{2}+42X_{2}^{2}+42X_{3}^{2}+42X_{4}^{2}+1029X_{5}^{2}+343X_{6}^{2}, X_{1}≡1 \ (mod \ 7)

 56X_{1}X_{5}+12X_{2}^{2}+24X_{2}X_{3}-24X_{2}X_{4}+48X_{3}X_{4}-12X_{4}^{2}-441X_{5}^{2}+98X_{5}X_{6}+147X_{6}^{2}=0

 28X_{1}X_{5}+28X_{1}X_{6}+48X_{2}X_{3}+24X_{2}X_{4}+12X_{3}^{2}+24X_{3}X_{4}-12X_{4}^{2}-147X_{5}^{2}+490X_{5}X_{6}+49X_{6}^{2}=0 \hspace{15pt}(\ast \ast)

を満たす整数組 (X_{1},X_{2},X_{3},X_{4},X_{5},X_{6}) を求めたとき

  77 乗剰余 ⇔ 8X_{2}+3X_{3}+5X_{4}49 で割れる

27 乗剰余であるための条件

表より

 N_{0}=n_{0}+2m_{2}+2m_{4}+2k

また、表の2行目と6行目から

 n_{1}+n_{6}-n_{2}-n_{5}=-(m_{2}+m_{4}-2k)

表の3行目と4行目から

 n_{2}+n_{5}-n_{3}-n_{4}=-(m_{2}-2m_{4}+k)

表の1行目から

 n_{0}=-(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4}+n_{5}+n_{6})+(p-1)/7-1

さらに、メモ53より

 6x_{1}=N_{1}^{’}+N_{2}^{’}+N_{3}^{’}+N_{4}^{’}+N_{5}^{’}+N_{6}^{’}

であるので、

  \hspace{20pt}=N_{1}+N_{2}+N_{3}+N_{4}+N_{5}+N_{6}-6/7 \cdot (p-2)

 =-N_{0}+(p-2)-6/7 \cdot (p-2)=-n_{0}-2m_{2}-2m_{4}-2k+(p-2)/7

したがって、

 -42x_{1}=7n_{0}+14m_{2}+14m_{4}+14k-(p-2)

メモ53によると -42x_{1}  は (\ast \ast) の表現では X_{1} である。

したがって、

   27 乗剰余 ⇔ n_{0} が奇数 ⇔ X_{1} が偶数

 

5. おわりに

 メモ53において p≡1 \ (mod \ l) なる奇素数 p,l について p の整数倍は l-1 個の整数 x_{i} \ (0 \lt i \lt l) の2乗和として表現できること、その中で、x_{1}x_{1}≡1 \ (mod \ l) とできることを示した。このメモでは、l=3,5,7 の場合について、2ll 乗剰余であるための必要十分条件を示した。

 2 については、l が一般の場合でも l 乗剰余であるための必要十分条件は、2|x_{1} であると考えられる。尤も x_{1} を求めるより、2^{(p-1)/l} \  (mod \ l) を計算したほうが早いかもしれない。

 

参考文献

[1] PHILIP A. LEONARD AND KENNETH S. WILLIAMS, THE SEPTIC CHARACTER OF 2, 3, 5 AND 7, PACIFIC JOURNAL OF MATHEMATICS Vol. 52, No. 1, 1974

 

補足:メモ53の方法で求めた以下の3つの方程式の解ではX_{5}=X_{6}=0 とはならない。 

72p=2X_{1}^{2}+42X_{2}^{2}+42X_{3}^{2}+42X_{4}^{2}+1029X_{5}^{2}+343X_{6}^{2}, \ X_{1}≡1 \ (mod \ 7)

56X_{1}X_{5}+12X_{2}^{2}+24X_{2}X_{3}-24X_{2}X_{4}+48X_{3}X_{4}

\hspace{20pt} -12X_{4}^{2}-441X_{5}^{2}+98X_{5}X_{6}+147X_{6}^{2}=0

28X_{1}X_{5}+28X_{1}X_{6}+48X_{2}X_{3}+24X_{2}X_{4}+12X_{3}^{2}

\hspace{20pt}+24X_{3}X_{4}-12X_{4}^{2}-147X_{5}^{2}+490X_{5}X_{6}+49X_{6}^{2}=0

---------------------------------------------------------

(証明)

 以下、メモ53で示した内容や記号を使います。

 メモ53より、J(χ,χ)=N_{0}+N_{1}ζ+N_{2}ζ^{2}+...+N_{l-1}ζ^{l-1}

 N_{i}=\displaystyle \sum_{j+k≡i \ (mod \ l)} n_{jk} である。 

 l=7 なので J(χ,χ)=N_{0}+N_{1}ζ+N_{2}ζ^{2}+...+N_{6}ζ^{6}

 N_{i}=\displaystyle \sum_{j+k≡i \ (mod \ 7)} n_{jk} 

また、

 N=\displaystyle \sum_{i=0}^{7-1}N_{i}, \ \ \ N_{i}^{'}=N_{i}-N/7

 x_{5}=1/4 \cdot (N_{1}^{'}-N_{2}^{'}-N_{5}^{'}+N_{6}^{'})

 x_{6}=1/12 \cdot (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{5}^{'}+N_{6}^{'})-1/6 \cdot (N_{3}^{'}+N_{4}^{'})

であったので、

 X_{5}=X_{6}=0 とすると  X_{5}=4/7 \cdot x_{5}, X_{6}=12/7 \cdot x_{6} であったので x_{5}=x_{6}=0 ゆえに

 N_{1}^{’}-N_{2}^{’}-N_{5}^{’}+N_{6}^{’}=0

 N_{1}^{’}+N_{2}^{’}+N_{5}^{’}+N_{6}^{’}=2(N_{3}^{’}+N_{4}^{’})

したがって N_{1}^{’}+N_{6}^{’}=N_{2}^{’}+N_{5}^{’}=N_{3}^{’}+N_{4}^{’}

よって N_{1}+N_{6}=N_{2}+N_{5}=N_{3}+N_{4}

 \overline{J(χ,χ)}=N_{0}+N_{1}ζ^{6}+N_{2}ζ^{5}+...+N_{6}ζ

よって、

 J(χ,χ)+\overline{J(χ,χ)}=2N_{0}+(N_{1}+N_{6})(ζ+ζ^{6})+(N_{2}+N_{5})(ζ^{2}+ζ^{5})+(N_{3}+N_{4})(ζ^{3}+ζ^{4})

 \hspace{30pt} =2N_{0}+(N_{1}+N_{6})(ζ+ζ^{6}+ζ^{2}+ζ^{5}+ζ^{3}+ζ^{4})

  \hspace{30pt} =2N_{0}-(N_{1}+N_{6})

 J(χ,χ) \cdot \overline{J(χ,χ)}=p であるので、J(χ,χ), \overline{J(χ,χ)} は2次体の元になります。

・次に J(χ,χ)=N_{0}-N_{6}+(N_{1}-N_{6})(ζ+ζ^{2}+ζ^{4}) をいう。

 G=J(χ,χ)-\overline{J(χ,χ)} は純虚数で2次体の元なので、2乗すると有理数になる。 A=N_{1}-N_{6},B=N_{2}-N_{5},C=N_{3}-N_{4} とおくと

  G^2=\{ A(ζ-ζ^{6})+B(ζ^{2}-ζ^{5})+C(ζ^{3}-ζ^{4}) \}^{2}

 \hspace{15pt}= A^{2}(ζ-ζ^{6})^{2}+B^{2}(ζ^{2}-ζ^{5})^{2}+C^{2}(ζ^{3}-ζ^{4})^{2}

 \hspace{15pt} +2AB(ζ-ζ^{6})(ζ^{2}-ζ^{5})+2AC(ζ-ζ^{6})(ζ^{3}-ζ^{4})

 \hspace{15pt} +2BC(ζ^{2}-ζ^{5})(ζ^{3}-ζ^{4})

 \hspace{15pt} =A^{2}(ζ^{2}+ζ^{5}-2)+B^{2}(ζ^{3}+ζ^{4}-2)

 \hspace{15pt} +C^{2}(ζ^{6}+ζ-2)+2AB(ζ^{3}-ζ^{6}-ζ+ζ^{4})

 \hspace{15pt} +2AC(ζ^{4}-ζ^{5}-ζ^{2}+ζ^{3})+2BC(ζ^{5}-ζ^{6}-ζ+ζ^{2})

 \hspace{15pt} =-2(A^{2}+B^{2}+C^{2})+ζ(C^{2}-2AB-2BC)

 \hspace{15pt} +ζ^{2}(A^{2}-2AC+2BC)+ζ^{3}(B^{2}+2AB+2AC)

 \hspace{15pt} +ζ^{4}(B^{2}+2AB+2AC)+ζ^{5}(A^{2}-2AC+2BC)

 \hspace{15pt} +ζ^{6}(C^{2}-2AB-2BC)

 ζ^{6}=-1-ζ-ζ^{2}-ζ^{3}-ζ^{4}-ζ^{5} を代入して

 G^{2}=-2(A^{2}+B^{2}+C^{2})-(C^{2}-2AB-2BC)

 \hspace{15pt}+ζ \{ C^{2}-2AB-2BC-(C^{2}-2AB-2BC) \}

 \hspace{15pt} +ζ^{2} \{ A^{2}-2AC+2BC-(C^{2}-2AB-2BC) \}

 \hspace{15pt} +ζ^{3} \{ B^{2}+2AB+2AC-(C^{2}-2AB-2BC) \}

 \hspace{15pt} +ζ^{4} \{ B^{2}+2AB+2AC- (C^{2}-2AB-2BC) \}

 \hspace{15pt} +ζ^{5} \{ A^{2}-2AC+2BC-(C^{2}-2AB-2BC) \}

\mathbb{Q} (ζ)\mathbb{Q} 上の6次元ベクトル空間とみれば 1, ζ, ζ^{2}, ζ^{3}, ζ^{4}, ζ^{5} は1次独立であり、G^{2} は有理数なので、ζ, ζ^{2}, ζ^{3}, ζ^{4}, ζ^{5} の係数は 0 である。
したがって、
 A^{2}-C^{2}-2AC+2AB+4BC=0 \ \  (1)
 B^{2}-C^{2}+4AB+2AC+2BC=0 \ \  (2)

(1) より 2B(A+2C)=-A^{2}+C^{2}+2AC
A+2C=0 とすると、-4C^{2}+C^{2}-4C^{2}=0 よって C=0, A=0 さらに、(2) より B=0
これは、N_{1}=N_{2}=N_{3}=N_{4}=N_{5}=N_{6} を意味する。すると
 J(χ,χ)=N_{0}+N_{1}ζ+N_{2}ζ^{2}+...+N_{6}ζ^{6}

 \hspace{15pt} =N_{0}+N_{1}(ζ+ζ^{2}+ζ^{3}+ζ^{4}+ζ^{5}+ζ^{6})
    \hspace{15pt} =N_{0}-N_{1}=\overline{J(χ,χ)} J(χ,χ) \overline{J(χ,χ)}=p なのでこれは矛盾。よって A+2C \neq 0
 したがって、B=1/2(-A^{2}+C^{2}+2AC)/(A+2C) これをsagemathを用いて、(2) に代入し、分母を払って既約多項式の積とすると
 (A+C)(A^{3} - A^{2}C-9AC^{2}+C^{3})=0 を得る。
A,C とも整数であるので A=-C を得る。これを (1) に代入し 2C^{2}+2BC=0 よって C=0 または B=-C
C=0 とすると、上と同様に A=B=C=0 となり矛盾。B=-C とすると、A=B=-C
よって、N_{1}-N_{6}=N_{2}-N_{5}=N_{4}-N_{3}  一方、 N_{1}+N_{6}=N_{2}+N_{5}=N_{3}+N_{4}
よって N_{1}=N_{2}=N_{4}, N_{3}=N_{5}=N_{6}

これで、 J(χ,χ)=N_{0}-N_{6}+(N_{1}-N_{6})(ζ+ζ^{2}+ζ^{4}) がいえた。

・次に、J(χ^{2},χ)を計算すると2次体の元になることを示す。

 ヤコビ和の定義より

 J(χ^{2},χ)=\displaystyle \sum_{a \in F_{p}} χ^{2}(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{i=0}^{6} \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ^{2}(a)χ(1-a)

  \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ^{2}(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{i=0}^{6} \displaystyle \sum_{a \in S_{i} \cap T_{j}} χ^{2}(a)χ(1-a)

 a \in S_{i} \cap T_{j} のとき a=α^{7k+i}=1+α^{7k'+j} とかける。ここで、αF_{p} の原始根、k,k' は自然数。 χ(-1)=1 に注意すれば、

  \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ^{2}(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{i=0}^{6} \displaystyle \sum_{α^{7k+i}=1+α^{7k'+j}}  χ^{2}(α^{7k+i})χ(α^{7k'+j})

 \hspace{15pt}= \displaystyle \sum_{j=0}^{6} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{\dfrac{2 \cdot 2 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{7} \cdot \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{7}}

 \hspace{15pt}=e^{\dfrac{4 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{7}} \displaystyle \sum_{j=0}^{6} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{\dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{7}}

なので、

 J(χ^{2},χ)=n_{00}+n_{01}ζ+ \ ... \ +n_{06}ζ^{6}

 \hspace{15pt}+n_{10}ζ^{2}+n_{11}ζ^{3}+ \ ... \ +n_{16}ζ

 \hspace{15pt}+n_{20}ζ^{4}+n_{21}ζ^{5}+ \ ... \ +n_{26}ζ^{3}

 \hspace{15pt}+n_{30}ζ^{6}+n_{31}+ \ ... \ +n_{36}ζ^{5} 

 \hspace{15pt}+n_{40}ζ+n_{41}ζ^{2}+ \ ... \  +n_{46}

 \hspace{15pt}+n_{50}ζ^{3}+n_{51}ζ^{4}+ \ ... \  +n_{56}ζ^{2}

 \hspace{15pt}+n_{60}ζ^{5}+n_{61}ζ^{6}+ \ ... \ +n_{66}ζ^{4}

したがって、 

 J(χ^{2},χ)=M_{0}+M_{1}ζ+...+M_{6}ζ^{6} とするとき、4に示した表を使うと

 M_{0}=n_{00}+n_{15}+n_{23}+n_{31}+n_{46}+n_{54}+n_{62}

  \hspace{15pt}=n_{0}+6m_{3}

 M_{1}=n_{01}+n_{16}+n_{24}+n_{32}+n_{40}+n_{55}+n_{63}

 \hspace{15pt}=n_{1}+m_{2}+k+m_{3}+n_{4}+n_{2}+m_{4}

 M_{2}=n_{02}+n_{10}+n_{25}+n_{33}+n_{41}+n_{56}+n_{64}

 \hspace{15pt}=n_{2}+n_{1}+k+n_{4}+m_{4}+m_{2}+m_{3}

 M_{4}=n_{04}+n_{12}+n_{20}+n_{35}+n_{43}+n_{51}+n_{66}

 \hspace{15pt}=n_{4}+m_{2}+n_{2}+k+m_{4}+m_{3}+n_{1}

よって、 M_{1}=M_{2}=M_{4}

同様に、 M_{3}=M_{5}=M_{6}=n_{3}+n_{5}+n_{6}+m_{2}+m_{3}+m_{4}+k となる。

よって、

 J(χ^{2},χ)=n_{0}+6m_{3}+M_{1}(ζ+ζ^{2}+ζ^{4})+M_{3}(ζ^{3}+ζ^{5}+ζ^{6})

 \hspace{15pt}=n_{0}+6m_{3}+M_{1}(ζ+ζ^{2}+ζ^{4})-M_{3}(1+ζ+ζ^{2}+ζ^{4})

 \hspace{15pt}=M_{0}-M_{3}+(M_{1}-M_{3})(ζ+ζ^{2}+ζ^{4})

これで、J(χ^{2},χ)は、2次体の元であることがいえた。

・最後に、最初の仮定X_{5}=X_{6}=0 が矛盾を生ずることを示す。

 まず、

 M_{1}=N_{2}=M_{4}=n_{1}+n_{2}+n_{4}+m_{2}+m_{3}+m_{4}+k

 M_{3}=M_{5}=M_{6}=n_{3}+n_{5}+n_{6}+m_{2}+m_{3}+m_{4}+k

 一方、χ,χ^{2},χ^{3} とも自明な指標ではないので、J(χ^{2},χ) \cdot \overline{J(χ^{2},χ)}=p が成り立つ。また、J(χ,χ) \cdot \overline{J(χ,χ)}=p であった。 J(χ,χ),J(χ^{2},χ) は類数1の2次体 \mathbb{Q}( \sqrt{-7})の整数環の元であるので、J(χ^{2},χ)=±J(χ,χ) または J(χ^{2},χ)=±\overline{J(χ,χ)}

J(χ^{2},χ)=J(χ,χ) のとき

 N_{0}-N_{6}=M_{0}-M_{6} ,N_{1}-N_{6}=M_{1}-M_{6}

6(N_{0}-N_{6})-3(N_{1}-N_{6})=6N_{0}-3(N_{1}+N_{6})=7N_{0}-(N_{0}+N_{1}+N_{2}+N_{3}+N_{4}+N_{5}+N_{6})=7N_{0}-(p-2)

6(M_{0}-M_{6})-3(M_{1}-M_{6})=6M_{0}-3(M_{1}+M_{6})=7M_{0}-(M_{0}+M_{1}+M_{2}+M_{3}+M_{4}+M_{5}+M_{6})=7M_{0}-(p-2)

両者が等しいので N_{0}=M_{0}

よって、N_{1}=M_{1},N_{6}=M_{6} 

メモ53の  n_{0},...,n_{6},m_{2},m_{3},m_{4},k による N_{0},N_{1},N_{2},N_{4} の表現を用いると 

  n_{0}+2(m_{2}+m_{4}+k)=N_{0}=M_{0}=n_{0}+6m_{3} よって  m_{2}+m_{4}+k=3m_{3}

2n_{1}+2n_{2}+2n_{4}+n_{3}+n_{5}+n_{6}+2(m_{2}+m_{4}+k)+6m_{3}=N_{1}+N_{2}+N_{4}=M_{1}+M_{2}+M_{4}=3(n_{1}+n_{2}+n_{4})+3(m_{2}+m_{4}+k+m_{3}) よって、

 n_{1}+n_{2}+n_{4}=n_{3}+n_{5}+n_{6} これは M_{1}=...=M_{6} を意味する。

そうすると、J(χ^2,χ)=M_{0}+M_{1}ζ+...+M_{6}ζ^{6}=M_{0}-M_{1} \in \mathbb{Z} となり矛盾。  

J(χ^{2},χ)=-J(χ,χ) のとき

M_{0}-M_{6}=-(N_{0}-N_{6}), M_{1}-M_{6}=-(N_{1}-N_{6})

上と同様の計算をすると、 7(M_{0}+N_{0})=2(p-2), \ p≡1 \ (mod \ 7) なので矛盾。

J(χ^{2},χ)=\overline{J(χ,χ)} のとき

\overline{J(χ,χ)}=N_{0}-N_{6}+(N_{1}-N_{6})(ζ^{6}+ζ^{5}+ζ^{3})=N_{0}-N_{1}+(N_{6}-N_{1})(ζ+ζ^{2}+ζ^{4})

したがって、 M_{0}-M_{6}=N_{0}-N_{1} ,M_{1}-M_{6}=N_{6}-N_{1}

6(N_{0}-N_{1})-3(N_{6}-N_{1})=6N_{0}-3(N_{1}+N_{6})=7N_{0}-(N_{0}+N_{1}+N_{2}+N_{3}+N_{4}+N_{5}+N_{6})=7N_{0}-(p-2)

6(M_{0}-M_{6})-3(M_{1}-M_{6})=6M_{0}-3(M_{1}+M_{6})=7M_{0}-(M_{0}+M_{1}+M_{2}+M_{3}+M_{4}+M_{5}+M_{6})=7M_{0}-(p-2)

これらが等しいので、M_{0}=N_{0} よって、 M_{1}=N_{6},M_{6}=N_{1}

  n_{0}+2(m_{2}+m_{4}+k)=N_{0}=M_{0}=n_{0}+6m_{3} よって  m_{2}+m_{4}+k=3m_{3}

2n_{1}+2n_{2}+2n_{4}+n_{3}+n_{5}+n_{6}+2(m_{2}+m_{4}+k)+6m_{3}=N_{1}+N_{2}+N_{4}=M_{3}+M_{5}+M_{6}=3(n_{3}+n_{5}+n_{6})+3(m_{2}+m_{4}+k+m_{3}) よって、

 n_{1}+n_{2}+n_{4}=n_{3}+n_{5}+n_{6} これは M_{1}=...=M_{6} を意味するので上と同様に矛盾。

J(χ^{2},χ)=‐\overline{J(χ,χ)} のとき

 M_{0}-M_{6}=-N_{0}+N_{1} ,M_{1}-M_{6}=-N_{6}+N_{1}

上と同様の計算をすると 7M_{0}-(p-2)=-7N_{0}+(p-2) よって

 7(M_{0}+N_{0})=2(p-2), \ p≡1 \ (mod \ 7) なので矛盾。

 

 以上より、x_{5}=x_{6}=0 となることはない。

 (注:本当は \mathbb{Q} (\sqrt{-7}) が類数1の2次体などということを使わずに計算で矛盾が生ずることを示したかったが、どうもうまくいかない。どなたかよい方法があれば教えていただくとありがたいです。)

 

 

 

 

メモ53 p=ln+1型(l:奇素数)の素数を(l-1)個の整数の正係数付き2乗和で表現する

1.はじめに

 p≡1 \ (mod \ 3) の素数は 4p=A^{2}+27B^{2}, A≡1 \ (mod \ 3) と 2個の整数 A,B により正整数係数付き2乗和として表せる。

  同様に

 p≡1 \ (mod \ 5) の素数は、整数 x,w,v,u により 16p=x^{2}+125w^{2}+50v^{2}+50u^{2}, x≡1 \ (mod \ 5)

 \hspace{30pt}, xw=v^{2}-u^{2}-4uv

 p≡1 \ (mod \ 7) の素数は、整数 x_{1},x_{2},x_{3},x_{4},x_{5},x_{6} により  72p=2x_{1}^{2}+42(x_{2}^{2}+x_{3}^{2}+x_{4}^{2})+343(x_{5}^{2}+3x_{6}^{2}), x_{}≡1 \ (mod \ 7)

12x_{2}^{2}-12x_{4}^{2}+147x_{5}^{2}-441x_{6}^{2}+56x_{1}x_{6}+24x_{2}x_{3}

\hspace{30pt} -24x_{2}x_{4}+48x_{3}x_{4}+98x_{5}x_{6}=0

12x_{3}^{2}-12x_{4}^{2}+49x_{5}^{2}-147x_{6}^{2}+28x_{1}x_{5}+28x_{1}x_{6}

\hspace{30pt} +48x_{2}x_{3}+24x_{2}x_{4}+24x_{3}x_{4}+490x_{5}x_{6}=0

という関係を満たしている([1 ])

 妄想をたくましくすると

 p=ln+1\ (l: 奇素数)とあらわされる素数は、(l-1) 個の正係数付き2乗和としてあらわされ、2乗和を構成する(l-1) 個の数の間には、(l-3)/2 個の2次式 =0 という関係が成り立つ

といえるのではないか。

 このメモでは、それが成り立つことを確かめた試みを記すこととする。間違いがあればご指摘いただければ幸いです。  

2.ヤコビ和の計算

 唐突であるが、p,l を奇素数で、 p≡1 \ (mod \ l) とする。このとき有限体F_{p}の乗法群 F_{p}^{*} は位数 p-1 の巡回群であるので、l 次の指標  χ が存在する。なお、0 \in F_{p} に対し χ(0)=0とする。このときJacobi和 J(χ,χ) は、

 J(χ,χ)= \displaystyle \sum_{a \in F_{p}} χ(a)χ(1-a)

である。χ(0)=0 であるので、和は  F_{p}- \{0,1 \} に対してとることでもよいが、ここではこうしておき、適宜柔軟な記述を行うこととする。

 今、α を有限体 F_{p} の原始根、指標 χχ(α)=ζ=exp( \frac{2 \pi \sqrt{-1}}{l}) とする。また、

 S_{i}= \{ α^{lk+i} | 0 \leq k \lt \frac{p-1}{l} \} \ ( 0 \leq i \lt l-1)

 T_{i}= \{ 1+α^{lk+i} | 0 \leq k \lt \frac{p-1}{l} \} \ ( 0 \leq i \lt l-1)

 n_{ij}=\# S_{i} \cap T_{j}

と定義する。そうすると、

 F_{p} - \{0 \} = S_{0} \cup ... \cup S_{l-1}

 S_{0} - \{1 \} = (S_{0} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{0} \cap T_{l-1})

i \neq 0 のとき

 S_{i} = (S_{i} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{i} \cap T_{l-1})

であるので

 J(χ,χ)= \displaystyle \sum_{a \in F_{p}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)

 \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{a \in S_{i} \cap T_{j}} χ(a)χ(1-a)

a \in S_{i} \cap T_{j} のとき a=α^{lk+i}=1+α^{lk’+j}, \  χ(-1)=1 に注意すれば

 \displaystyle \sum_{a \in S_{i}} χ(a)χ(1-a)=\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \displaystyle \sum_{α^{lk+i}=1+α^{lk'+j} } χ(α^{lk+i})χ(-α^{lk'+j})

 =\displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{ \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{l} \cdot \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{l}} = e^{ \dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot i}{l}} \displaystyle \sum_{j=0}^{l-1} \# (S_{i} \cap T_{j})e^{\dfrac{2 \pi \sqrt{-1} \cdot j}{l}}

なので、

 J(χ,χ)=n_{00} \ + \ n_{01}ζ+ \hspace{36pt} ...  \hspace{36pt}+n_{0(l-1)}ζ^{l-1}

  \hspace{40pt} +n_{10}ζ+n_{11}ζ^{2}+\hspace{34pt} ... \hspace{34pt} +n_{1(l-1)}

   \hspace{60pt} \vdots

  \hspace{40pt} +n_{i0}ζ^{i}+n_{i1}ζ^{i+1}+ ... +n_{ij}ζ^{i+j}+ ... +n_{i(l-1)}ζ^{i+l-1}

   \hspace{60pt} \vdots

  \hspace{40pt}+n_{(l-1)0}ζ^{l-1}+n_{(l-1)1}+\hspace{18pt} .... \hspace{18pt}+n_{(l-1)(l-1)}ζ^{l-2}

 したがって、

  N_{0}=n_{00}+n_{1(l-1)}+ ... + n_{(l-1)1}

  N_{i}= \displaystyle \sum_{j+k≡i \ (mod \ l)} n_{jk}

とおくと

 J(χ,χ)=N_{0}+N_{1}ζ+ ... +N_{l-1}ζ^{l-1}

である。

 J(χ,χ) の複素共役は

 \overline {J(χ,χ)}= \overline {N_{0}+N_{1}ζ+ ... +N_{l-1}ζ^{l-1}}=N_{0}+N_{l-1}ζ+ ... +N_{1}ζ^{l-1}

 J(χ,χ)\overline {J(χ,χ)}=p が成り立つので、

  p=(N_{0}+N_{1}ζ+ ... +N_{l-1}ζ^{l-1})(N_{0}+N_{l-1}ζ+ ... +N_{1}ζ^{l-1})

  \hspace{20pt} =M_{0}+M_{1}ζ+ ... +M_{l-1}ζ^{l-1} とすると

 M_{0}=N_{0}^{2}+N_{1}^{2}+ ...  +N_{l-1}^{2}

 M_{1}=N_{0}N_{l-1}+N_{1}N_{0}+N_{2}N_{1}+ ... +N_{l-1}N_{l-2}

   \hspace{60pt} \vdots

 M_{i}=N_{0}N_{l-i}+N_{1}N_{l-i+1}+\hspace{10pt} ...\hspace{10pt} +N_{l-1}N_{2l-1-i}

   \hspace{60pt} \vdots

 M_{l-1}=N_{0}N_{1}+N_{1}N_{2}+\hspace{20pt} ... \hspace{20pt} +N_{l-1}N_{0}

である。なお、M_{i}=M_{l-i} \ (0 \lt i \lt l) が成り立つことに注意する。

 ζ^{l-1}=-(1+ζ+...+ζ^{l-2}) なので

 p=M_{0}-M_{l-1}+(M_{1}-M_{l-1})ζ+...+(M_{l-2}-M_{l-1})ζ^{l-2}

 \mathbb {Q}(ζ) \mathbb {Q} 上の l-1 次ベクトル空間とみるとき、1, ζ, ... , ζ^{l-2} は1次独立である。よって、

  M_{1}=M_{2}=...=M_{l-1} かつ

 p=M_{0}-M_{l-1}=M_{0}-\dfrac{1}{l-1} \displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} M_{i}

  \hspace{20pt} =M_{0}-\dfrac{2}{l-1} \displaystyle \sum_{i \neq j} N_{i}N_{j}

  \hspace{20pt}=M_{0}-\dfrac{1}{l-1} (N^{2}- \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{2})

  \hspace{20pt}=\dfrac{l}{l-1} \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{2} -\dfrac{1}{l-1} N^{2}

ここで、  N= \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}

さらに、

  \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} (N_{i}-N/l)^{2}= \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} (N_{i}^{2}-\dfrac{2}{l}NN_{i}+\dfrac{1}{l^{2}}N^{2})

  =\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{2}-\dfrac{2}{l} N \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}+\dfrac{1}{l} N^{2}=\displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{2}-\dfrac{1}{l} N^{2}

であるので、

  \dfrac{l}{l-1} \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} (N_{i}-N/l)^{2}=\dfrac{l}{l-1} \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{2} - \dfrac{1}{l-1}N^{2}

よって

 p=\dfrac{l}{l-1} \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} (N_{i}-N/l)^{2}

 つまり、pl 個の正係数付き2乗和として表せたことになる。

 N_{i}-N/l=N_{i}^{'} とおけば、 \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{'}=0 なので、N_{0}^{'}N_{1}^{'} から  N_{l-1}^{'} までの l-1 個で表わされる。したがって、 p は、l-1 個の変数の2次形式であらわされる。

 次に、この2次形式を対角型の2次形式、つまり係数付き2乗和に変形することを考える。

3.2次形式の対角化

  \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} (N_{i}^{'})^{2}=(N_{0}^{'})^{2}+ \displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} (N_{i}^{'})^{2}=(\displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} N_{i}^{'})^{2}+\displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} (N_{i}^{'})^{2}

 \hspace{20pt} = 2\displaystyle \sum_{i=1}^{l-1} (N_{i}^{'})^{2}+\displaystyle \sum_{i \neq j}N_{i}^{'}N_{j}^{'}

なので2次形式 (N_{0}^{'})^{2}+(N_{1}^{'})^{2}+...+(N_{l-1}^{'})^{2} は、l-1 次の対称行列

\begin{eqnarray}
A = \left(
  \begin{array}{ccccc}
    2 & 1 & \ldots & 1 & 1 \\
    1 & 2  & \ldots & 1 & 1\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    1 & 1 & \ldots & 2 & 1 \\
    1 & 1 & \ldots & 1 & 2
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

で表される。つまり

 \dfrac{l-1}{l}p=(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'})A{}^t(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'}) である。

 一般に対称行列は直交行列で対角化されるが、その場合直交行列の成分が有理数ではなくなる可能性があるので、その点に注意して検討を進める。

  A の固有値は l1 個、1l-2 個であることは、すぐわかる。固有ベクトルについては、

固有値 l に対して {}^t(1,1,...,1,1) 

固有値 1 に対して {}^t(1,0,...,0,-1)

            {}^t(1,0,...,0,-1)

           \hspace{30pt} \vdots

            {}^t(0,0,...,1,-1)

が、それぞれ 1 次元と l-2 次元の固有ベクトル空間を形成する。

今、固有値 l に対する固有ベクトルを v_{1} 、固有値 1 に対する独立な固有ベクトルを v_{2},...,v_{l-1} とし、これらは直交するものとする。V=(v_{1},v_{2}, ... ,v_{l-1}) とすると

\begin{eqnarray}
A \cdot V = V \left(
  \begin{array}{ccccc}
    l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & 1  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & 1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

左から V の転置行列をかけて

\begin{eqnarray}
{}^tVAV = {}^tV V\left(
  \begin{array}{ccccc}
    l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & 1  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & 1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}=  \scriptstyle \begin{pmatrix}
    <v_{1},v_{1}> & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & <v_{2},v_{2}>  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & <v_{l-1},v_{l-1}> & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & <v_{l},v_{l}>
\end{pmatrix}
 \scriptstyle \begin{pmatrix}
    l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & 1  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & 1
  \end{pmatrix}\end{eqnarray}

ここで、

\begin{eqnarray}
L= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{ccccc}
    l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & 1  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & 1
  \end{array}
\right) \ K= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{ccccc}
    <v_{1},v_{1}> & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
    0 & <v_{2},v_{2}>  & \ldots & 0 & 0\\
    \vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
    0 & 0 & \ldots & <v_{l-1},v_{l-1}> & 0 \\
    0 & 0 & \ldots & 0 & <v_{l},v_{l}>
\end{array}
\right)
\end{eqnarray} とおくと

 {}^{t}VAV=KL とあらわされる。

  l-1 次縦ベクトルを  \mathbf {x} ={}^{t}(x_{1},x_{2},...,x_{l-1}) とすれば

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t} VAV \mathbf  {x} ={}^{t} \mathbf  {x} KL \mathbf  {x} よって、\mathbf  {x}=V^{-1} {}^{t}(N_{1}^{'},N_{2}^{'}, ... ,N_{l-1}^{'}) とすれば、

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t} VAV \mathbf  {x} ={}^{t}(V \mathbf  {x} )AV \mathbf  {x}=(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'})A{}^t(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'})

一方、

 {}^{t} \mathbf  {x} KL \mathbf  {x}=l<v_{1},v_{1}>x_{1}^{2}+<v_{2},v_{2}>x_{2}^{2}+...+<v_{l-1},v_{l-1}>x_{l-1}^{2}

である。

  \dfrac{l-1}{l}p=(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'})A{}^t(N_{1}^{'},N_{2}^{'},...,N_{l-1}^{'}) であったので、

 p=\dfrac{l^{2}}{l-1}<v_{1},v_{1}>x_{1}^{2}+\dfrac{l}{l-1}<v_{2},v_{2}>x_{2}^{2}+...+\dfrac{l}{l-1}<v_{l-1},v_{l-1}>x_{l-1}^{2}

 これで pl-1 個の x_{i} の正係数付き2乗和としてあらわすことができた。

 さらに、p の整数倍が正整数係数付きのl-1 個の整数の2乗和としてあらわせることを示す。

 {}^{t} V \cdot V=K より、K^{-1}{}^{t} V \cdot V={}^{t} (VK^{-1}) \cdot V=l-1 次単位行列 なので V^{-1}=K^{-1}{}^{t} V ={}^{t} (VK^{-1}) である。

 \mathbf  {x} = V^{-1} {}^{t} (N_{1}^{'}, N_{2}^{'}, ..., N_{l-1}^{'})={}^{t}(VK^{-1}) {}^{t} (N_{1}^{'}, N_{2}^{'}, ..., N_{l-1}^{'}) なので、

 v_{i}={}^{t} (v_{i1}, v_{2i}, ... , v_{(l-1)i}) とすれば、 (VK^{-1})(i,j) 成分は v_{ij}/<v_{i},v_{i}> したがって、{}^{t}(VK^{-1})(i,j) 成分は、 v_{ji}/<v_{j},v_{j}> したがって、

 x_{i}=\displaystyle \sum_{j=1}^{l-1}v_{ji}/<v_{j},v_{j}> \cdot N_{j}^{'}

 N_{i}^{'}=N_{i}-N/l = (\displaystyle \sum_{j+k≡i \ (mod \ l)} n_{jk}) -(p-2)/l かつ、n_{jk} は非負整数であるので、v_{ji}/<v_{j},v_{j}> \ (0 \lt j \lt l-1) 達の分母の最小公倍数  \cdot lx_{i} に掛ければ整数となる 。

 px_{i}2 乗和であらわす際の x_{i}^{2} の係数についても  <v_{i},v_{i}> の分母の最小公倍数  \cdot (l-1) は整数となる。

したがって、 p の整数倍が正整数係数付きの (l-1) 個の整数の 2 乗和としてあらわせることがわかった。

 残りは、x_{i} 達が (l-3)/2 個の2次式 =0 を満たすことを示せばよい。

 

4.l-1 個の x_{i} 達は (l-3)/2 個の2次式 =0 を満たす。

 2.で示したように M_{1}=M_{2}=...=M(l-1) であるが、M_{i}=M_{l-i} なので、(l-3)/2 個の等式  M_{1}=M_{j} \ (1 \lt j \lt (l-1)/2+1) が成り立つ。

 M_{i}=N_{0}N_{l-i}+N_{1}N_{l-i+1}+...+N_{l-1}N_{2l-1-i}

 \hspace{10pt} =(N_{0}^{'}+N/l)(N_{l-i}^{'}+N/l)+(N_{1}^{'}+N/l)(N_{l-i+1}^{'}+N/l)

 \hspace{10pt} +...+(N_{l-1}^{'}+N/l)(N_{l-1-i}^{'}+N/l)

 \hspace{10pt} =N_{0}^{'}N_{l-i}^{'}+N/l \cdot (N_{0}^{'}+N_{l-i}^{'})+N^{2}/l^{2}+N_{1}^{'}N_{l-i+1}^{'}+N/l \cdot (N_{1}^{'}+N_{l-i+1}^{'})

 \hspace{10pt}+N^{2}/l^{2}+...+N_{l-1}^{'}N_{l-1-i}^{'}+N/l \cdot (N_{l-1}^{'}+N_{2l-1-i}^{'})+N^{2}/l^{2}

 \hspace{10pt} =N_{0}^{'}N_{l-i}^{'}+N_{1}^{'}N_{l-i+1}^{'}+...+N_{l-1}^{'}N_{2l-1-i}^{'}+N/l \cdot (2 \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} N_{i}^{'}) +N^{2}/l

 \hspace{10pt} =N_{0}^{'}N_{l-i}^{'}+N_{1}^{'}N_{l-i+1}^{'}+...+N_{l-1}^{'}N_{2l-1-i}^{'}+N^{2}/l

 また、N_{0}^{'}=-(N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+...+N_{l-1}^{'}) なので、

   0 \lt m,n \lt l とするとき、M_{1}-M_{j}N_{m}^{'}N_{n}^{'} の積和(2 次同次式)である。

 \mathbf  {x} = V^{-1} {}^{t} (N_{1}^{'}, N_{2}^{'}, ..., N_{l-1}^{'}) であったので、{}^{t} (N_{1}^{'}, N_{2}^{'}, ..., N_{l-1}^{'})=V \mathbf  {x} である。

 以上より、 

 l-1 個のx_{i} 達は (l-3)/2 個の2次式 =0 を満たすことがわかった。

 今後の単純化のために、2次式=0 を行列を用いて表現することを考える。

 M_{1}=M_{i} \ ( 1 \lt i \lt l) より  M_{1}-N^{2}/l=M_{i}-N^{2}/l \ ( 1 \lt i \lt l) であるので、 M_{i}-N^{2}/l を行列表現することを考える。つまり、行列 A_{i} により

 M_{i}-N^{2}/l=(N_{1}^{'},...,N_{l-1}^{'})A_{i} {}^{t} (N_{1}^{'},...,N_{l-1}^{'}) となる A_{i} を求める。少し、ややこしいが、以下の結果が得られる。

 i=1 のとき

  i=(l-1)/2 のとき

 i \neq 1, \ (l-1)/2 のとき

 M_{i}-N^{2}/lN_{i}^{'} 達の表現で N_{0}^{'} が現れるときは、 -(N_{1}^{'}+...+N_{l-1}^{'} に置き換える必要がある。N_{0}^{'} は2回現れるが、そのときの積の相方は N_{l-i}^{'}N_{i}^{'} であり、i 行(列)とl-i 行(列)の位置関係により場合を分けた(結果を見ると統一的なとらえ方ができるかもしれない)。

 {}^{t} (N_{1}^{'}, N_{2}^{'}, ..., N_{l-1}^{'})=V \mathbf  {x} であったので、

M_{i}-N^{2}/l=(N_{1}^{'},...,N_{l-1}^{'})A_{i} {}^{t} (N_{1}^{'},...,N_{l-1}^{'})={}^{t}(Vx)A_{i}Vx={}^{t}x {}^{t}VA_{i}Vx であるので、直交するl-1 個の固有ベクトルで構成される行列 V を与えたときに、x_{i} 達の関係式は、行列 {}^{t}VA_{i}V を計算することで得ることができる。 

5. n_{ij} 間の関係について

 次節で p≡1 \ (mod l) を整数倍して整数係数の整数の2乗和として表現する具体例を示すが、十分精密な結果を得るためには、N_{i}^{'} 達を線形和として構成する n_{ij} 間になりたつ関係を知っておく必要がある。

  F_{p} の原始根 α に対して、 S_{i}= \{α^{lk+i} | 0 \leq k \lt (p-1)/l \}, \ T_{j}=\{ 1+α^{lk+j} | 0 \leq k \lt (p-1)/l \}

 n_{ij}= \#S_{i} \cap  T_{j}  であった。このとき、以下がなりたつ。

--------------------------------------------

命題

n_{ij}=n_{ji}

n_{ij}=n_{(l-i)(j-i)}=n_{(j-i)(l-i)} 特に、n_{ii}=n_{(l-i)0}=n_{0(l-i)}

 \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} n_{i0}=(p-1)/l -1

   \displaystyle \sum_{i=0}^{l-1} n_{ij}=(p-1)/l , \ (j \neq 0)

--------------------------------------------

(略証)

  S_{i} \cap T_{j} \in x=α^{lk+i}=1+α^{lk'+j} とする。

x \rightarrow 1-xS_{i} \cap T_{j} から S_{j} \cap T_{i} への全単射

1=α^{-lk-i}+α^{l(k-k')+j-i} よって

 α^{-lk-i}=1-α^{l(k-k')+j-i}=1+α^{ \{l(k-k')+(p-1)/(2l) \}+j-i}

 つまり、x \rightarrow 1/xS_{i} \cap T_{j} から S_{l-i} \cap T_{j-i} への全単射

S_{0} - \{1 \} = (S_{0} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{0} \cap T_{l-1})

    S_{i} = (S_{i} \cap T_{0}) \cup ... \cup (S_{i} \cap T_{l-1}) \ (i \neq 0) より。

(略証終)

6.直交する固有ベクトルを与えて l-1 個の整数による 2 乗和表現を求める。

 3.において、固有ベクトルの例として、

固有値 l に対して {}^t(1,1,...,1,1) 

固有値 1 に対して {}^t(1,0,...,0,-1)

            {}^t(1,0,...,0,-1)

           \hspace{30pt} \vdots

            {}^t(0,0,...,1,-1)

を示した。但しこれらは直交する固有ベクトル群ではない。

  以下は、直交する固有ベクトル群の一例とその求め方である。

【直交する固有ベクトル群の例の求め方】

 まず、 l-1 を2進表現する。つまり

  l-1=a_{0}+a_{1} \cdot 2+...+a_{2} \cdot 2^{2}+...+a_{k} \cdot 2^{k} とする。

 [x] をガウス記号、つまり、[x] をx を超えない最大の整数とする。

 このとき、

  \displaystyle \sum_{j=1}^{k} [ \frac{l-1}{2^{j}} ]=l-1-\displaystyle \sum_{j=0}^{k} a_{j}

  [ \frac{l-1}{2^{j}} ]=a_{j}+a_{j+1} \cdot 2^{k-j} +...+a_{k} \cdot 2^{k-j} 

に注意する。

 最初に、第 0 世代の固有ベクトルとして固有値 lに対する固有ベクトルを設定する。次に第 i 世代として固有値 1 に対する固有ベクトルを [ \frac{l-1}{2^{i}} ] 個設定する。最後に、残りを \displaystyle \sum_{j=1}^{k-1} a_{j} 個設定する。ちなみに、第 0 世代の固有ベクトルは a_{k} に相当する(なお、l は奇素数なので a_{0}=0 に注意)。これで、固有ベクトルがl-1 個得られることになる。具体的には

 \bullet0 世代

  1 個:すべての要素が1のベクトル

 \bullet1 世代

  [ \frac{l-1}{2} ] 個: 0 \lt j \leq \frac{l-1}{2} について、j 番目の要素が 1l-j 番目の要素が -1 、他の要素は0

 \bullet2 世代

  [ \frac{l-1}{2^{2}} ] 個: 0 \lt j \leq [\frac{l-1}{4} ] について、 j 番目の要素が 1[ \frac{l-1}{4} ] \cdot 2-j+1 番目の要素が-1、他は0。(l-1)/2+1 番目以降は、その境について対称になるよう値を反転させる。

   \vdots

 \bulleti 世代

    [ \frac{l-1}{2^{i}} ] 個: 0 \lt j \leq [\frac{l-1}{2^{i}} ] について j 番目の要素が 1[ \frac{l-1}{2^{j}} ] \cdot 2-j+1 番目の要素が-1、他は0。(l-1)/{2}^{i}+1 番目以降は、その境について対称になるよう値を反転させる。これを以前に出現した境界に対して繰り返す。

 \bulletk 世代でこの操作は完了する。

 \bullet 残りの固有ベクトル

   \displaystyle \sum_{j=1}^{k-1} a_{j} 個:n/2^iが奇数 ( \gt 1) になったものを小さい順に並べる。それを b_{1}...,b_{q} \ (q \lt k) とする。そこが、上でいう境界になっている。

  \cdot b_{1} について:1 番目から(b_{1}-1) 番目までの要素を 1 としb_{1} 番目の要素を -(b_{1}-1) とする。そこを境界として反転させる。値はそのまま。境界ごとに反転を繰り返す。その際 b_{2}~b_{j} の部分は 0 とする。

 わかりにくい説明で恐縮ですが、  l=19 の例を下図に示す。

 以下、 p の表現の具体例でみていきたいと思います。

(1) l=3 の場合

 この場合は、上記説明によらず直交する固有ベクトルとして、

  \hspace{30pt} {}^{t}(a,a), \ \ {}^{t}(b,-b)

があることがすぐわかります。したがって、

 v_{1}= {}^{t}(a,a), \ \ v_{2}= {}^{t}(b,-b) とすれば

\begin{eqnarray}
A= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cc}
    2 & 1  \\
    1 & 2  
  \end{array}
\right), \ V=\left(
  \scriptstyle \begin{array}{cc}
    a & b  \\
    a & -b  
  \end{array}
\right), \ V^{-1}=\left(
  \scriptstyle \begin{array}{cc}
    1/(2a) & 1/(2a)  \\
    1/(2b) & -1/(2b)  
  \end{array}
\right), \ {}^{t}VAV=\left(
  \scriptstyle \begin{array}{cc}
    6a^{2} & 0  \\
    0 & 2b^{2}  
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

なので、

  \mathbf  {x}={}^{t}(x_{1},x_{2})=V^{-1} {}^{t}(N_{1}^{'}, N_{2}^{'})

  \hspace{10pt} = {}^{t}(1/(2a) \cdot (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}),1/(2b) \cdot (N_{1}^{'}-N_{2}^{'}) )

とすると

  (3-1)/3 \cdot p=(N_{1}^{'}, N_{2}^{'})A{}^{t}(N_{1}^{'}, N_{2}^{'})={}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VAV \mathbf  {x}

 \hspace{20pt}=6a^{2}x_{1}^2+2b^{2}x^{2}

である。

 N_{1}^{'}=n_{01}+n_{10}+n_{22}-(p-2)/3, \ N_{2}^{'}=n_{02}+n_{11}+n_{20}-(p-2)/3 であるので、3N_{1}^{'},3N_{2}^{'} は整数である。さらに、5.の命題を用いると n_{0}=n_{00},n_{1}=n_{10}, n_{2}=n_{20} とおくと n_{ij} 間の関係は下表のとおり

 よって、

  N_{1}^{'}-N_{2}^{'}=3n_{1}-3n_{2}3 の倍数である。

 4p=36a^{2}x_{1}^2+12b^{2}x_{2}^2=(6ax_{1})^2+27(2b/3 \cdot x_{2})^{2}

ここで、6ax_{1}=3(N_{1}^{'}+N_{2}^{'}), \ 2b/3 \cdot x_{2}=(N_{1}^{'}-N_{2}^{'})/3 は整数である。さらに、3(N_{1}^{'}+N_{2}^{'})=3 \{(N_{1}+N_{2})-2(p-2)/3 \} =3(N_{1}+N_{2})-2(p-2)≡1 \ (mod \ 3)

したがって、A=6ax_{1},B=2b/3 \cdot x_{2} とおけば、整数 A,B により

  4p=A^2+27B^2, \ A≡1 \ (mod \ 3) とあらわされることになる。

(2) l=5 の場合

 命題5を用いて n_{ij} 関係を求めたのが下表である。ここで、n_{i}=n_{i0}, n_{21}=m_{2},n_{32}=m_{3} とした。

 表より

 N_{0}=n_{00}+n_{14}+n_{23}+n_{32}+n_{41}=n_{0}+2m_{2}+2m_{3}

 N_{1}=n_{01}+n_{10}+n_{24}+n_{33}+n_{42}=2n_{1}+n_{2}+2m_{3}

 N_{2}=n_{02}+n_{11}+n_{20}+n_{34}+n_{43}=2n_{2}+n_{4}+2m_{2}

 N_{3}=n_{03}+n_{12}+n_{21}+n_{30}+n_{44}=n_{1}+2n_{3}+2m_{2}

 N_{4}=n_{04}+n_{13}+n_{22}+n_{31}+n_{40}=n_{3}+2n_{4}+2m_{3}

 表の2行目と3行目を足すと n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4}+3(m_{2}+m_{3})=2/5 \cdot (p-1)

 2行目から3行目を引くと n_{1}-n_{2}-n_{3}+n_{4}+m_{2}-m_{3}=0 

よって、 m_{2},m_{3}n_{1},n_{2},n_{3},n_{4} の一次結合で表せることに注意しておく。

 以下、3,4で述べた方法で p≡1 \ (mod \ 5) なる素数の4個の正整数による表現と正整数間の関係式を求める。

\begin{eqnarray}
A= \left(
  \begin{array}{cccc}
    2 & 1 & 1 & 1 \\
    1 & 2  & 1 & 1\\
    1 & 1 & 2 & 1 \\
    1 & 1 & 1 & 2
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

 4.に記した方法で、行列 A の直交固有ベクトル、その逆行列等を求めると以下のとおりである。

\begin{eqnarray}
V= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    1 & 1 & 0 & 1 \\
    1 & 0  & 1 & -1 \\
    1 & 0 & -1 & -1 \\
    1 & -1 & 0 & 1
  \end{array}
\right), \ V^{-1}= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    1/4 & 1/4 & 1/4 & 1/4 \\
    1/2 & 0 & 0 & -1/2 \\
    0 & 1/2 & -1/2 & 0 \\
    1/4 & -1/4 & -1/4 & 1/4
  \end{array}
\right), \ {}^{t}VAV=\left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    20 & 0 & 0 & 0 \\
    0 & 2 & 0 & 0 \\
    0 & 0 & 2 & 0 \\
    0 & 0 & 0 & 4
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

 \mathbf  {x}={}^{t}(x_{1},x{2},x_{3},x_{4})=V^{-1} \cdot {}^{t}(N_{1}^{'},N_{2}^{'},N_{3}^{'},N_{4}^{'}) とおくと

 (l-1)/l \cdot p ={}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VAV \mathbf {x} であったので、

 4/5 \cdot p=20x_{1}^{2}+2x_{2}^2+2x_{3}^{2}+4x_{4}^{2}

 16p=400x_{1}^{2}+40x_{2}^{2}+40x_{3}^{2}+80x_{4}^{2}

  \hspace{20pt}=(20x_{1})^{2}+10(2x_{2})^{2}+10(2x_{3}^{2})+125(4/5 \cdot x_{4})^{2}

である。また、

 x_{1}=1/4 \cdot (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{3}^{'}+N_{4}^{'}) \hspace{20pt}=1/4 \cdot \{ 3n_{1}+3n_{2}+3n_{3}+3n_{4}+4m_{2}+4m_{3}-4/5(p-2) \} \hspace{10pt}  x_{2}=1/2 \cdot (N_{1}^{'}-N_{4}^{'})=1/2 \{ (2(n_{1}-n_{4})+n_{2}-n_{3} \} \hspace{10pt} x_{3}=1/2 \cdot (N_{2}^{'}-N_{3}^{'})=1/2 \{ (-(n_{1}-n_{4})+2(n_{2}-n_{3}) \} \hspace{10pt} x_{4}=1/4 \cdot (N_{1}^{'}-N_{2}^{'}-N_{3}^{'}+N_{4}^{'})=1/4 \{n_{1}+n_{4}-n_{2}-n_{3}+4(m_{3}-m_{2}) \}

である。また、

 n_{1}+n_{4}-n_{2}-n_{3}+m_{3}-m_{2}=0 より、x_{4}=1/4 \{n_{1}+n_{4}-n_{2}-n_{3}+4(n_{1}+n_{4}-n_{2}-n_{3}) \} =5/4(n_{1}-n_{2}-n_{3}+n_{4})  20x_{1}=15(n_{1}+n_{2}+n_{3}+n_{4})+20(m_{2}+m_{3})-4(p-2)≡-1 \ (mod \ 5)

である。よって、

 -20x_{1},2x_{2},2x_{3},4/5 \cdot x_{4} は整数。 -20x_{1}≡1 \ (mod \ 5)

 x_{i} 間の関係式については、4.に記したことより、

\begin{eqnarray}
A_{1}= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    -1 & 0 & -1/2 & -1 \\
    0 & 0  & 1/2 & -1/2 \\
    -1/2 & 1/2 & 0 & 0 \\
    -1 & -1/2 & 0 & -1
  \end{array}
\right)
\hspace{10pt}
A_{2}= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    0& -1/2 & 0 & 1/2 \\
    -1/2 & -1  & -1 & 0 \\
    0 & -1 & -1 & -1/2 \\
    1/2 & 0 & -1/2 & 0
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

であり、

\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{1}V= \left(
 \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    1 & 1 & 1 & 1 \\
    1 & 0  & 0 & -1 \\
    0 & 1 & -1 & 0 \\
    1 & -1 & -1 & 1
  \end{array}
\right)\left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    -1 & 0 & -1/2 & -1 \\
    0 & 0  & 1/2 & -1/2 \\
    -1/2 & 1/2 & 0 & 0 \\
    -1 & -1/2 & 0 & -1
  \end{array}
\right) \left(
 \scriptstyle  \begin{array}{cccc}
    1& 1 & 0 & 1 \\
    1 & 0  & 1 & -1 \\
    1 & 0 & -1 & -1 \\
    1 & -1 & 0 & 1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
= \left(
  \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    -5 & 0 & 0 & -5 \\
    0 & 0  & 1 & 0 \\
    0 & 1 & -1 & 0 \\
    -5 & 0 & 0 & -1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray} 

\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{2}V= \left(
 \scriptstyle  \begin{array}{cccc}
    1 & 1 & 1 & 1 \\
    1 & 0  & 0 & -1 \\
    0 & 1 & -1 & 0 \\
    1 & -1 & -1 & 1
  \end{array}
\right)\left(
 \scriptstyle  \begin{array}{cccc}
    0 & -1/2 & 0 & 1/2 \\
    -1/2 & -1  & -1 & 0 \\
    0 & -1 & -1 & -1/2 \\
    1/2 & 0 & -1/2 & 0
  \end{array}
\right) \left(
 \scriptstyle \begin{array}{cccc}
    1& 1 & 0 & 1 \\
    1 & 0  & 1 & -1 \\
    1 & 0 & -1 & -1 \\
    1 & -1 & 0 & 1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
    -5 & 0 & 0 & 5 \\
    0 & -1 & -1 & 0 \\
    0 & -1 & 0 & 0  \\
    5 & 0 & 0 & -1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray} 

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{1}V \mathbf  {x}={}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{2}V \mathbf  {x} より

 -5x_{1}^2-10x_{1}x_{4}+2x_{2}x_{3}-x_{3}^2-x_{4}^2=-5x_{1}^2+10x_{1}x_{4}-x_{2}^2-2x_{2}x_{3}-x_{4}^2 よって

 -20x_{1}x_{4}=x_{3}^2-x_{2}^2-4x_{2}x{3}

 5(-20x_{1})(4/5\cdot x_{4})=(2x_{3})^2-(2x_{2}^2-4(2x_{2})(2x_{3})

したがって、

 x=-20x_{1},w=4/5 \cdot x_{4},v=2x_{3},u=2x_{2} とおくと 

 16p=x^{2}+125w^2+10v^2+10u^2, \ x≡1 \ (mod \ 5)

  \hspace{30pt}, \ 5xw=(v^2-u^2-4vu)

を得る。

 これは、冒頭にあげた l=5 の場合の表現と異なるが、

 v=-V+2U, u=2V+UV,U を定めると、 (x,w,V,U) は冒頭にあげた関係式を満足する。これらを満足する整数組 (x,w,V,U) は他に (x,w,-V,-U),(x,-w,U,-V),(x,-w,-U,V) しかなく、これらから定まる組 (x,w,v,u) は整数組となるが、逆は(私には)定かではない。

(3) l=7 の場合

 l=5 の場合と同様であるが、長くなるので主要な結果だけを記すこととする。

 命題5を用いて n_{ij} 関係を求めたのが下表である。ここで、n_{0}=n_{00},n_{1}=n_{10},n_{2}=n_{20},n_{3}=n_{30},n_{4}=n_{40},n_{5}=n_{50}

 ,n_{6}=n_{60},m_{2}=n_{12}, m_{3}=n_{13},m_{4}=n_{14}, k=n_{24} とした。

 表の 2,3,4 行目より

 n_{1}+n_{6}+2m_{2}+2m_{3}+m_{4}=(p-1)/7

 n_{2}+n_{5}+m_{2}+2m_{3}+2k=(p-1)/7

 n_{3}+n_{4}+2m_{3}+2m_{4}+k=(p-1)/7

これより

 n_{1}-2n_{2}+n_{3}+n_{4}-2n_{5}+n_{6}=-3m_{4}+3k

 n_{1}-n_{3}-n_{4}+n_{6}=-2m_{2}+m_{4}+k

また、表より

N_{1}=n_{01}+n_{10}+n_{26}+n_{35}+n_{44}+n_{53}+n_{62}=2n_{1}+n_{3}+2m_{3}+2k

N_{2}=n_{02}+n_{11}+n_{20}+n_{36}+n_{45}+n_{54}+n_{63}=2n_{2}+n_{6}+2m_{3}+2m_{4}

N_{3}=n_{03}+n_{12}+n_{21}+n_{30}+n_{46}+n_{55}+n_{64}=n_{2}+2n_{3}+2m_{2}+2m_{3}

N_{4}=n_{04}+n_{13}+n_{22}+n_{31}+n_{40}+n_{56}+n_{65}=2n_{4}+n_{5}+2m_{2}+2m_{3}

N_{5}=n_{05}+n_{14}+n_{23}+n_{32}+n_{41}+n_{50}+n_{66}=n_{1}+2n_{5}+2m_{3}+2m_{4}

N_{6}=n_{06}+n_{15}+n_{24}+n_{33}+n_{42}+n_{51}+n_{60}=n_{4}+2n_{6}+2m_{3}+2k

 以下、3,4で述べた方法で p≡1 \ (mod \ 7) なる素数の6個の正整数による表現と2個の正整数間の関係式を求める。

\begin{eqnarray}
A= \left(
  \begin{array}{cccccc}
    2 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1\\
    1 & 2  & 1 & 1& 1 & 1\\
    1 & 1 & 2 & 1 & 1 & 1\\
    1 & 1 & 1 & 2& 1 & 1 \\   
    1 & 1 & 1 & 1& 2 & 1 \\   
    1 & 1 & 1 & 1& 1 & 2 
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

 4.に記した方法で、行列 A の直交固有ベクトル、その逆行列等を求めると以下のとおりである。

\begin{eqnarray}
V= \left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
    1 & 1 & 0 & 0 & 1 & 1\\
    1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 1\\
    1 & 0 & 0 & 1 & 0 & -2\\
    1 & 0 & 0 & -1& 0 & -2\\   
    1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 1 \\   
    1 & -1 & 0 & 0 & 1 & 1
  \end{array}
\right), \ V^{-1}= \left(
 \scriptstyle \begin{array}{cccccc}
    1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6\\
    1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2\\
    0 & 1/2 & 0 & 0 & -1/2 & 0\\
    0 & 0 & 1/2 & -1/2 & 0 & 0\\   
    1/4 & -1/4 & 0 & 0 & -1/4 & 1/4 \\   
    1/12 & 1/12 & -1/6 & -1/6 & 1/12 & 1/12
  \end{array}
\right),\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}{}^{t}VAV=\left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
    42 &  &  &  &  &  \\
     & 2 &  &  &  & \\
     &  & 2 &  &  & \\
     &  &  & 2 &  & \\   
     &  &  &  & 4 &  \\   
     &  &  &  &  & 12
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

 x_{i} 間の関係式については、4.に記したことより、

\begin{eqnarray}
A_{1}= \left(
 \scriptstyle \begin{array}{cccccc}
    -1 &  & -1/2 & -1/2  & -1/2 & -1 \\
     &  & 1/2 &  &  & -1/2\\
     -1/2 & 1/2 &  & 1/2 &  & -1/2\\
     -1/2 &  & 1/2 &  & 1/2 & -1/2\\   
     -1/2 &  &  & 1/2 &  &  \\   
     -1 & -1/2 & -1/2 & -1/2 &  & -1
  \end{array}
\right)
\hspace{10pt}
A_{2}= \left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
     & -1/2 & 1/2 &  & -1/2 & 1/2 \\
     -1/2 & -1 & -1/2 & 0 & -1 & -1/2\\
     1/2 & -1/2 &  &  & 0 & \\
      & 0 &  &  & -1/2 & 1/2\\   
     -1/2 & -1 & 0 & -1/2 & -1 & -1/2 \\   
     1/2 & -1/2 &  & 1/2 & -1/2 & 
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}A_{3}= \left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
     &  & -1/2 &  & 1/2 & \\
      &  & -1/2 & -1/2 & 1/2 & 1/2\\
     -1/2 & -1/2 & -1 & -1 & -1/2 & \\
      & -1/2 & -1 & -1 & -1/2 & -1/2\\   
     1/2 & 1/2 & -1/2 & -1/2 &  &  \\   
     0 & 1/2 &  & -1/2 &  & 
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

であり、

\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{1}V= \left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
    -7 & 0 & 0 & 0 & -7 & -7 \\
    0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0\\
    0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0\\
    0 & 0 & 1 & -1 & 0 & 0\\   
    -7 & 0 & 0 & 0 & -2 & 2 \\   
    -7 & 0 & 0 & 0 &2  & 2
  \end{array}
\right), \ {}^{t}VA_{2}V=\left(
\scriptstyle  \begin{array}{cccccc}
    -7 & 0 & 0 & 0 & 7 & -7 \\
    0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0\\
    0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0\\
    0 & 1 & -1 & 0 & 0 & 0\\   
    7 & 0 & 0 & 0 & 1 & 1 \\   
    -7 & 0 & 0 & 0 & 1 & -7
  \end{array}
\right) \end{eqnarray}

\begin{eqnarray}{}^{t}VA_{3}V=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
    -7 & 0 & 0 & 0 & 0 & 14 \\
    0 & 0 & -1 & -1 & 0 & 0\\
    0 & -1 & -1 & 0 & 0 & 0\\
    0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0\\   
    0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -3 \\   
    14 & 0 & 0 & 0 & -3 & -1
  \end{array}
\right)
\end{eqnarray}

  \mathbf  {x} =V^{-1} {}^{t}(N_{1}^{'},N_{2}^{'},N_{3}^{'},N_{4}^{'},N_{5}^{'},N_{6}^{'}) なので

 x_{1}=1/6 \cdot ( N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{3}^{'}+N_{4}^{'}+N_{5}^{'}+N_{6}^{'})

 x_{2}=1/2 \cdot (N_{1}^{'}-N_{6}^{'})

 x_{3}=1/2 \cdot (N_{2}^{'}-N_{5}^{'})

 x_{4}=1/2 \cdot (N_{3}^{'}-N_{4}^{'})

 x_{5}=1/4 \cdot (N_{1}^{'}-N_{2}^{'}-N_{5}^{'}+N_{6}^{'})

 x_{6}=1/12 \cdot (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{5}^{'}+N_{6}^{'}) - 1/6 \cdot (N_{3}^{'}+N_{4}^{'})

ここで

 N_{1}^{'}-N_{2}^{'}-N_{5}^{'}+N_{6}^{'}=N_{1}-N_{2}-N_{5}+N_{6}\hspace{20pt}=n_{1}-2n_{2}+n_{3}+n_{4}-2n_{5}+n_{6}+4k-4m_{4}=7k-7m_{4}

  (N_{1}^{'}+N_{2}^{'}+N_{5}^{'}+N_{6}^{'})-2(N_{3}^{'}+N_{4}^{'})

  \hspace{10pt} =3n_{1}+2n_{2}+n_{3}+n_{4}+2n_{5}+3n_{6}+8m_{3}+4m_{4}+4k

 \hspace{10pt} -(2n_{2}+4n_{3}+4n_{4}+2n_{5}+8m_{2}+8m_{3})

  \hspace{10pt}=3n_{1}-3n_{3}-3n_{4}+3n_{6}+4m_{4}+4k-8m_{2} \hspace{20pt} =3(-2m_{2}+m_{4}+k)+4m_{4}+4k-8m_{2}=-14m_{2}+7m_{4}+7k

よって、4x_{5}/7,12x_{6}/7 は整数。

  p の表現は

 6/7 \cdot p={}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VAV \mathbf  {x}

 =42x_{1}^{2}+2x_{2}^{2}+2x_{3}^{2}+2x_{4}^{2}+4x_{5}^{2}+12x_{6}^{2}

 72p=2(42x_{1})^{2}+42(2x_{2})^{2}+42(2x_{3})^{2}+42(2x_{4})^{2}

 \hspace{20pt}+21 \cdot 49(4/7 \cdot x_{5})^{2}+7 \cdot 49(12/7 \cdot x_{6})^{2}

  x_{i} 間の関係は、

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{1}V \mathbf  {x}=-7x_{1}^{2}-14x_{1}x_{5}-14x_{1}x_{6}+2x_{2}x{3}+2x_{3}x_{4}

 \hspace{30pt} -x_{4}^{2}-2x_{5}^2+4x_{5}x_{6}+2x_{6}^{2}

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{2}V \mathbf {x}=-7x_{1}^{2}+14x_{1}x_{5}-14x_{1}x_{6}

 \hspace{30pt} -x_{2}^{2}+2x_{2}x_{4}-2x_{3}x_{4}+x_{5}^{2}+2x_{5}x_{6}-7x_{6}^{2}

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{3}V \mathbf  {x} \hspace{20pt} =-7x_{1}^2+28x_{1}x_{6}-2x_{2}x_{3}-2x_{2}x_{4} -x_{3}^{2}-x_{5}^{2}-6x_{5}x_{6}-x_{6}^{2}

 {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{1}V \mathbf  {x}={}^{t} \mathbf {x} {}^{t}VA_{2}V \mathbf  {x}, {}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{1}V \mathbf  {x}={}^{t} \mathbf  {x} {}^{t}VA_{3}V \mathbf  {x} より

 \hspace{8pt} 56(-42x_{1}) (4/7 \cdot x_{5})+12(2x_{2})^{2}+24(2x_{2})(2x_{3})-24(2x_{2})(2x_{4}) \hspace{10pt}+48(2x_{3})(2x_{4})-12(x_{4})^2-441(4/7 \cdot x_{5})^{2} \hspace{10pt}+98(4/7 \cdot x_{5})(12/7 \cdot x_{6})+147(12/7 \cdot x_{6})^{2}=0

 28(-42x_{1})(4/7 \cdot x_{5})+28(-42x_{1})(12/7 \cdot x_{6})+48(2x_{2})(2x_{3}) \hspace{10pt} +24(2x_{2})(2x_{4})+12(2x_{3})^{2}+24(2x_{3})(2x_{4})-12(2x_{4})^{2} \hspace{10pt}-147(4/7 \cdot x_{5})^{2}+490(4/7 \cdot x_{5})(12/7 \cdot x_{6})+49(12/7 \cdot x_{6})^{2}=0

となる。

 X_{1}=-42x_{1},X_{2}=2x_{2},X_{3}=2x_{3},X_{4}=2x_{4},X_{5}=4/7 \cdot x_{5},X_{6}=12/7 \cdot x_{6} とおけば

\hspace{8pt}72p=2X_{1}^2+42X_{2}^2+42X_{3}^{2}+42X_{4}^{2}+1029X_{5}^{2}+343X_{6}^{2}, X_{1}≡1 \ (mod \ 7)

2つの関係式は     \hspace{8pt} 56X_{1}X_{5}+12X_{2}^{2}+24X_{2}X_{3}-24X_{2}X_{4}+48X_{3}X_{4}

 \hspace{10pt} -12X_{4}^{2}-441X_{5}^{2}+98X_{5}X_{6}+147X_{6}^{2}=0

 28X_{1}X_{5}+28X_{1}X_{6}+48X_{2}X_{3}+24X_{2}X_{4} \hspace{10pt} +12X_{3}^{2}+24X_{3}X_{4}-12X_{4}^{2}-147X_{5}^{2}+490X_{5}X_{6}+49X_{6}^{2}=0

である。

7.おわりに

 p≡1 (mod \ l) なる奇素数 p,l について、p の整数倍は、l-1 個の整数 x_{i} \ (0 \lt i \lt l) の2乗和として表現できること、x_{1}x_{1} ≡1 \ (mod \ l) とでき、x_{i} は、 (l-1)/2-1 個の2次同次式 =0 という関係を満たすことを示すことができた。

 具体的なp の表現や x_{i} 間の関係式を行列を用いて機械的に求める方法を示したが、n_{ij} 間の関係を細かく求めることは必要であった。具体例は、l=3,5,7 の場合に計算し、既存の結果と同様であったので安心した。もっと大きな l についての計算も行ってみたいが、複雑な結果になるだけであまり面白くないという感じはする。

 なお、行列  A の直交する固有ベクトルの選び方によって、p の2乗和表現や x_{i} 間に成り立つ2次式 =0 が変わるようである。2乗和と2次式 =0 の表現はどういう条件があれば一意的になるかなど、明らかにすべき点が色々あるようだ。

参考文献

[1] P. A. Leonard and K. S. Williams, The Cyclotomic Numbers of Order Seven, Proceedings of the American Mathematical Society Volume 51, Number 2, September (1975)

 

メモ52 p=4n+1 の素数をp=A^2+B^2 (B:偶数)と分解するときAも2Bもmod pで平方剰余である

1.はじめに

  p≡1 \ (mod \ 4) の素数は p=A^{2}+B^{2}, A:奇数、B :偶数とかける。

メモ51を書いているとき、A2Bmod \ p で平方剰余ではないかと思った。

 この類似として p=3n+1 の素数について以下が知られている(例えば、ウィキペディア)。

 p≡1 \ (mod \ 3) の素数は 4p=A^{2}+27B^{2}, \ A≡1 \ (mod \ 3) とかける。

このとき、ABmod \ p3 乗剰余である。 また、A(n!)^{3}≡1 \ (mod \ p)

 後者はメモ48に書いた。これから AB3 乗剰余であることがすぐわかる。

 あまり詳しく調べたわけではないが、p≡1 \ (mod \ 4) の素数の場合について、A,2B が平方剰余であることを記している文献は見たことがない。A,2B4 乗剰余になれば p=3n+1 の場合のアナロジーとして面白いのだが、それは成り立たない。

 例えば、p=41 のとき、41= 5^{2}+4^{2}  であるが mod \ 414 乗剰余になるのは、1, 4, 10, 16, 18, 23, 25, 31, 37, 40 であるので、5-54 乗剰余ではない。

 せっかくなので、p≡1 \ (mod \ 4) の素数の場合に A2B も平方剰余であることは、幾つかの問題群の結果として得られることを記しておく。大げさな証明なので、もっと簡明なものがあれば教えていただけるとうれしいです。

2. p=4n+1の素数に関する問題

問題1

 p を奇素数とする。このとき、( \frac{p-1}{2})!^{2}≡(-1)^{ \frac{p+1}{2}} \ (mod \ p) 

特に p=4n+1 型の素数について (2n)!^{2}≡-1 \ (mod \ p) 

 

問題2

 pp=4n+1 型の素数とし、p=A^{2}+B^{2}, \ A≡3 \ (mod \ 4), \ B :偶数とする。

 このとき、 ‐2A(n!)^{2}≡(2n)! \ (mod \ p)

 

問題3

 pp=4n+1 型の素数とし、p=A^{2}+B^{2}, \ A≡3 \ (mod \ 4), B :偶数、整数 kk≡B/A \ (mod \ p) とする。

 このとき、  2^{ \frac{p-1}{4} }≡k^{ \frac{AB}{2}} \ (mod \ p)

(注:これはLemmermertの本"Reciprocity Laws”のP155にあるproposition 5.3 である。)

 

3.p=4n+1 の素数をp=A^2+B^2 (B:偶数)と分解するときAも2Bもmod pで平方剰余であること

 

 問題1~3より、冒頭の問題が以下のように証明される。

 

αmod \ p の原始根とする。

  • p≡1 \ (mod \ 8) のとき -1≡α^{ \frac{p-1}{2} }=(α^{ \frac{p-1}{8} } )^{4} よって -1mod \ p で4乗剰余である。よって、問題1より (2n)! は平方剰余である。 -2mod \ p で平方剰余であるので、問題2より A は平方剰余である。問題3の k2 乗すると k^{2}≡B^{2}/A^{2}≡-1 \ (mod \ p) よって k は平方剰余である。したがって、B≡kA2B も平方剰余である。
  • p≡5 \ (mod \ 8) のとき、 -1mod \ p で平方剰余であるが4乗剰余ではない。よって問題1より、(2n)! は平方剰余でない。また、-2mod \ p で平方剰余でない。したがって、問題2より A は平方剰余である。2 は平方非剰余であるので、2^{ \frac{p-1}{4} } も平方非剰余である。したがって、問題3より、k は平方非剰余である。よって 2k および 2kA≡2B \ (mod \ p) は平方剰余である。

 

4. おわりに

 なにか大層な証明になってしまったが、もっと簡明な証明があればありがたい。

 ちなみに、問題2は、メモ48の手法をメモ50のヤコビ和に適用する、つまり J(χ^{3},χ^{3}) を計算することで私は求めました。

  ヤコビ和はやっぱり凄い。

 

メモ51 有理整数の4乗剰余記号の提案 (相互法則の予想つき)

1. はじめに

 メモ50 p≡1 \ (mod \ 4) の素数とし、p=A^{2}+B^{2} と整数 A,B で表したとき、有限体 F_{p} における X^{4}+Y^{4}=k \ (p∤k) の解の数は A,B であらわされることを書いた(注:メモ50で使用した文字は A,B ではありません。わかりにくくてすみません。)その最後に有理整数における4乗剰余に関係すること示唆した。

 4乗剰余については、日本語のウィキペディアの記述はないが、英語ではQuartic reciprocityというページがあり、有理整数についても

 

  • pp≡1 \ (mod \ 4) の素数とするとき、

 \\ \hspace{30pt} 2 が4乗剰余 ⇔  p = a^{2} + 64b^{2}

   と整数 a,b で表される。

  • p=a^{2}+b^{2}, \ q=c^{2}+d^{2} を素数、 ( \frac{p}{q})=1 とする。このとき

 \hspace{30pt} (\frac{q}{p})_{4}(\frac{p}{q})_{4}=(\frac{ac-bd}{q})

    ここで (\frac{*}{p})は平方剰余記号

     amod \ p で平方剰余のとき(\frac{a}{p})_{4}=±1≡a^{(p-1)/4} \ (mod \ p)  とする。  

 

等が成り立つとしている。

 

 また、Lemmermeyerの”Reciprocity Laws” という大書の5章はRatonal Reciprocity Laws にあてられているが、 そこでの記述も有理整数のn乗剰余は\pm 1 に値をとる場合に限っているようである(P154 の冒頭)。

 l=4 もしくは 奇素数のとき p≡1 \ (mod \ l) なる素数 p について \mathbb{Z} / p \mathbb{Z} の乗法群は位数 p-1 の巡回群になるので、l 次の指標 \mathbb{Z} / (p-1) \mathbb{Z} → \mathbb{C} が存在する。したがって、有理整数を対象とした l 乗剰余の場合も値を \pm1 に限らず1l 乗根を扱えばよいと思うが、なぜかそうなっていない。l=3 の場合について、本ブログの「有理整数の3乗剰余を計算しよう」で、あまり実用的とは言えないが、既存の結果を組み合わせてうまく相互法則的なものが成り立つことを記した。本メモでは、どこまでできるかわからないが、l=4 の場合について既存の結果をもとに 4 次指標としての有理整数の 4 乗剰余記号について考えてみたい。

 

2. 有理整数の4乗剰余記号の提案

 pp≡1 \ (mod \ 4) なる素数とする。このとき、よく知られているように

 p=A^{2}+B^{2} と平方和に分解できる。

このとき、AB の偶奇は逆であるので、A≡3 \ (mod \ 4), 2|B としてよい。 これにより、Aは一意的に、Bは符号を除いて一意的に定まる。

 以上の準備のもと、有理整数 k \ (p∤k) の4乗剰余記号  \langle \frac{k}{p} \rangle _{4} を以下のように定義する。

---------------------------------------

定義

   \langle \frac{k}{p} \rangle _{4} \ = \ 1 \ (k:4 乗剰余のとき)

      -1 \ (k:2 乗剰余であるが4 乗剰余でないとき)

       \sqrt{-1}^ {sign(B(k))} \ (k:2 乗剰余でないとき)

          但し、A+k^{(p-1)/4}B(k)≡0 \ (mod \ p)  

             p=A^{2}+B(k)^{2}, \ 2|B(k) とする。

----------------------------------------

(注:この定義は有理整数を対象とするものなのでガウス整数 \mathbb{Z} [i] を対象とするものとは異なる)

 kmod \ p2 乗剰余でないときについて、補足すると

k^{(p-1)/2}≡-1 \ (mod \ p) であり、

p=A^{2}+B(k)^{2} なる B(K) は符号を除いて定まるが、

A^{2}+B(k)^{2}≡(A+k^{(p-1)/4}B(k))(A-k^{(p-1)/4}B(k)) \ (mod \ p) なので、B(k) の符号を  A+k^{(p-1)/4}B(k)≡0 \ (mod \ p) により定めようというわけである。

 

---------------------------------------------

命題1 4 乗剰余記号  \langle \frac{k}{p} \rangle _{4} について以下が成り立つ。

i) 4 乗剰余記号は 整数から複素数への関数である。

ii) a≡b \ (mod \ p) ならば  \langle \frac{a}{p} \rangle _{4} =\langle \frac{b}{p} \rangle _{4}  

iii) \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4}= \langle \frac{a}{p} \rangle _{4}  \langle \frac{b}{p} \rangle _{4}

iv)   \langle \frac{1}{p} \rangle _{4}=1

v) p=A^{2}+B^{2}, \ A≡3 \ (mod \ 4), \ B \gt 0 なる A,B について A+α^{(k-1)/4}B≡0 \ (mod \ p) なる F_{p} の原始根 α が存在し、4 乗剰余記号 \langle \frac{*}{p} \rangle _{4} は、χ(α)=\sqrt{-1} なる F_{p}^{*}4 次指標を誘導する。

vi) α は v) と同じ F_{p}  の原始根とする。a≡α^{i} \ (mod \ p) のとき、a^{(p-1)/4}≡(-A/B)^{\bar{i}} \ \ ( \bar{i}=0,1,2,3, \  \bar{i}≡i \ (mod \ 4))

----------------------------------------------

(証明)

i) 定義より明らか

ii) 2 乗剰余、4 乗剰余であることは mod \ p で考えれば良いので明らか

iii)  a, b2 乗剰余、もしくは 4 乗剰余のときに成り立つことはすぐわかる。

a2 乗剰余または 4 乗剰余、b2 乗剰余でも 4 乗剰余でもないとき

このとき ab4 乗剰余でも 2 乗剰余でもない。

a4 乗剰余であれば 

 A+(ab)^{(p-1)/4}B(ab)≡A+a^{(p-1)/4}b^{(p-1)/4}B(ab)

 \hspace{80pt}≡A+b^{(p-1)/4}B(ab)≡0 \ (mod \ p)

一方 A+b^{(p-1)/4}B(b)≡0 \ (mod \ p)

よって B(ab)=B(b)

  \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4}=\sqrt{-1}^ {sign(B(ab))}=\sqrt{-1}^ {sign(B(b))}=\langle \frac{b}{p} \rangle _{4} =\langle \frac{a}{p} \rangle _{4}\langle \frac{b}{p} \rangle _{4}

a4 乗剰余ではないが、2 乗剰余のとき

 A+(ab)^{(p-1)/4}B(ab)≡A+a^{(p-1)/4}b^{(p-1)/4}B(ab)

  \hspace{60pt}≡A-b^{(p-1)/4}B(ab)≡0 \ (mod \ p)

一方 A+b^{(p-1)/4}B(b)≡0 \ (mod \ p)

よって B(ab)=-B(b)

  \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4}=\sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(ab))}=\sqrt{-1}^ {-\operatorname{sign}(B(b))}= -\langle \frac{b}{p} \rangle _{4} =\langle \frac{a}{p} \rangle _{4} \langle \frac{b}{p} \rangle _{4}

 ・a,b ともに 2 乗剰余でも 4 乗剰余でもないとき

 A≡-a^{(p-1)/4}B(a) ≡-b^{(p-1)/4}B(b)≡0 \ (mod \ p)

よって sign(B(a))=sign(B(b)) ならば、B(a)=B(b), a^{(p-1)/4}≡b^{(p-1)/4} \ (mod  \ p)

     sign(B(a))=-sign(B(b))ならば、 B(a)=-B(b), a^{(p-1)/4}≡-b^{(p-1)/4} \ (mod \ p)

したがって、

sign(B(a))=sign(B(b)) ならば

\begin{aligned}
\langle \tfrac{a}{p} \rangle _{4}
\langle \tfrac{b}{p} \rangle_{4}
&=\sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(a))}
      \sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(b))} \\
&= \left( \sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(a))} \right)^{2} \\
&=-1
\end{aligned} 

(ab)^{(p-1)/4}=b^{(p-1)/2} (\frac{a}{b})^{(p-1)/4}≡b^{(p-1)/2}≡-1 \ (mod \ p) よって ab2 乗剰余であるが 4 乗剰余ではない。ゆえに  \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4} = ‐1

 signB(a)=-sign(B(b)ならば、

 \langle \frac{a}{p} \rangle _{4}  \langle \frac{b}{p} \rangle _{4}=\sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(a))} \sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(b))}

\hspace{40pt} =\sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(a))} / \sqrt{-1}^{\operatorname{sign}(B(a))}

\hspace{40pt} =1

(ab)^{(p-1)/4}=b^{(p-1)/2}( \frac{a}{b})^{(p-1)/4}≡b^{(p-1)/2}(-1)≡1 \ (mod \ p) よって ab4 乗剰余

ゆえに   \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4}= 1

よって、  \langle \frac{ab}{p} \rangle _{4}=\langle \frac{a}{p} \rangle _{4}\langle \frac{b}{p} \rangle _{4} 

iv) 14 乗剰余なので   \langle \frac{1}{p} \rangle _{4}= 1

v) F_{p} の原始根 α をとり A+α^{(k-1)/4}B≡0 \ (mod \ p) となればそれでよい。ならなければ、

A-α^{(k-1)/4}B≡0 \ (mod \ p) なので α^{3(p-1)/4}=α^{ (p-1)/2+(p-1)/4 }=-α^{(p-1)/4} \ (mod \ p) なので α の代わりに α^{3} をとればよい。i)-iv) より \langle \frac{*}{p} \rangle _{4}F_{p}^{*} より \mathbb{C} の乗法群への群準同型を誘導する。また B(α)=B \gt 0 なので \langle \frac{α}{p} \rangle_{4}=\sqrt{‐1}=χ(α) である。F_{p}^{*} は巡回群なので、α での値が等しければ両者は F_{p}^{*} 全体で等しい。

vi) a≡α^{i} \ (mod \ p) かつ  \langle \frac{α}{p} \rangle _{4}=1 なので  \langle \frac{a}{p} \rangle _{4}=\langle \frac{α}{p} \rangle _{4}^i=\langle \frac{α}{p} \rangle _{4}^{\bar{i}} \ (\bar{i}≡i \ (mod \ 4)) である。 

a4 乗剰余のとき 4|i ゆえに \bar{i}≡i≡0 \ (mod \ 4), \  a^{(p-1)/4}≡1≡(-A/B)^{\bar{i}} \ (mod \ p) 

a2 乗剰余のとき 2|i ゆえに \bar{i}≡i≡2 \ (mod \ 4), \  p=A^{2}+B^{2} より A^{2} ≡-B^{2} \ (mod \ p)

(-A/B)^{2}≡-1 \ (mod \ p) したがって、a^{(p-1)/4}≡‐1≡(-A/B)^{\bar{i}} \ (mod \ p) 

a2 乗剰余でないとき i≡1 または 3 \ (mod \ 4) 

i≡1 \ (mod \ 4) とすれば \bar{i}=1  

A+a^{(p-1)/4}B≡A+α^{(p-1)/4}B≡0 \ (mod \ p) より α^{(p-1)/4}≡-A/B =(-A/B)^{\bar{i}}\ (mod \ p)

i≡3 \ (mod \ 4) とすれば \bar{i}=3  

A+a^{(p-1)/4}B(a)≡A+α^{3(p-1)/4}B(a)≡A-α^{(p-1)/4}B(a)

\hspace{40pt}≡A+α^{(p-1)/4}B≡0 \ (mod \ p)

よって B(a)=-B

したがって、 a^{(p-1)/4}≡-A/B(a)≡A/B≡(-A/B)^{3}≡(-A/B)^{\bar{i}}

(証明終)

 

 つぎに補充法則について、以下がなりたつ。

 

-------------------------------------------

命題2 

p=A^{2}+B^{2}, \ A≡3 \ (mod \ 4), \ B \gt 0 とする。このとき、以下がなりたつ。

i)  p≡1 \ (mod \ 8) のとき \langle \frac{-1}{p} \rangle _{4}=1

  p≡5 \ (mod \ 8) のとき \langle \frac{-1}{p} \rangle _{4}=‐1

ii)  p≡1 \ (mod \ 8) のとき

   B≡0 \ (mod \ 4) であれば \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=1

   B≡2 \ (mod \ 4) であれば \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=-1

  p≡5 \ (mod \ 8) のとき

   B≡6 \ (mod \ 8) であれば \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}= \sqrt{‐1}

   B≡2 \ (mod \ 8) であれば \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=-\sqrt{‐1}

------------------------------------------

(証明)

i)

αF_{p} の原始根とする。

p≡1 \ (mod \ 8) のとき -1≡α^{(p-1)/2}=(α^{(p-1)/8})^{4}

 p≡5 \ (mod \ 8) のとき  -1≡α^{(p-1)/2}=α^{(p-5)/2+2}=(α^{(p-5)/8})^4α^2≡α^{2}

ii) 

\begin{multline} \prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-1)/4}}^{(p-1)/2-1}(1+\alpha^{2k}) \end{multline} \begin{multline} =\prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-1)/4}}^{(p-1)/2-1}(1+\alpha^{k+(p-1)/4})(1+\alpha^{k+3(p-1)/4}) \end{multline} \begin{multline} =[\prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-1)/2}}^{(p-1)-1}(1+\alpha^{k})]/2 \end{multline} \begin{multline}=-1/2 \end{multline}

また、

\begin{multline} \prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-1)/4}}^{(p-1)/2-1}(1+\alpha^{2k}) \end{multline} は

p≡1 \ (mod \ 8) のとき

\begin{multline} =\prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-1)/8}}^{(p-1)/4-1}(1+\alpha^{4k})(1+\alpha^{4k+2}) \end{multline}

p≡5 \ (mod \ 8) のとき

\begin{multline} =\prod_{\substack{k=0 \\ k \ne (p-5)/8}}^{(p-1)/4-1}(1+\alpha^{4k})(1+\alpha^{4k+2}) \end{multline}

いずれのときも

\begin{multline} =\prod_{\alpha^{4k} \in T_{0} \cap S_{0}}\alpha^{4k} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{0} \cap S_{1}}\alpha^{4k+1} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{0} \cap S_{2}}\alpha^{4k+2} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{0} \cap S_{3}}\alpha^{4k+3}\end{multline} \begin{multline} \times \prod_{\alpha^{4k} \in T_{2} \cap S_{0}}\alpha^{4k} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{2} \cap S_{1}}\alpha^{4k+1} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{2} \cap S_{2}}\alpha^{4k+2} \prod_{\alpha^{4k} \in T_{2} \cap S_{3}}\alpha^{4k+3}\end{multline}

 

メモ50より、

p≡1 \ (mod \ 8) のとき、

 (T_{0} \cap S_{0}) \cup (T_{0} \cap S_{1}) \cup (T_{0} \cap S_{2}) \cup  (T_{0} \cap S_{3})= T_{0}- \{ 0 \}

 (T_{2} \cap S_{0}) \cup (T_{2} \cap S_{1}) \cup (T_{2} \cap S_{2}) \cup (T_{2} \cap S_{3})= T_{2}

\# T_{0} \cap S_{i}=n_{i} とおくとき  n_{0}+n_{1}+n_{2}+n_{3}=(p-5)/4

\# T_{2} \cap S_{0}= \# T_{2} \cap S_{2}=n_{2} となり、 \# T_{2} \cap S_{1}=m とおくと \# T_{2} \cap S_{3}=m, 2n_{2}+2m=(p-1)/4 である。また、

n_{0}=(p-5)/4-3/2(n_{1}+n_{3})

n_{2}=(n_{1}+n_{3})/2

m=(p-1)/8-(n_{1}+n_{3})/2

がなりたつ。

p≡5 \ (mod \ 8) のときは、

 (T_{0} \cap S_{0}) \cup (T_{0} \cap S_{1}) \cup (T_{0} \cap S_{2}) \cup  (T_{0} \cap S_{3})= T_{0}

 (T_{2} \cap S_{0}) \cup (T_{2} \cap S_{1}) \cup (T_{2} \cap S_{2}) \cup (T_{2} \cap S_{3})= T_{2}- \{0 \}

\# T_{0} \cap S_{i}=n_{i} とおくとき  n_{0}+n_{1}+n_{2}+n_{3}=(p-1)/4

\# T_{2} \cap S_{0}= \# T_{2} \cap S_{2}=n_{0} となり、 \# T_{2} \cap S_{1}=m とおくと \# T_{2} \cap S_{3}=m, 2n_{0}+2m=(p-5)/4 である。また、

n_{0}=(n_{1}+n_{3}-1)/2

n_{2}=(p+1)/4-3/2(n_{1}+n_{3})

m=(p-5)/8-(n_{1}+n_{3}-1))/2

がなりたつ。

よって 2α に対するべき指数は、

p≡1 \ (mod \ 8) のとき、ある整数 l があり

(p-1)/2-4l-(n_{1}+2n_{2}+3n_{3}+m+2n_{2}+3m)

\hspace{30pt}≡-(n_{1}+3n_{3})≡n_{3}-n_{1}

\hspace{30pt} ≡  -B/2 \ (mod \ 4)

p≡5 \ (mod \ 8) のとき、ある整数  l' があり

(p-1)/2-4l'-(n_{1}+2n_{2}+3n_{3}+m+2n_{0}+3m)

\hspace{30pt}≡(p-1)/2-2(p-1)/4+n_{1}-n_{3}

\hspace{30pt} ≡ - B/2 \ (mod \ 4)

(注:最後のBとの関係の部分は、メモ50のヤコビ和の計算での結果を用いている。)

結局

p≡1 \ (mod \ 8) のとき

 B≡0 \ (mod \ 8) であれば \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=1 あるいは 8|B  といってもよい。

  B≡4 \ (mod \ 8) のとき \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=-1  あるいは 4|B かつ 8∤B といってもよい

p≡5 \ (mod \ 8) のとき

 B≡6 \ (mod \ 8) であれば  \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=\sqrt{-1}

 B≡2 \ (mod \ 8) であれば  \langle \frac{2}{p} \rangle _{4}=-\sqrt{-1}

 

(証明終)

 

 あとは相互法則を求めれば、有理整数の4乗剰余が計算できる。

p が小さいときの計算によれば、以下の相互法則が成り立つことが期待される。

----------------------------------

相互法則の予想

p,qp≡q≡1 \ (mod \ 4), \  p=a^{2}+b^{2}, \ q=c^{2}+d^{2}, \ a≡c≡3 \ (mod \ 4), \ 2|b,d \gt 0

とする。このとき、

\langle \frac{q}{p} \rangle _{4} \langle \frac{p}{q} \rangle _{4}=(\frac{ac+bd}{q})

がなりたつ。

---------------------------------

 これで、有理整数の3乗剰余の場合に「有理整数の3乗剰余を計算しよう」で示したのと同様に、p≡1 (mod 4) なる素数について \langle \frac{a}{p} \rangle_{4} が、\langle \frac{-1}{p} \rangle_{4}, \langle \frac{2}{p} \rangle_{4}, \langle \frac{q}{p} \rangle_{4} \ (qq \lt p かつ q≡1 \ (mod \ 4) なる素数)の積に分解されることがいえれば、p をだんだん小さくしながら求めることができると期待される。例えば、2 または、q \lt p かつ q≡1 \ (mod \ 4) なる素数が有限体 F_{p} の原始根になっていればよい。実際、p が500以下の場合はそうなっている。

 

 上の予想は、( \frac {p}{q})=1 のときに正しいことを示す。

まず、

--------------------------

補題3

素数 p,qp≡q≡1 \ (mod \ 4), \ p=a^{2}+b^{2}, \ q=c^{2}+d^{2}, \ 2∤a,c,  2|b,d 

とする。このとき、

 (ac+bd)(ac-bd)=pc^{2}-qb^{2}

 ( \frac{ac+bd}{p} )= ( \frac{p}{q} )( \frac{ac-bd}{p} )

 ( \frac{ac+bd}{q} )= ( \frac{p}{q} )( \frac{ac-bd}{q} )

---------------------------

(証明)

(ac+bd)(ac-bd)=a^{2}c^{2}-b^{2}d^{2}=a^{2}c^{2}+b^{2}c^{2}-b^{2}c^{2}-b^{2}d^{2}

\hspace{30pt} =(a^{2}+b^{2})c^{2}-b^{2}(c^{2}+d^{2})

\hspace{30pt}=pc^{2}-b^{2}q

他は、この式よりあきらか。

(証明終)

-------------------------

命題4  ( \frac{q}{p} )=1 のとき、相互法則の予想は正しい

---------------------------

(証明)

( \frac{p}{q} ) =1 のとき、補題より 

 ( \frac{ac+bd}{q} )= ( \frac{ac-bd}{q}) 

冒頭に記した通り、 ( \frac{p}{q} ) =1 のとき、( \frac{q}{p} )_{4} ( \frac{p}{q})_{4}=( \frac{ac-bd}{q} )

ここで ( \frac{q}{p})_{4}≡q^{(p-1)/4} \ (mod \ p), ( \frac{p}{q})_{4}≡p^{(q-1)/4} \ (mod \ q) である。

したがって、( \frac{q}{p})_{4}qmod \ p4 乗剰余であるとき14 乗剰余でないとき -1 である。

同様に ( \frac{p}{q})_{4}pmod \ q4 乗剰余であるとき 14 乗剰余でないとき -1 である。

( \frac{q}{p})=1 であるので qmod \ p2 乗剰余である。

したがって、 \langle \frac{q}{p} \rangle_{4} は 定義よりqmod \ p4 乗剰余であるとき 14 乗剰余でないとき -1 である。

同様に、 \langle \frac{p}{q} \rangle_{4}pmod \ q4 乗剰余であるとき 14 乗剰余でないとき -1 である。

 よって、( \frac{p}{q})=1 のとき ( \frac{q}{p})_{4}= \langle \frac{q}{p} \rangle_{4}, \ ( \frac{p}{q})_{4}= \langle \frac{p}{q} \rangle_{4} 

 したがって、\langle \frac{q}{p} \rangle_{4} \langle \frac{p}{q} \rangle_{4}=( \frac{q}{p})_{4} ( \frac{p}{q})_{4}=( \frac{ac-bd}{q} )=( \frac{ac+bd}{q}) 

(証明終)

 

3. おわりに

 2で示した相互法則の予想が正しければ、有理整数の4乗剰余の計算は mod \ 41 に合同な素数を平方和に分解しておくだけでよいため、有理整数の3乗剰余の計算より簡単に求められる。

 3乗剰余でも4乗剰余でも有理整数から飛び出すことにより新たな2次体や円分体の世界が開かれたのであるから、有理整数に固執するのはあまり意味がないかもしれないけれど、有理整数はやっぱり身近に感じられる存在である。

 早く予想が証明できるといいなあ。

 

メモ50 p≡1 (mod 4)のとき p=x^2+y^2 と書けるが、x,yの意味は?

1.はじめに

 先日、第35回日曜数学会で、pp≡1 \ (mod \ 5) の素数とするとき、有限体 F_{p} における x^{5}+y^{5}=k \ (p∤k) の解の個数と16p=X^{2}+125W^{2}+50V^{2}+50U^{2}, XW=V^{2}-U^{2}-4VU, X≡1 \ (mod \ 5) の整数解  (X,W,V,U) F_{p} の5次の指標に関するヤコビ和を通じて関係しているという話をしました(より、詳細な説明はメモ49を参照ください)。

 第32回日曜数学会では、pp≡1 \ (mod \ 3) の素数とするとき、有限体 F_{p} における x^{3}+y^{3}=k \ (p∤k) の解の個数は 4p=A^{2}+27B^{2},  A≡1 \ (mod \ 3) の整数解 (A,B) によって表されるという話をしました。

 つまり、有限体 F_{p} における x^{l}+y^{l}=k \ (p∤k) の解の個数と p の係数付き2乗和の表現について l=35 の場合について紹介したことになります。第35回の最後にこの手法が5より大きい奇素数の場合にも適用できるのではないかと話しました。

 実は第32回に発表したときに l=2 の場合にどうなるのかという質問がありましたが、そのときは答えられませんでした。何かあるとは思いましたが2次式だし、それよりも5次の場合に関心がありました。ヤコビ和が両者を結び付けていることに理解したので、l=7 の前に 2 の場合をやっておこうと思い、その結果をメモにまとめることにしました。ちょっと予想を超える面白さがありました。

 

2.どうなると予想されるか

 l=35 の場合、p の係数付き2次式表現と F_{p} におけるl乗和の解の個数の関係はこんな具合でした。

l=2 の場合、皆さんはどういう結果になると予想されるでしょうか。

よく知られているように、p≡1 \ (mod \ 4) のとき p=x^{2}+y^{2} と表せますので、真っ先に思い浮かぶのは、こんな感じではないでしょうか。

 

      予想1

l=5 の場合について、第35回日曜数学会でお話ししたやり方を l=2 の場合に適用すると、こんな感じになります。

 

そうすると、この段階で p≡1 \ (mod \ 4) である必然性はなくなります。それはよいとして、χ は実指標になるので、④での J(χ,χ) \overline{J(χ,χ)} の計算は、J(χ,χ)^{2} となり、p についての係数付き2次式の表現にはなりません。そういえば、J(χ,φ) \overline{J(χ,φ)}=p が成り立つのは、χ,φ,χφ が自明な指標ではないことが必要でした。χ=φ ですので、χ^{2} が自明な指標でないことが必要となります。ところが、③で定めた指標 χ の2乗は自明な指標となります。したがって、

    予想1はあえなく破綻

J(χ,φ) \overline{J(χ,φ)}=p を成り立たせるには χ^{2} を自明な指標ではないようにする必要がある。そのためには例えば4次の指標にすれば良いのではないか。F_{p} の原始根 α に対して χ(α)= \sqrt{-1} と定めてやればよい。α^{p-1}=1 なので、このような指標が可能なのは p≡1 \ (mod \ 4) でなくてはならない。なんかよさそう。ということで、次の予想は、

 

      予想2

 l=35 のときには X^{l}+Y^{l}=k でよいのに l=2 のときは X^{l^{2}}+Y^{l^{2}}=k の解の個数とすることで統一性が破れるが、2 は例外となることが多いので、気にしないで前に進もう(あとで気がついたが、lpmod \ l1 に合同の意味だったんですね。だから l=2 について  l^{2} ではなくて、そもそも l=4 ということでした)。

 

3.予想2が成り立つかどうか調べよう

 予想1の下に書いた手順を予測2に合わせて書き直すと以下のようになる。

 それでは早速この順序で検討を進めよう。

① S_{i}T_{i} を定める

 αF_{p} の原始根とする。このとき

 S_{i}= \{ α^{4m+i} | 0 \leq m \lt (p-1)/4 \} \ (i=0,1,2,3)

 T_{i}= \{ 1+α^{4m+i} | 0 \leq m \lt (p-1)/4 \} (i=0,1,2,3,4)

とおく。

② \# S_{i}⋂T_{j} \ (j=1,2,3)  \#S_{i}⋂T_{0}であらわす。

 最初に

i) \ S_{0}⋃S_{1}⋃S_{2}⋃S_{3}⋃ \{ 0 \} =F_{p}

  T_{0}⋃T_{1}⋃T_{2}⋃T_{3}⋃ \{ 1 \} =F_{p}

ii) \ p≡1 \ (mod \ 8) のとき -1=α^{\frac{p-1}{2}}は4乗剰余。よって 0 \in T_{0}

   p≡5 \ (mod \ 8) のとき -1 は4乗剰余ではないが2乗剰余。よって 0 \in T_{2}

に注意する。これは容易。

 次に、F_{p}- \{ 0,1 \} 間の写像 g_{1}: \ a \rightarrow 1-a, \ g_{2}: \ a \rightarrow a/(a-1) を考える。そうすると

iii) \ g_{1} について以下がなりたつ

g_{1}^{2} は恒等写像

g_{1} p≡1 \ (mod \ 8) のとき、S_{i}⋂T_{j} \rightarrow S_{j}⋂T_{i} 間の全単射

     p≡5 \ (mod \ 8) のとき、S_{i}⋂T_{j} \rightarrow S_{j+2}⋂T_{i+2} 間の全単射を与える。

iv) \ g_{2} について以下がなりたつ。

g_{2}^{2} は恒等写像

g_{2}S_{i}⋂T_{j} \rightarrow S_{i-j}⋂T_{-j} 間の全単射

 

 iii) について説明すると、

g_{1}^{2} が恒等写像となることは明らか。

a \in S_{i}⋂T_{j} ならば a=α^{4m+i}=1+α^{4m’+j}とかける。

1-a=-α^{4m’+j}=1-α^{4m+i} \\ =α^{(p-1)/2+4m’+j}=1+α^{(p-1)/2+4m+i}

p≡1 \ (mod \ 8) ならば

 1-a=α^{4 \{ (p-1)/8+m’ \}+j}=1+α^{4 \{ (p-1)/8+m \} +i} よりok

p≡5 \ (mod \ 8) ならば

 1-a=α^{4 \{ (p-5)/8+m’ \} +j+2}=1+α^{4 \{ (p-5)/8+m \} +i+2} よりok

iv) については、

g_{2}^{2} が恒等写像になることは明らか。

a \in S_{i}⋂T_{j} ならば a=α^{4m+i}=1+α^{4m’+j} とかける。

a/(a-1)=α^{4m-4m’+i-j}=1+α^{-4m’-j}  よりok

 

以上のi)-iv) に注意すると

p≡1 \ (mod \ 8) のとき  \# S_{i}⋂T_{j} は下表のようになる。

S_{i} 列と T_{j} 行の交差するセルの値が \# S_{i}⋂T_{j} であることを示す。計の欄は行の和および列の和である。

 この表より

T_{0} \in 0 なので T_{0}⋂(S_{0}⋃S_{1}⋃S_{2}⋃S_{3})=T_{0}- \{ 0 \} となり、T_{0} 行の和が (p-5)/4となり、他の行の和は (p-1)/4 である。

これらの式から、

n_{0}=(p-5)/4 -3/2(n_{1}+n_{3})

n_{2}=(n_{1}+n_{3})/2

m=(p-1)/8-(n_{1}+n_{3})/2

となる。

 

p≡5 \ (mod \ 8) のときは、下表のとおりである。表の見方は上と同様である。

この場合は、 T_{2} \in 0 なので、T_{2}⋂(S_{0}⋃S_{1}⋃S_{2}⋃S_{3})=T_{2}- \{ 0 \} となり、T_{2} 行の和が (p-5)/4 となり、他の行の和は (p-1)/4 である。これらの式から、

n_{0}=(n_{1}+n_{3}-1)/2

n_{2}=(p+1)/4-3/2(n_{1}+n_{3})

m=(p-5)/8-(n_{1}+n_{3}-1)/2

となる。

 

 χ(α)=ζ= \sqrt{-1} となる4次指標についてヤコビ和 J(χ,χ) を計算する

S_{i}⋂T_{j} \ni a=α^{4m+i}=1+α^{4m’+j} とすると

 \displaystyle \sum_{a∊S_{i}⋂T{j}} χ(a)χ(1-a)= \# (S_{i}⋂T_{j}) χ(-1)ζ^{i+j} となる。

p≡1 \ (mod \ 8) の場合

 \# S_{i}⋂T_{j} の表と χ(-1)=1, \ ζ^{2}=-1, \ ζ^{3}=-ζ に注意すると

J(χ,χ)=\displaystyle \sum_{i,j} \displaystyle \sum_{a \in S_{i}⋂T_{j}} χ(a)χ(1-a) 

\hspace{30pt}=n_{0} \hspace{10pt}  +n_{1}ζ  \hspace{10pt} +n_{2}ζ^{2}+n_{3}ζ^{3}

 \hspace{30pt}  +n_{1}ζ  \hspace{7pt} +n_{3}ζ^{2} \hspace{3pt} +mζ^{3} +m

\hspace{30pt} +n_{2}ζ^{2}+mζ^{3} \hspace{3pt} +n_{2} \hspace{10pt}    +mζ

\hspace{30pt}  +n_{3}ζ^{3}+m    \hspace{13pt}   +mζ    \hspace{7pt}  +n_{1}ζ^{2}

 \hspace{30pt} =(n_{0}-n_{2}-n_{3}+m-n_{2}+n_{2}+m-n_{1})

 \hspace{40pt} +ζ(n_{1}-n_{3}+n_{1}-m-m+m-n_{3}+m)

 \hspace{30pt}   =(n_{0}-n_{1}-n_{2}-n_{3}+2m)+ζ(2n_{1}-2n_{3})

 

n_{0}-n_{1}-n_{2}-n_{3}+2m=(p-5)/4 -3/2(n_{1}+n_{3})-n_{1}-(n_{1}+n_{3})/2

 \hspace{30pt} -n_{3}+2 \{ (p-1)/8-(n_{1}+n_{3})/2 \}

 \hspace{30pt}   =(p-5)/4+(p-1)/4-4(n_{1}+n_{3})

 \hspace{30pt}   =(p-3)/2-4(n1+n3)

結局

 J(χ,χ)= \{ (p-3)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} +ζ(2n_{1}-2n_{3})

 

p≡5 \ (mod \ 8) の場合

 同様に

J(χ,χ)=\displaystyle \sum_{i,j} \displaystyle \sum_{a \in S_{i}⋂T_{j}} (χ(a)χ(1-a)=χ(-1)\displaystyle \sum_{i,j} \# S_{i}⋂T_{j}ζ^{i+j}

 \hspace{30pt} = (n_{0}   +n_{1}ζ   +n_{2}ζ^{2}+n_{3}ζ^{3}

 \hspace{30pt} +mζ  +mζ^{2}+n_{3}ζ^{3} +n_{1}

 \hspace{30pt} +n_{0}ζ^{2}+mζ^{3}+n_{0}    +mζ

 \hspace{30pt}   +mζ^{3}+n_{3}    +n_{1}ζ   +mζ^{2})

 \hspace{30pt} =-(n_{0}-n_{2}-m+n_{1}-n_{0}+n_{0}+n_{3}-m)

 \hspace{40pt}-ζ(n_{1}-n_{3}+m-n_{3}-m+m-m+n_{1})

 \hspace{30pt}  =-(n_{0}+n_{1}-n_{2}+n_{3}-2m)-ζ(2n_{1}-2n_{3})

 

-(n_{0}+n_{1}-n_{2}+n_{3}-2m)=-(n_{1}+n_{3}-1)/2-n_{1}+ \{ (p+1)/4-3/2(n_{1}+n_{3}) \}

 \hspace{30pt} -n_{3}+2 \{ (p-5)/8-(n_{1}+n_{3}-1)/2 \}

 \hspace{30pt}  =(p+1)/4+(p-5)/4-4(n_{1}+n_{3})+3/2

 \hspace{30pt} =(p+1)/2-4(n_{1}+n_{3})

結局

 J(χ,χ)= \{ (p+1)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} +ζ(2n_{3}-2n_{1})

 

④ ヤコビ和とその共役の積を計算する

p≡1 \ (mod \ 8) の場合

J(χ,χ) \overline {J(χ,χ)}= [ \{ (p-3)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} +ζ(2n_{1}-2n_{3}) ]

 \hspace{40pt} \times  [ \{ (p-3)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} -ζ(2n_{1}-2n_{3}) ]

 \hspace{40pt}         = \{ (p-3)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} ^{2}+(2n_{1}-2n_{3})^{2}

である。よって

 x= \{ (p-3)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} \ \ y=(2n_{1}-2n_{3})

とすると x^{2}+y^{2}=p となる。

また、n_{1}=(p-3)/16-(x-2y)/8

n_{3}=(p-3)/16-(x+2y)/8

である。さらに

   n_{0}=(p-5)/4 -3/2(n_{1}+n_{3})

 \hspace{30pt}  =(p-5)/4-3/2(p-3)/8+3/2x/4

 \hspace{30pt} =(p-11)/16+3/8x=(p-11+6x)/16

   n_{2}=(n_{1}+n_{3})/2=(p-3)/16-x/8=(p-3-2x)/16

 

n_{2} は整数なので p-3-2x≡0 \ (mod \ 16) これを  mod \ 8 で考えると

p-3-2x≡-2-2x≡0 \ (mod \ 8)

 x≡-1≡3 \ (mod \ 4) となる。

 

p≡5 \ (mod \ 8) の場合

J(χ,χ) \overline J(χ,χ)= [ \{ (p+1)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} +ζ(2n_{3}-2n_{1}) ]

 \hspace{40pt} \times [ \{ (p+1)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} -ζ(2n_{3}-2n_{1}) ]

 \hspace{40pt} = \{ (p+1)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} ^{2}+(2n_{1}-2n_{3})^{2}

である。よって

x= \{ (p+1)/2-4(n_{1}+n_{3}) \} \ \ y=(2n_{3}-2n_{1})

とすると x^{2}+y^{2}=p となる。

また、

n_{1}=(p+1)/16-(x+2y)/8

n_{3}=(p+1)/16-(x-2y)/8

さらに、

n_{0}=(n_{1}+n_{3}-1)/2=(p+1)/16-1/2-x/8 \\ \hspace{20pt}  =(p-7-2x)/16

n_{2}=(p+1)/4-3/2(n_{1}+n_{3}) \\ \hspace{20pt} =(p+1)/4-3/2 \{ (p+1)/8-x/4 \}

 \hspace{20pt} =(p+1)/16+3/8x=(p+1+6x)/16

n_{0} は整数なので p-7-2x≡0 \ (mod \ 16) これを mod \ 8 で考えると

p-7-2x≡-2-2x≡0 \ (mod \ 8)

 x≡3 \ (mod \ 4) となる。

 

 以上で、\# (S_{i}⋂T_{0}) により p=x^{2}+y^{2}, \ x≡3 \ (mod \ 4) なる解が定まることがわかった。

 

 ここで、X^{4}+Y^{4}=k \ (p∤k) の有限体 F_{p} における解の個数が \# (S_{i}⋂T_{0}) により表されることをいう必要があることに気が付いた。以前は

l:奇素数のとき

 x^{l} +y^{l}=k \ (p∤k) の解の個数は、

    k \in S_{0} のとき  \# (S_{0}⋂T_{0})l^{2}+2l

    k \in S_{i} のとき  \# (S_{i}⋂T_{0})l^{2}

という事実を使っていたんだった。

 

l=4 の場合も同様なことがいえること見てみよう。

αF_{p}の原始根、x^{4}+y^{4}=k, \ k \in S_{i} とする。 F_{p}x \neq 0 とすると 1+(y/x)^{4}=k/x^{4}

これは解 (x,y) \ x \neq 0 により (S_{i}⋂T_{0}) の元が定まることをしめす。

逆に w \in (S_{i}⋂T_{0}) に対し w=α^{i+4j}=1+α^{4r} なる 0 \leq j,r \lt (p-1)/4 が一意的に存在する。

z=k/w とおくと z \in S_{0} なので z=α^{4s}  と書ける。

x=α^{s}, y=α^{r+s} とすれば

x^{4}+y^{4}=α^{4s}+α^{4(r+s)}=α^{4s}(1+α^{4r})=zw=k

xxα^{(p-1)/4},xα^{2(p-1)/4},xα^{3(p-1)/4}

yyα^{(p-1)/4},yα^{2(p-1)/4},yα^{3(p-1)/4}

としても4乗和は k となる。つまり、(x^{4},y^{4}) を定めると、x^{4}+y^{4}=k \ x \neq 0, \ y \neq 0 の解が一つあれば,4つの解があることがわかる。また、それ以外の解がないことがわかる。

 x=0 または y=0 となる解は k \in S_{0} のとき存在し、x=0 の解が4つ、y=0 の解が4つで計8個である。以上で、l=4 のときも上の主張が成り立つことがわかった。

 

 これまでの結果を整理すると以下のとおり

p≡1 \ (mod \ 4) のとき、p=x^{2}+y^{2} , x≡3 \ (mod \ 4) なる整数解 x,y が存在する。このとき、x^{4}+y^{4}=k \  (p∤k) の有限体 F_{p} における解の数は

 k \in S_{0} のとき 16n_{0}+8

 k \in S_{i} \ (i=1,2,3) のとき 16n_{i}

ここで n_{0},n_{1},n_{2},n_{3}

p≡1 \ (mod \ 8) のとき

  n_{0}=(p-11+6x)/16

  n_{1}=(p-3)/16-(x-2y)/8

  n_{2}=(p-3-2x)/16

  n_{3}=(p-3)/16-(x+2y)/8 

 

p≡5 \ (mod \ 8) のとき

   n_{0}=(p-7-2x)/16

   n_{1}=(p+1)/16-(x+2y)/8

   n_{2}=(p+1+6x)/16

   n_{3}=(p+1)/16-(x-2y)/8

 

 ここで問題となるのは、x≡3 \ (mod \ 4) なので p=x^{2}+y^{2}x は定まるが y の符号の不定性があることである。これが問題となるのは kS_{1}とS_{3} に含まれる場合である。これには、原始根 α として何を持ってくるかにも依存する。

 l=3 の場合は、p≡1 \ (mod \ 3) なる素数 p について、4p=A^{2}+27B^{2}, A≡1 \ (mod \ 3) なる整数 A が定まり、B は符号を除いて定まった。B の符号を定めるために、さらに、

A≡-3(2k^{(p-1)/3}+1)B \ (mod \ p)  

という条件を課したのであった。これと同様なことを考えれば、

 kF_{p} において2乗剰余でも3乗剰余でもないとき、

 x+k^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p) により y の符号を定めることが考えられる。これでよいことを次に示そう。

 まず、p=x^{2}+y^{2} となる整数組 (x,y)(x,y),(-x,-y),(x,-y),(-x,y) の4組に限ることに注意する。 

 ヤコビ和のところで 指標 χχ(α)=ζ= \sqrt{-1} となるように定めた。

\mathbb {Z} [ ζ ] \rightarrow F_{p} の写像 fa+bζ \mapsto a+bα^{(p-1)/4} \  (a,b \in \mathbb {Z}) で定める。これが環準同型になることはすぐわかる。実はf(J(χ,χ))=0 となる。つまり x+α^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p) となる。

 実際 f \circ χ(α)=α^{(p-1)/4} なので

f(J(χ,χ))=f( \displaystyle \sum_{a \in F_{p}}χ(a)χ(1-a))= \displaystyle \sum_{a=2}^{p-1}(a-a^2)^{(p-1)/4}

 \hspace{20pt} =\displaystyle \sum_{a=1}^{p-1}(a-a^2)^{(p-1)/4} 

ここで l=(p-1)/4 とおくと

f(J(χ,χ))=\displaystyle \sum_{a=1}^{p-1}(a-a^2)^{l}

 \hspace{30pt} = \displaystyle \sum_{a=1}^{p-1} \displaystyle \sum_{i=0}^{l} {}_l \mathrm{C}_i (-1)^{i}a^{(l-i)+2i}

 \hspace{30pt} = \displaystyle \sum_{i=0}^{l} {}_l \mathrm{C}_i (-1)^{i} \displaystyle \sum_{a=1}^{p-1}a^{l+i}

 

ここで (p-1)/4 \leq l+i \leq (p-1)/2

したがって、 \displaystyle \sum_{a=1}^{p-1}a^{l+i}≡0 \ (mod \ p) 

これで、x+α^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p) がいえた。

 

 もし、x+k^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p) であれば α^{(p-1)/4}=k^{(p-1)/4} よって k \in S_{1} 

よって解の個数は、

  p≡1 \ (mod \ 8) のとき 16n_{1}=(p-3)-2(x-2y)

  p≡5 \ (mod \ 8) のとき 16n_{1}=(p+1)-2(x+2y)

x-k^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p) であれば k^{3(p-1)/4}=-k^{(p-1)/4} なので k \in S_{3} である。

よって解の個数は、

  p≡1 \ (mod \ 8) のとき 16n_{3}=(p-3)-2(x+2y)

  p≡5 \ (mod \ 8) のとき 16n_{3}=(p+1)-2(x-2y)

 

 したがって、k が2乗剰余でも4乗剰余でもないとき、x+k^{(p-1)/4}y≡0 \ (mod \ p)y の符号を定めれば、解の個数は

 p≡1 \ (mod \ 8) のとき (p-3)-2(x-2y)

 p≡5 \ (mod \ 8) のとき (p+1)-2(x+2y)

となる。結局、まとめると以下が成り立つ。

 

めでたし、めでたし。

 

4. 結局p=x^{2}+y^{2} のときの、x,y の意味は?そして...

 p≡1 \ (mod \ 4) のとき p=x^{2}+y^{2} と整数 x,y で書けるが、このときx≡3 \ (mod \ 4)とすれば x は唯一、y は符号を除き定まる。この x,y は, X^{4}+Y^{4}=k \ (p∤k) の有限体  F_{p} における解の個数を知っていることになる。 第32回日曜数学会での質問は、とても深いなと今更ながら思いました。質問ありがとうごさいます。

 3. の最後の結果をみると、この x,y は4乗剰余にも関係してくる。日曜数学会Advent Calendar2025に有理整数の3乗剰余について書きましたが、有理整数の4乗剰余についても、そのうち書きたいと思います。