第37回日曜数学会(2026.10.25)で発表する(した)資料です。ご関心のある方は是非ご覧ください。
1.はじめに
メモ55で無限個の整数点を有する3次元アフィン代数多様体(とはいっても4変数の4次多項式=0で定められる超曲面)について書いた。そのとき、この多様体は 上既約と書いたが、AIとやり取りしていると、
上既約だからと言って、
上既約かどうかわからないとのことであった。そりゃそうだよな。
上では1変数であれば既約な多項式は1次式しかないからな。ではどうやって、
上既約な多変数多項式の
上の既約性について確かめるか。これが本メモのテーマ。まったくの個人的な備忘録です。
2.既約性を示すための一つの方法
ここでは を
上定義された次数
の既約多項式として、これが
上でも既約であることを示す方法について記す。どんな場合でも適用できるわけではないが、有効な場合がある程度の話である。
方針としては、
上で既約
⇓ ①
ある素数 について有限体
での
の還元
が拡大体
で既約
⇓ ②
の代数閉包
で既約
⇓ ③
の代数閉包
上で既約
⇓ ④
上で既約
という形で示すこととする。
このうち、②と④は正しい。③は をある変数の1変数多項式としてみたとき、 その変数のみの
次の項が存在すれば正しい。これらについては4節で示す。
①は 上で既約な
次多項式
についてうまく
を選んで
で既約になることを示す必要がある。その上で、③が成り立てば、
は
上でも既約であることがわかる。
3.具体例での説明
せっかくなのでメモ56の の場合を例に2.の方針を適用してみよう。
である。
・ステップ⓪
の
により
は
上既約であることがわかる。
・ステップ①
は4変数4次多項式であるので
に還元し、以下の
のコードで既約かどうか調べた。
その結果は、
である。 したがって、 の
への還元
は
で既約
・ステップ②
したがって、②により は
の代数閉包
で既約
・ステップ③
は4次多項式であり
の係数が
であるので、
上で既約
・ステップ④
④より は
上既約
とうまい具合に は
上でも既約であることがわかりました。
4.2で示した命題の証明
--------------------------------------
命題② は
の
次多項式とする。このとき、
が
上で既約であれば
の代数閉包
上で既約である。
--------------------------------------
(証明)
対偶をとって証明する。
は
上で可約とし
とする。よって
である。さらに
は
上で既約とする。
が
で可約なら
上で可約なので、以下、
は
で既約とする。
は
上の多項式なのでFrobenius写像
で不変。
のFrobenius共役を
とする。 多項式
の係数をすべて含む最小の拡大体を
とすると、
となる。
なる最小の自然数
は
の約数で
の最小性から
は、すべて
の相異なる因子、
での既約性により公約因子は持たない。したがって
である。 次数を考えて
である。
は
上の多項式。
の
上での既約性から
よって
である。また
なので,
したがって、
は
上の
の既約因子となり、
は
上可約となる。
(証明終)
---------------------------------------------------
命題③ は
上の
次多項式で、ある変数についてその変数のみの
次の項が存在するとき、ある素数
が存在して
の
への還元
が
の代数閉包
で既約であれば
は
の代数閉包
上既約である。
----------------------------------------------------
(証明)
対偶を証明する
が
で可約とする。そうすると
で
の次数が1以上としてよい。仮定によりある変数
が存在して
には
の項が存在する。
に含まれる
のみの項の最大次数をそれぞれ
とすると
であり、
となる。また、
のおける
の項の係数を
とする。このとき必要があれば最初に
を整数倍して、
を整係数多項式、
の係数は、
の有限次拡大体
の整数環に含まれるとしてよい。
は
の有限次拡大体
の整数環に含まれるので、それらの素イデアル分解に含まれない素イデアル
に対し、有限体
への
の還元
を考えると、
の
の項は消えない。したがって、
である。よって、
は、
で可約である。
(証明終)
----------------------------------------------
命題④ 上の多項式
] が
上既約なら
上既約である。
----------------------------------------------
(証明)
対偶を示す。
] とする。
がそれぞれ
次式
が
次式とすれば
とあらわせる。
の各項を比較することにより、
の項数
に対応して
] により、
が得られる。
] とすると、(*)より
の共通零点が存在するので
である。
したがって、 とおくとき、
である。また、写像
] は
よりwell definedであり、
であるので、極大イデアル
が存在し、
は体となる。
は
上有限生成多元環なので
も
上有限生成多元環、したがって
はZariskiの補題により
の有限拡大体である。
なお、Zariskiの補題とは、「 を体、
を
上の多元環とするとき、
が体であれば、
は有限次拡大となる。」ことをいう。
したがって、 への埋め込みができる。
から
への射影を
とすれば
は
の元であり、
よって、 とする代数的数がとれる。したがって、係数比較して作成した因数分解
を
]にとれる。
(証明終)
メモ53で
奇素数)とあらわされる素数は、
個の正係数付き2乗和としてあらわされ、2乗和を構成する
個の数の間には、
個の2次式 =0 という関係が成り立つ
ことを示し、 の場合の具体例をあげた。そこでは、よく知られている関係式、例えば
について
の素数は、整数
により
と表されることをみた。その際、ヤコビ和の表現において有限体 の
個の部分集合の位数
を活用した。
その後の検討で一般の を考えると、
より
の方がより適切であることが分かった。 本メモでは、 から具体的に2乗和を構成する整数(
の場合は、
)の求め方を幾つかの
について紹介する。また、この
個の整数が、
個の整数係数の4次多項式の共通零点となることもわかる。つまり、メモ55に示した例が
以外にもたくさん得られる。
の場合には、多項式の係数が大分小さくなって好ましい結果となった。
2. についての結果
(0) メモ53の結果の振り返り
メモ53の結果に基づき2乗和表現の具体的な決定を行うので、最初に少し振り返っておく。
を奇素数、
、有限体
の原始根を
とする。このとき、
となる)
とする。
このとき、メモ53の結果は以下のとおりである。
次の対称行列
\begin{eqnarray}
A = \left(
\begin{array}{ccccc}
2 & 1 & \ldots & 1 & 1 \\
1 & 2 & \ldots & 1 & 1\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
1 & 1 & \ldots & 2 & 1 \\
1 & 1 & \ldots & 1 & 2
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
の固有値は、 が
個、
が
個であり、今、固有値
に対する固有ベクトルを
、固有値
に対する独立な固有ベクトルを
とし、これらは直交するものとする。
とすると
は対角行列となる。
とすれば
となり、 が
の平方和になることがわかる。
また、 とするとき
なる
について
は等しくなければならないが、
なので
個の等式
を満たす。
となる
次正方行列
を求めれば
なので
個の
達の2次式
となるのであった。
達が整数になるよう有理数倍したものを
とすれば、これが求めるものである。
したがって、固有値ベクトルからなる行列 と
より定める
を整数化すれば、
が定まることになる。つまり
という形で、 及び
個の
から
が求められる。
それでは、3つのケースについての結果を示す。
(1) の場合
とすれば、
がなりたつ。
下表は、固定した について、小さな
に対し、原始根
を定めたときの
を示す。
\begin{eqnarray}
V = \left(
\begin{array}{cccc}
1 & 1 & 2 & 1 \\
1 & 2 & -1 & -1\\
1 & -2 & 1 & -1 \\
1 & -1 & -2 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}

メモ55では、 と
との関係を強調したので、表では
の値についても掲載した。
また、 は、以下の4元4次多項式
を満たす。
なる素数は無限にあるので、この多項式は無限個の格子点(
がすべて整数の点との意味)で0となる。
(2) の場合
とすれば、
がなりたつ。
以下の について、
が小さいときの原始根
は下表のとおりである。
\begin{eqnarray}
V = \left(
\begin{array}{cccccc}
1 & 1 & 0 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 1\\ 1 & 0 & 0 & 1 & 0 & -2 \\
1 & 0 & 0 & -1 & 0 & -2\\ 1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 1 \\
1 & -1 & 0 & 0 & 1 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray} 
また、 は、以下の2つの6元4次多項式
の共通零点となる。
なる素数は無限にあるので、無限個の格子点で共通零点となる。
(3) の場合
変数が16個と多くなるので、どうしようかと思ったが なので何か良いことがないかと思い無謀ながら実施した。
とおくと、
がなりたつ。
ほかに6個の 間の
次式
が成り立つが、煩雑になるだけなので省略する。
以下のとおり を固定した時の、小さい
に対する原始根
は下表のとおりである。
\begin{eqnarray}
V = \left(
{\small
\begin{array}{cccccccccccccccc}
1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & -1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & -1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & -1 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & -1 & -1 \\
1 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 \\
1 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1 & 0 & 1
\end{array}
}
\right)
\end{eqnarray}

この場合も、 を共通零点とする
個の16元4次多項式を原理的には求められるが、項数が多くなりすぎてあまり意味がないと思うので割愛する。
3. 2の結果の導出
すべて記すと煩雑になるので、主たる部分だけ記しておく。
(1) の場合
\begin{eqnarray}
{}^{t}VAV = \left(
\begin{array}{cccc}
20 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 10 & 0 & 0\\
0 & 0 & 10 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 4
\end{array}
\right)
\qquad
V^{-1} = \left(
\begin{array}{cccc}
1/4 & 1/4 & 1/4 & 1/4 \\
1/10 & 1/5 & -1/5 & -1/10\\
1/5 & -1/10 & 1/10 & -1/5 \\
1/4 & -1/4 & -1/4 & 1/4
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
より
\begin{eqnarray}
\left(
\scriptstyle \begin{array}{c}
x_{1} \\
x_{2}\\
x_{3} \\
x_{4} \\
\end{array}
\right) \ =V^{-1} \left(
\scriptstyle \begin{array}{c}
N_{1}^{'} \\
N_{2}^{'}\\
N_{3}^{'} \\
N_{4}^{'} \\
\end{array}\right) = \left( \scriptstyle \begin{array}{cccc}
1/4 & 1/4 & 1/4 & 1/4 \\
1/10 & 1/5 & -1/5 & -1/10 \\
1/5 & -1/10 & 1/10 & -1/5 \\
1/4 & -1/4 & -1/4 & 1/4 \\
\end{array}
\right) \left(
\scriptstyle \begin{array}{c}
N_{1}^{'} \\
N_{2}^{'}\\
N_{3}^{'} \\
N_{4}^{'} \\
\end{array}\right)
\end{eqnarray}
より、 は
、したがって
と
の1次結合として表わせることがわかる。とくに、
は
のみに関係することに注意する。
\begin{eqnarray}
{}^{t}V(A_{1}-A_{2})V=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
0 & 0 & 0 & -10 \\
0 & 5 & 10 & 0 \\
0 & 10 & -5 & 0 \\
-10 & 0 & 0 & 0 \\
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
より、
よって、
とすれば2.に記した結果が得られる。
次に4元4次多項式 についてであるが、
式 において、
を
の式で置き換えるが 、その際
とする。そうすると、
が現れるのは
のみであり、もとの式には
の項がないので、
に置き換えた式は、
については1次式となる。よって、
は
の有理式となる。
式 において
をこの有理式で
とした有理式で置き換えて、分母を払えば 4元4次多項式
が得られる。作り方からこの多項式は
において 式の値が
となる。
(2) の場合
この場合は、メモ53でほぼ求めてあるが再掲しておく。
\begin{eqnarray}
{}^{t}VAV = \left(
\begin{array}{cccccc}
42 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 4 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 12
\end{array}
\right)
\qquad
V^{-1} = \left(
\begin{array}{cccc}
1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 \\
1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 \\
0 & 1/2 & 0 & 0 & -1/2 & 0 \\
0 & 0 & 1/2 & -1/2 & 0 & 0 \\
1/4 & -1/4 & 0 & 0 & -1/4 & 1/4\\
1/12 & 1/12 & -1/6 & -1/6 & 1/12 & 1/12
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
より、
また、 は
、したがって
と
の1次結合として表わせることがわかる。とくに、
は
のみに関係することに注意する。さらに、
\begin{eqnarray}
{}^{t}V(A_{2}-A_{1})V= \left(
\begin{array}{cccccc}
0 & 0 & 0 & 0 & 14 & 0 \\
0 & -1 & -1 & 1 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & -2 & 0 & 0 \\
0 & 1 & -2 & 1 & 0 & 0 \\
14 & 0 & 0 & 0 & 3 & -1 \\
0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -9
\end{array}
\right)
\\ \\
{}^{t}V(A_{3}-A_{1})V= \left(
\begin{array}{cccc}
0 & 0 & 0 & 0 & 7 & 21 \\
0 & 0 & -2 & -1 & 0 & 0 \\
0 & -2 & -1 & -1 & 0 & 0 \\
0 & -1 & -1 & 1 & 0 & 0 \\
7 & 0 & 0 & 0 & 1 & -5 \\
21 & 0 & 0 & 0 & -5 & -3
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
よって、
となる。
とおけば、2.に記した結果が得られる。
次に、6元4次多項式 であるが、
が現れるのは
のみであり、2つの関係式に
の項が現れないので、
の場合と同じ操作を行えば求めることができる。
(3) の場合
\begin{eqnarray}
{}^{t}VAV = \left(
\begin{array}{cccccccccccccccc}
272 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 4 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 4 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 8 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 8 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 16
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
\tiny
V^{-1} = \left(
\begin{array}{cccccccccccccccc}
1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 & 1/16 \\
1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 \\
0 & 1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0\\
0 & 0 & 1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1/2 & 0 & 0 & -1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1/2 & -1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/4 & -1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1/4 \\
0 & 1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/4 & 0 & 0 & -1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1/4 & 0 \\
0 & 0 & 1/4 & 0 & 0 & -1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/4 & 0 & 0 & 1/4 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 1/4 & -1/4 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/4 & 1/4 & 0 & 0 & 0 \\
1/8 & 0 & 0 & -1/8 & -1/8 & 0 & 0 & 1/8 & 1/8 & 0 & 0 & -1/8 & -1/8 & 0 & 0 & 1/8 \\
0 & 1/8 & -1/8 & 0 & 0 & -1/8 & 1/8 & 0 & 0 & 1/8 & -1/8 & 0 & 0 & -1/8 & 1/8 & 0 \\
1/16 & -1/16 & -1/16 & 1/16 & 1/16 & -1/16 & -1/16 & 1/16 & 1/16 & -1/16 & -1/16 & 1/16 & 1/16 & -1/16 & -1/16 & 1/6
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
より、
また、 は
、したがって
と
の1次結合として表わせることがわかる。とくに、
は
のみに関係することに注意する。
7つの式、 がなりたつが、1つ例を挙げると
\begin{eqnarray}
\tiny
{}^{t}VA_{2}V-{}^{t}VA_{1}V = \left(
\begin{array}{cccccccccccccccc}
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 17 & -17 & 0 & 0 & 17 & -17 & 34\\
0 & -1 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & -1 & 0 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 1 & -1 & 0 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 1 & -1 & 0 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & -1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -1 & 0 & -2 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 1 & -2 & 1 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\\
17 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 2 & 0 & 2 & -1 & 3\\
-17 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & -2 & 2 & -1 & 0 & -1 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & -2 & 0 & -4 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & -4 & 2 & 0 & 0 & 0\\
17 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 2 & -1 & 0 & 0 & -2 & -5 & 3\\
-17 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 & -5 & 4 & -1\\
34 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 3 & -1 & 0 & 0 & 3 & -1 & -12
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
となる。よって、
が成り立つ。
以上より、
とおくとに注意すると2.に記した結果が得られる。
1. はじめに
有理数体 上で定義された楕円曲線の有理点など、多項式で定義される曲線や曲面、多様体の有理点は大変興味深い対象である。よく知られているように非特異な平面曲線の場合の有理点は、
である。
では、非特異平面曲線の整数点についてはどうであろうか。
(1) 直線の場合: の最大公約数は
)
このとき、
最大公約数が なので
があって、
である。したがって
を任意の整数として
とすれば
である。
(2) 2次曲線の場合:
の最大公約数は
)
このとき、
詳細は知らないが、
の形に変形できて
と
の符号が同じとき、楕円になるので、整数解は有限個である。
と
の符号が異なるとき、双曲線になる。このときは、有限個の場合もあれば、無限個の場合もあるようである。例えば、ペル方程式
正の整数、
, 平方因子を有しない) のとき、一つ解
があるとする。
の正の基本単数
を
とすれば
も解である。
の場合は無限個になる場合がある。例えば、
のとき
は整数点
(3) 楕円曲線の場合:
ジーゲルの定理としてよく知られているように、整数点の個数は有限個である。
以上が平面曲線の場合であるが、さらに次元をあげて代数曲面や代数多様体の場合の有理点や整数点の場合はどうであろうか。どんな結果が得られているのか全く承知していないが、大変興味のあるところである。
今回、メモ46、49、53や第35回日曜数学会で紹介した の素数の2乗和表現をいじくっているうちに、4変数4次多項式=0で定められる無限個の整数点を有する3次元アフィン代数多様体を見つけたので紹介したい。
2.無限個の整数点を有する3次元アフィン代数多様体
見つけた3次元アフィン代数多様体は以下のとおりである。
--------------------------------------------
定理
とするとき、以下がなりたつ。
(1) 4次元アフィン空間において で定められる集合
は、
上の既約な3次元アフィン代数多様体である。
(2) は無限の整数点を有する。
--------------------------------------------------------
大変長くて簡明な式ではないが、しばらくお付き合いいただきたい。
3. 定理の証明
(1)は を使用して
により確かめた。
したがって、(2)を証明すればよい。まず、 の素数の2乗和表現の既存結果をみる。
-----------------------------------
命題1 の素数について以下が成り立つ。
(1)
を満たす が実質的に唯一定まる。実際は4つの解があり、これらは
である。また、
、したがって、
とすれば解は唯一に定まる。
(2) を有限体
の原始根、
を
で定める
次の指標とする。
また、
とする。このとき、ヤコビ和 は、
ここで,
と表され
を満たす。
--------------------------------------
(証明)
(1) ”The Determination of Gauss Sums, by Bruce Berndt and Ronald Evans ” (https://www.ams.org/journals/bull/1981-05-02/) による。
(2) 本ブログの「メモ49 有限体Fpにおけるx^5+y^5=k の解の個数」の命題5による。
(証明終)
(定理の(2)の証明)
とおき、命題1(2)の
を
で表し、
に代入すると
を得る。
これより、
また、
に代入して
を得る。
この両辺に をかけ
式を使って
のみの式にすると定理の
の式を得る。
命題1(2)により、 と原始根
、5次の指標
を定めると
が定まり、これにより
、さらには
が求められる。したがって、異なるpには異なる非負整数の組
が定まる。
なる素数は無限個あるので、
は無限個の整数点
を有する。
(定理(2)の証明終)
なお、これらの式の計算には を使用した。
4.pが小さいときの確認
が小さいときの
を計算したのが下表である。原始根の選び方によって
間の置換が生じるので、計算に使用した原始根を明記した。
については、後述する。

は
を変数とする4次多項式であり、上表の
について
となる。
少し詩的な言い方をすると、 の素数達は
の組に姿を変え、4次元アフィン空間内の超曲面上の格子点にひっそりと隠れていることになる。
の素数の場合はどうなのか、
を
に変えたらどうなるかなど興味は尽きない。
5.F=0で定められる3次元アフィン代数多様体
で定められる3次元アフィン代数多様体を簡単に
と書いたのであった。
がどのような代数多様体であるのか関心があったので、ChatGPTに聞きながら
を使って調べてみた。このあたりの知識はほとんどなく、アバウトな話なので、半分与太話ということでお読みください。表現の適正化や誤り等のご指摘は大変ありがたいです。
(1) の特異点は2次元。つまり、特異点というより特異面
まず、 の特異点を調べるため、
とするとき
特異点イデアル の次元を計算すると次元は
であることがわかった。
次に、 の根基
を計算すると
であった。つまり、 の集合としての特異点は、
と
で定義される2次超曲面の共通部分になっている。
(2) をわかりやすい形に変形
とおいて で
を計算すると
になり、
で生成されるイデアルが
に含まれることがわかる。
これは、 で定義される曲面
が
で定義される3次元多様体
に含まれることを示す(上で見たようにこれが
の特異点の集合であった)。
次に、 を計算すると
となり、
という分解が存在することがわかる。
さらに、 を計算すると
となることがわかる。ここで
である。
したがって、 とかける。
を具体的に計算すると
という2次式である。
(3) と双有理同値の非特異代数多様体
これまでの操作で となることがわかった。
次に特異点解消?の操作を行うと、5次元アフィン空間 内で、
① として
から
② として
から
が得られ、非特異化はこれらを貼り合わせて の中で得られる(とChatGPTは言ってきた)。
貼り合わせを考えるのも面倒なので、①と②を別々に考えることとする。すると、以下がわかった。
① 2つの5変数2次式で定義される5次元アフィン空間の超曲面の共通部分からなる特異点をもつ3次元アフィン代数多様体
とし、
の共通部分として定義される3次元多様体
を考える。
上では、
となるので
が定まる。逆に
に対し
とすれば
から
への有理写像が得られ,、
と
は双有理同値である。
なお、 は非特異であるが、
は特異直線を有する。また、
は
という特異点を有している。
4.に記した表では 上の整数点
に対応する
の値が
であり、
の値が
であり,
の値が
である。表中の
はすべて整数であるが、
なる素数について、
が必ず整数になるかどうかはわからない。もしそうだとすると、5変数2次式
で定められる
内の超曲面の共通部分である3次元アフィン代数多様体
にも無限個の整数点が存在することになる。2次超曲面の共通部分だから別に不思議ではないかもしれない。
なお、ChatGPTによると、 の射影閉包をとると
多様体というものになる可能性が高いということです。また、
多様体は有理点の存在が期待される多様体らしく、これは整数点が無限に存在することと整合的です。
② 4次多項式と3次多項式で定義される 内の超曲面の共通部分からなる非特異3次元アフィン代数多様体
としたとき
の共通部分として定義される3次元多様体
を考える。
上では
となるので
が定まる。逆に
に対し
とすれば
から
への有理写像が得られ、
と
は双有理同値であることがわかる。
での計算によると、
は
内のそれぞれ4次多項式、3次多項式
で定義される非特異超曲面であり、その共通部分である
も非特異となる。chatGPTに聞くと
は3次元アフィン・カラビ・ヤウ多様体と呼べるものらしい。但し、射影閉包はカラビ・ヤウにはならないとのこと。正確には
を、
呼ぶのが無難らしい。誰か詳しく調べてくれないかな。
4.に記した表では 上の整数点
に対応する
の値が
であり、
の値が
であり,
の値が
である。
の場合、
なので
上の整数点
は
では無限遠点に飛んで行ってしまうようだ。それ以外の
では
である(
とすると、
となり、
より
がわかり、
より
を得る)。したがって、3次元非特異アフィン代数多様体
に無限個の有理点が存在することになる。、
6. おわりに
4変数4次多項式で定義され、なおかつ整数点が無限個ある多様体が見つかったので、これは凄いのではと思ったが、5.に書いたとおり、次元を1つあげると2次多項式で定義される超曲面が交差したものになるとわかったので、あっても不思議ではないのかなと思いました。3次元多様体 に含まれる曲面や曲線、それらの上にある整数点がどうなっているのか大変興味あるところです。関心をお持ちの方は是非検討していただき、結果を教えていただければありがたいです。
今回見たような整数論の関係式とそれから生じる代数多様体の整数点(有理点)というのはほかにもいろいろあるのではと思うので、大きな話につながっていけばいいなあと勝手に妄想しています。
1. はじめに
が
で平方剰余となるためには
であることが必要十分である。 よく知られた平方剰余の第2補充法則である。これまで、本ブログでは
乗剰余の話(メモ47、日曜数学Advent calendar 2025) を書いたり、有限体における
の解の個数と
乗剰余との関連性を示唆(メモ49)したり、もっと一般に
を奇素数とするとき
の解の個数(日曜数学Advent calendar 2024)について書いてきた。ここでは、
と
がどんなときに
乗剰余になるのか、いわば
乗剰余の補充法則的な事柄をメモしておく。
このメモは、メモ53の補足的な、あるいは続きのメモなので、そこでの結果を全面的に使います。メモ53も併せてご覧いただければ幸いです。
2.得られた結果
---------------------------------------------------------------
定理 を奇素数、
の原始根とする。
また、
とする。このとき、
(1) が
乗剰余 ⇔
が
乗剰余 ⇔
が奇数
(2) の場合
が
乗剰余 ⇔
が
乗剰余 ⇔
但し、
(3) の場合
が
乗剰余 ⇔
が
乗剰余 ⇔
が奇数
但し、
(4) の場合
が
乗剰余 ⇔
(注)
が
乗剰余 ⇔
が偶数
但し、
-------------------------------------------------------------
(注) 参考文献[1] によると、7が7乗剰余であるための必要十分条件は となっている。
これは、と同値である。計算すると
である。
念のため、sagemathにより の素数について両者を計算したところ、
について
乗剰余でない。
について
乗剰余
と同じ結果を得た。
また、同じく参考文献[1]によると、この3つの方程式を満たす解として
をもつ。ここで、
は、
の解である。この解では、すぐわかるように
も
も 常に
で
となる。 参考文献[1] では、それ以外に6つの解をもつとしているが、メモ53の方法で得られるこの方程式系の解では
とはならない。これを、このメモの最後に補足として示した(まどろっこしい証明なのでもっとスッキリできないものかと思っています)。
3.本メモで使うメモ53の記号の定義や結果
ここでは、以後の説明で使う記号の定義や結果を主にメモ53から引用する。
(1) ヤコビ和
を奇素数で、
の
次の指標。
に対し
とする。このとき、Jacobi和
は、
であり、
1)
2) が自明な指標でないとき
なお、自明な指標とは の元に対し、すべて1となる指標のこと。
(2) ヤコビ和の計算
を有限体
の原始根、
を
で定める
次の指標とする。また、
と定義する。そうすると、
のとき
であるので
のとき
に注意すれば
なので、
したがって、
とおくと
である。
(3) そのほかの定義など
また、 と定める。すると
について
である。
4. 定理の証明
(1) の証明
のとき
また、
である。
のとき
について
は
乗すると
である。この
個と
をあわせると
の解を構成する。
と因数分解できるので、
これに を代入して
以上より、
より
この式の左辺は、
よって、ある整数 が存在して
に等しい。よって、
が
乗剰余 ⇔
(2)の証明
今、 に対して
を対応させる写像を考えると、これは全単射であり、不動点が存在すれば
のみであることはすぐわかる。したがって、
が
乗剰余 ⇔
が
乗剰余 ⇔
が奇数
である。
(3) の証明: の場合
メモ53に書いたとおり、 とすると、
の表は以下のとおりである。

・ が
乗剰余であるための条件
定理(1)より
が必要十分条件である。
メモ53の の場合の記述に従い
と考えれば
より上の表に注意すれば
したがって、 が
乗剰余 ⇔
・ が
乗剰余であるための条件
上の表に注意すれば
であるので、定理(1)より
が奇数 ⇔
が偶数
したがって、 が
乗剰余 ⇔
メモ53に書いたとおり、 とすると、
の表は以下のとおりである。

・ が
乗剰余であるための条件
定理(1)より必要十分条件は
メモ53の の場合の記述より
したがって、
よって
と表したとき
が
乗剰余 ⇔
である。
・ が
乗剰余であるための条件
表の1行目より
表の2行目と3行目を加えて
である。また、メモ53の の場合の記述により、
であるので、表をもとに計算すると
メモ53によると は上記
の表現における
であるので、
奇数 ⇔
偶数
よって
が
乗剰余 ⇔
が偶数
メモ53に書いたとおり、 とすると、
の表は以下のとおりである。

・ が
乗剰余であるための条件
定理(1)より必要十分条件は
メモ53の の場合の記述より
よって
メモ53のやり方で
を満たす整数組 を求めたとき
が
乗剰余 ⇔
が
で割れる
・ が
乗剰余であるための条件
表より
また、表の2行目と6行目から
表の3行目と4行目から
表の1行目から
さらに、メモ53より
であるので、
したがって、
メモ53によると は
の表現では
である。
したがって、
が
乗剰余 ⇔
が奇数 ⇔
が偶数
5. おわりに
メモ53において なる奇素数
について
の整数倍は
個の整数
の2乗和として表現できること、その中で、
は
とできることを示した。このメモでは、
の場合について、
と
が
乗剰余であるための必要十分条件を示した。
については、
が一般の場合でも
乗剰余であるための必要十分条件は、
であると考えられる。尤も
を求めるより、
を計算したほうが早いかもしれない。
参考文献
[1] PHILIP A. LEONARD AND KENNETH S. WILLIAMS, THE SEPTIC CHARACTER OF 2, 3, 5 AND 7, PACIFIC JOURNAL OF MATHEMATICS Vol. 52, No. 1, 1974
補足:メモ53の方法で求めた以下の3つの方程式の解では、 とはならない。
---------------------------------------------------------
(証明)
以下、メモ53で示した内容や記号を使います。
メモ53より、
である。
なので
また、
であったので、
とすると
であったので
ゆえに
したがって
よって
よって、
であるので、
は2次体の元になります。
・次に をいう。
は純虚数で2次体の元なので、2乗すると有理数になる。
とおくと
を代入して
を
上の6次元ベクトル空間とみれば
は1次独立であり、
は有理数なので、
の係数は
である。
したがって、
より
とすると、
よって
さらに、
より
これは、 を意味する。すると
なのでこれは矛盾。よって
したがって、 これをsagemathを用いて、
に代入し、分母を払って既約多項式の積とすると
を得る。
とも整数であるので
を得る。これを
に代入し
よって
または
とすると、上と同様に
となり矛盾。
とすると、
よって、 一方、
よって
これで、 がいえた。
・次に、を計算すると2次体の元になることを示す。
ヤコビ和の定義より
のとき
とかける。ここで、
は
の原始根、
は自然数。
に注意すれば、
なので、
したがって、
とするとき、4に示した表を使うと
よって、
同様に、 となる。
よって、
これで、は、2次体の元であることがいえた。
・最後に、最初の仮定 が矛盾を生ずることを示す。
まず、
一方、 とも自明な指標ではないので、
が成り立つ。また、
であった。
は類数1の2次体
の整数環の元であるので、
または
・ のとき
両者が等しいので
よって、
メモ53の による
の表現を用いると
よって
よって、
これは
を意味する。
そうすると、 となり矛盾。
・ のとき
上と同様の計算をすると、 なので矛盾。
・ のとき
したがって、
これらが等しいので、 よって、
よって
よって、
これは
を意味するので上と同様に矛盾。
・ のとき
上と同様の計算をすると よって
なので矛盾。
以上より、 となることはない。
(注:本当は が類数1の2次体などということを使わずに計算で矛盾が生ずることを示したかったが、どうもうまくいかない。どなたかよい方法があれば教えていただくとありがたいです。)
1.はじめに
の素数は
と 2個の整数
により正整数係数付き2乗和として表せる。
同様に
の素数は、整数
により
の素数は、整数
により
という関係を満たしている(。
妄想をたくましくすると
奇素数)とあらわされる素数は、
個の正係数付き2乗和としてあらわされ、2乗和を構成する
個の数の間には、
個の2次式
という関係が成り立つ
といえるのではないか。
このメモでは、それが成り立つことを確かめた試みを記すこととする。間違いがあればご指摘いただければ幸いです。
2.ヤコビ和の計算
唐突であるが、 を奇素数で、
とする。このとき有限体
の乗法群
は位数
の巡回群であるので、
次の指標
が存在する。なお、
に対し
とする。このときJacobi和
は、
である。 であるので、和は
に対してとることでもよいが、ここではこうしておき、適宜柔軟な記述を行うこととする。
今、 を有限体
の原始根、指標
を
とする。また、
と定義する。そうすると、
のとき
であるので
のとき
に注意すれば
なので、
したがって、
とおくと
である。
の複素共役は
が成り立つので、
とすると
である。なお、が成り立つことに注意する。
なので
を
上の
次ベクトル空間とみるとき、
は1次独立である。よって、
かつ
ここで、
さらに、
であるので、
よって
つまり、 を
個の正係数付き2乗和として表せたことになる。
とおけば、
なので、
は
から
までの
個で表わされる。したがって、
は、
個の変数の2次形式であらわされる。
次に、この2次形式を対角型の2次形式、つまり係数付き2乗和に変形することを考える。
3.2次形式の対角化
なので2次形式 は、
次の対称行列
\begin{eqnarray}
A = \left(
\begin{array}{ccccc}
2 & 1 & \ldots & 1 & 1 \\
1 & 2 & \ldots & 1 & 1\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
1 & 1 & \ldots & 2 & 1 \\
1 & 1 & \ldots & 1 & 2
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
で表される。つまり
である。
一般に対称行列は直交行列で対角化されるが、その場合直交行列の成分が有理数ではなくなる可能性があるので、その点に注意して検討を進める。
の固有値は
が
個、
が
個であることは、すぐわかる。固有ベクトルについては、
固有値 に対して
固有値 に対して
が、それぞれ 次元と
次元の固有ベクトル空間を形成する。
今、固有値 に対する固有ベクトルを
、固有値
に対する独立な固有ベクトルを
とし、これらは直交するものとする。
とすると
\begin{eqnarray}
A \cdot V = V \left(
\begin{array}{ccccc}
l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & 1 & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
左から の転置行列をかけて
\begin{eqnarray}
{}^tVAV = {}^tV V\left(
\begin{array}{ccccc}
l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & 1 & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}= \scriptstyle \begin{pmatrix}
<v_{1},v_{1}> & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & <v_{2},v_{2}> & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & <v_{l-1},v_{l-1}> & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & <v_{l},v_{l}>
\end{pmatrix}
\scriptstyle \begin{pmatrix}
l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & 1 & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & 1
\end{pmatrix}\end{eqnarray}
ここで、
\begin{eqnarray}
L= \left(
\scriptstyle \begin{array}{ccccc}
l & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & 1 & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & 1 & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & 1
\end{array}
\right) \ K= \left(
\scriptstyle \begin{array}{ccccc}
<v_{1},v_{1}> & 0 & \ldots & 0 & 0 \\
0 & <v_{2},v_{2}> & \ldots & 0 & 0\\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
0 & 0 & \ldots & <v_{l-1},v_{l-1}> & 0 \\
0 & 0 & \ldots & 0 & <v_{l},v_{l}>
\end{array}
\right)
\end{eqnarray} とおくと
とあらわされる。
次縦ベクトルを
とすれば
よって、
とすれば、
一方、
である。
であったので、
これで を
個の
の正係数付き2乗和としてあらわすことができた。
さらに、 の整数倍が正整数係数付きの
個の整数の2乗和としてあらわせることを示す。
より、
次単位行列 なので
である。
なので、
とすれば、
の
成分は
したがって、
の
成分は、
したがって、
かつ、
は非負整数であるので、
達の分母の最小公倍数
を
に掛ければ整数となる 。
を
の
乗和であらわす際の
の係数についても
の分母の最小公倍数
は整数となる。
したがって、 の整数倍が正整数係数付きの
個の整数の
乗和としてあらわせることがわかった。
残りは、 達が
個の2次式
を満たすことを示せばよい。
4. 個の
達は
個の2次式
を満たす。
2.で示したように であるが、
なので、
個の等式
が成り立つ。
また、 なので、
とするとき、
は
と
の積和(
次同次式)である。
であったので、
である。
以上より、
個の
達は
個の2次式
を満たすことがわかった。
今後の単純化のために、2次式= を行列を用いて表現することを考える。
より
であるので、
を行列表現することを考える。つまり、行列
により
となる
を求める。少し、ややこしいが、以下の結果が得られる。
のとき

のとき

のとき

の
達の表現で
が現れるときは、
に置き換える必要がある。
は2回現れるが、そのときの積の相方は
と
であり、
行(列)と
行(列)の位置関係により場合を分けた(結果を見ると統一的なとらえ方ができるかもしれない)。
であったので、
であるので、直交する
個の固有ベクトルで構成される行列
を与えたときに、
達の関係式は、行列
を計算することで得ることができる。
5. 間の関係について
次節で を整数倍して整数係数の整数の2乗和として表現する具体例を示すが、十分精密な結果を得るためには、
達を線形和として構成する
間になりたつ関係を知っておく必要がある。
の原始根
に対して、
であった。このとき、以下がなりたつ。
--------------------------------------------
命題
①
② 特に、
③
--------------------------------------------
(略証)
とする。
① は
から
への全単射
② よって
つまり、 は
から
への全単射
③
より。
(略証終)
6.直交する固有ベクトルを与えて 個の整数による
乗和表現を求める。
3.において、固有ベクトルの例として、
固有値 に対して
固有値 に対して
を示した。但しこれらは直交する固有ベクトル群ではない。
以下は、直交する固有ベクトル群の一例とその求め方である。
【直交する固有ベクトル群の例の求め方】
まず、 を2進表現する。つまり
とする。
] をガウス記号、つまり、
] を
を超えない最大の整数とする。
このとき、
に注意する。
最初に、第 世代の固有ベクトルとして固有値
に対する固有ベクトルを設定する。次に第
世代として固有値
に対する固有ベクトルを
個設定する。最後に、残りを
個設定する。ちなみに、第
世代の固有ベクトルは
に相当する(なお、
は奇素数なので
に注意)。これで、固有ベクトルが
個得られることになる。具体的には
第
世代
個:すべての要素が1のベクトル
第
世代
個:
について、
番目の要素が
、
番目の要素が
、他の要素は
第
世代
個:
について、
番目の要素が
、
番目の要素が-1、他は0。
番目以降は、その境について対称になるよう値を反転させる。
第
世代
個:
について
番目の要素が
、
番目の要素が-1、他は0。
番目以降は、その境について対称になるよう値を反転させる。これを以前に出現した境界に対して繰り返す。
第
世代でこの操作は完了する。
残りの固有ベクトル
個:
が奇数
になったものを小さい順に並べる。それを
とする。そこが、上でいう境界になっている。
について:
番目から
番目までの要素を
とし
番目の要素を
とする。そこを境界として反転させる。値はそのまま。境界ごとに反転を繰り返す。その際
の部分は
とする。
わかりにくい説明で恐縮ですが、 の例を下図に示す。

以下、 の表現の具体例でみていきたいと思います。
(1) の場合
この場合は、上記説明によらず直交する固有ベクトルとして、
があることがすぐわかります。したがって、
とすれば
\begin{eqnarray}
A= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cc}
2 & 1 \\
1 & 2
\end{array}
\right), \ V=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cc}
a & b \\
a & -b
\end{array}
\right), \ V^{-1}=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cc}
1/(2a) & 1/(2a) \\
1/(2b) & -1/(2b)
\end{array}
\right), \ {}^{t}VAV=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cc}
6a^{2} & 0 \\
0 & 2b^{2}
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
なので、
とすると
である。
であるので、
は整数である。さらに、5.の命題を用いると
とおくと
間の関係は下表のとおり

よって、
は
の倍数である。
ここで、 は整数である。さらに、
したがって、 とおけば、整数
により
とあらわされることになる。
(2) の場合
命題5を用いて 関係を求めたのが下表である。ここで、
とした。

表より
表の2行目と3行目を足すと
2行目から3行目を引くと
よって、 は
の一次結合で表せることに注意しておく。
以下、3,4で述べた方法で なる素数の4個の正整数による表現と正整数間の関係式を求める。
\begin{eqnarray}
A= \left(
\begin{array}{cccc}
2 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 2 & 1 & 1\\
1 & 1 & 2 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 2
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
4.に記した方法で、行列 の直交固有ベクトル、その逆行列等を求めると以下のとおりである。
\begin{eqnarray}
V= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & -1 & -1 \\
1 & -1 & 0 & 1
\end{array}
\right), \ V^{-1}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1/4 & 1/4 & 1/4 & 1/4 \\
1/2 & 0 & 0 & -1/2 \\
0 & 1/2 & -1/2 & 0 \\
1/4 & -1/4 & -1/4 & 1/4
\end{array}
\right), \ {}^{t}VAV=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
20 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 2 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 2 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 4
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
とおくと
であったので、
である。また、
である。また、
より、
である。よって、
は整数。
間の関係式については、4.に記したことより、
\begin{eqnarray}
A_{1}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
-1 & 0 & -1/2 & -1 \\
0 & 0 & 1/2 & -1/2 \\
-1/2 & 1/2 & 0 & 0 \\
-1 & -1/2 & 0 & -1
\end{array}
\right)
\hspace{10pt}
A_{2}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
0& -1/2 & 0 & 1/2 \\
-1/2 & -1 & -1 & 0 \\
0 & -1 & -1 & -1/2 \\
1/2 & 0 & -1/2 & 0
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
であり、
\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{1}V= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 0 & -1 \\
0 & 1 & -1 & 0 \\
1 & -1 & -1 & 1
\end{array}
\right)\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
-1 & 0 & -1/2 & -1 \\
0 & 0 & 1/2 & -1/2 \\
-1/2 & 1/2 & 0 & 0 \\
-1 & -1/2 & 0 & -1
\end{array}
\right) \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1& 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & -1 & -1 \\
1 & -1 & 0 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
-5 & 0 & 0 & -5 \\
0 & 0 & 1 & 0 \\
0 & 1 & -1 & 0 \\
-5 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{2}V= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 0 & -1 \\
0 & 1 & -1 & 0 \\
1 & -1 & -1 & 1
\end{array}
\right)\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
0 & -1/2 & 0 & 1/2 \\
-1/2 & -1 & -1 & 0 \\
0 & -1 & -1 & -1/2 \\
1/2 & 0 & -1/2 & 0
\end{array}
\right) \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
1& 1 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 1 & -1 \\
1 & 0 & -1 & -1 \\
1 & -1 & 0 & 1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccc}
-5 & 0 & 0 & 5 \\
0 & -1 & -1 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
5 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
より
よって
したがって、
とおくと
を得る。
これは、冒頭にあげた の場合の表現と異なるが、
で
を定めると、
は冒頭にあげた関係式を満足する。これらを満足する整数組
は他に
しかなく、これらから定まる組
は整数組となるが、逆は(私には)定かではない。
(3) の場合
の場合と同様であるが、長くなるので主要な結果だけを記すこととする。
命題5を用いて 関係を求めたのが下表である。ここで、
とした。

表の 行目より
これより
また、表より
以下、3,4で述べた方法で なる素数の6個の正整数による表現と2個の正整数間の関係式を求める。
\begin{eqnarray}
A= \left(
\begin{array}{cccccc}
2 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1\\
1 & 2 & 1 & 1& 1 & 1\\
1 & 1 & 2 & 1 & 1 & 1\\
1 & 1 & 1 & 2& 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1& 2 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1& 1 & 2
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
4.に記した方法で、行列 の直交固有ベクトル、その逆行列等を求めると以下のとおりである。
\begin{eqnarray}
V= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
1 & 1 & 0 & 0 & 1 & 1\\
1 & 0 & 1 & 0 & -1 & 1\\
1 & 0 & 0 & 1 & 0 & -2\\
1 & 0 & 0 & -1& 0 & -2\\
1 & 0 & -1 & 0 & -1 & 1 \\
1 & -1 & 0 & 0 & 1 & 1
\end{array}
\right), \ V^{-1}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6 & 1/6\\
1/2 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1/2\\
0 & 1/2 & 0 & 0 & -1/2 & 0\\
0 & 0 & 1/2 & -1/2 & 0 & 0\\
1/4 & -1/4 & 0 & 0 & -1/4 & 1/4 \\
1/12 & 1/12 & -1/6 & -1/6 & 1/12 & 1/12
\end{array}
\right),\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}{}^{t}VAV=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
42 & & & & & \\
& 2 & & & & \\
& & 2 & & & \\
& & & 2 & & \\
& & & & 4 & \\
& & & & & 12
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
間の関係式については、4.に記したことより、
\begin{eqnarray}
A_{1}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
-1 & & -1/2 & -1/2 & -1/2 & -1 \\
& & 1/2 & & & -1/2\\
-1/2 & 1/2 & & 1/2 & & -1/2\\
-1/2 & & 1/2 & & 1/2 & -1/2\\
-1/2 & & & 1/2 & & \\
-1 & -1/2 & -1/2 & -1/2 & & -1
\end{array}
\right)
\hspace{10pt}
A_{2}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
& -1/2 & 1/2 & & -1/2 & 1/2 \\
-1/2 & -1 & -1/2 & 0 & -1 & -1/2\\
1/2 & -1/2 & & & 0 & \\
& 0 & & & -1/2 & 1/2\\
-1/2 & -1 & 0 & -1/2 & -1 & -1/2 \\
1/2 & -1/2 & & 1/2 & -1/2 &
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}A_{3}= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
& & -1/2 & & 1/2 & \\
& & -1/2 & -1/2 & 1/2 & 1/2\\
-1/2 & -1/2 & -1 & -1 & -1/2 & \\
& -1/2 & -1 & -1 & -1/2 & -1/2\\
1/2 & 1/2 & -1/2 & -1/2 & & \\
0 & 1/2 & & -1/2 & &
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
であり、
\begin{eqnarray}
{}^{t}VA_{1}V= \left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
-7 & 0 & 0 & 0 & -7 & -7 \\
0 & 0 & 1 & 0 & 0 & 0\\
0 & 1 & 0 & 1 & 0 & 0\\
0 & 0 & 1 & -1 & 0 & 0\\
-7 & 0 & 0 & 0 & -2 & 2 \\
-7 & 0 & 0 & 0 &2 & 2
\end{array}
\right), \ {}^{t}VA_{2}V=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
-7 & 0 & 0 & 0 & 7 & -7 \\
0 & -1 & 0 & 1 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0\\
0 & 1 & -1 & 0 & 0 & 0\\
7 & 0 & 0 & 0 & 1 & 1 \\
-7 & 0 & 0 & 0 & 1 & -7
\end{array}
\right) \end{eqnarray}
\begin{eqnarray}{}^{t}VA_{3}V=\left(
\scriptstyle \begin{array}{cccccc}
-7 & 0 & 0 & 0 & 0 & 14 \\
0 & 0 & -1 & -1 & 0 & 0\\
0 & -1 & -1 & 0 & 0 & 0\\
0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0\\
0 & 0 & 0 & 0 & -1 & -3 \\
14 & 0 & 0 & 0 & -3 & -1
\end{array}
\right)
\end{eqnarray}
なので
ここで
よって、 は整数。
の表現は
間の関係は、
より
となる。
とおけば
2つの関係式は
である。
7.おわりに
なる奇素数
について、
の整数倍は、
個の整数
の2乗和として表現できること、
は
とでき、
は、
個の2次同次式
という関係を満たすことを示すことができた。
具体的な の表現や
間の関係式を行列を用いて機械的に求める方法を示したが、
間の関係を細かく求めることは必要であった。具体例は、
の場合に計算し、既存の結果と同様であったので安心した。もっと大きな
についての計算も行ってみたいが、複雑な結果になるだけであまり面白くないという感じはする。
なお、行列 の直交する固有ベクトルの選び方によって、
の2乗和表現や
間に成り立つ2次式
が変わるようである。2乗和と2次式
の表現はどういう条件があれば一意的になるかなど、明らかにすべき点が色々あるようだ。
参考文献
[1] P. A. Leonard and K. S. Williams, The Cyclotomic Numbers of Order Seven, Proceedings of the American Mathematical Society Volume 51, Number 2, September (1975)
1.はじめに
の素数は
:奇数、
:偶数とかける。
メモ51を書いているとき、 も
も
で平方剰余ではないかと思った。
この類似として の素数について以下が知られている(例えば、ウィキペディア)。
の素数は
とかける。
このとき、 も
も
で
乗剰余である。 また、
後者はメモ48に書いた。これから と
が
乗剰余であることがすぐわかる。
あまり詳しく調べたわけではないが、 の素数の場合について、
が平方剰余であることを記している文献は見たことがない。
が
乗剰余になれば
の場合のアナロジーとして面白いのだが、それは成り立たない。
例えば、 のとき、
であるが
で
乗剰余になるのは、
であるので、
も
も
乗剰余ではない。
せっかくなので、 の素数の場合に
も
も平方剰余であることは、幾つかの問題群の結果として得られることを記しておく。大げさな証明なので、もっと簡明なものがあれば教えていただけるとうれしいです。
2. p=4n+1の素数に関する問題
問題1
を奇素数とする。このとき、
特に 型の素数について
問題2
を
型の素数とし、
:偶数とする。
このとき、
問題3
を
型の素数とし、
:偶数、整数
を
とする。
このとき、
(注:これはLemmermertの本"Reciprocity Laws”のP155にあるproposition 5.3 である。)
3.p=4n+1 の素数をp=A^2+B^2 (B:偶数)と分解するときAも2Bもmod pで平方剰余であること
問題1~3より、冒頭の問題が以下のように証明される。
を
の原始根とする。
4. おわりに
なにか大層な証明になってしまったが、もっと簡明な証明があればありがたい。
ちなみに、問題2は、メモ48の手法をメモ50のヤコビ和に適用する、つまり を計算することで私は求めました。
ヤコビ和はやっぱり凄い。