ES 地面の目印

以前の数学メモは、地面の目印 -エスワン- にあります。

2022-01-01から1年間の記事一覧

ある代数曲面上の有理点を無限個有する有理曲線について

この記事は、「日曜数学 Advent Calendar 2022」の12月13日(火)の記事として書きました。 1.はじめに 第25回日曜数学会で の解を実2次体で求めた例を発表した。この中で以下の に関する2元2次不定方程式の解を用いた。 (1) ここで 発表の中で用いた解は…

メモ32 x^5+y^5=z^5+w^5 の虚2次体の整数解について  - 第25回日曜数学会での発表の補足 -

2022年10月15日の第25回日曜数学会で、 の実2次体での整数解を求める発表を行いました。その際、なぜ実2次体なのかという質問をうけ、虚2次体であれば簡単に例が求まるので実2次体とした旨の回答をしました。ここでは、その虚2次体の例を記しておきます。 (1…

x^5+y^5=z^5+w^5 の解を求めて - 第25回日曜数学会発表資料 -

第25回日曜数学会(2022.10.15)で発表する(した)資料です。ご関心のある方はご覧いただけると嬉しいです。

メモ31 有限体上の楕円曲線に関する練習問題(その3)

1.はじめに Silverman Tate のRational Points on Elliptic Curves(以下,[Sil]と記す)の第4章の練習問題を(未解答を含め)解いてみた結果を記したメモの(その3)です。その2で問題4.8と4.10に言及したので今回はその解答の試みをメモしました。 2. 問題…

メモ30 有限体上の楕円曲線に関する練習問題(その2)

1.はじめに Silverman Tate のRational Points on Elliptic Curves(以下,[Sil]と記す)の第4章の練習問題を(未解答を含め)解いてみた結果を記したメモの(その2)です。解答におかしなところがあれば、是非ご連絡下されば嬉しいです。また、なんとも、…

メモ29 有限体上の楕円曲線に関する問題

1.はじめに Silverman Tate のRational Points on Elliptic Curves(以下,[Sil]と記す)の第4章は有限体上の楕円曲線を扱っている。章末の練習問題に取り組み始めたので、備忘録としてメモしておく。解答が不完全であったり、誤りがあったりする可能性はあ…

メモ28 楕円曲線の等分点の作る体と虚数乗法について学び続ける

1. はじめに メモ26に書いたように、楕円曲線の等分点の作る体や虚数乗法について学ぶためSilverman・Tateの”Rational Points on Elliptic Curves”(以下[Sil]とする)の第6章を読み始め、ざっと読んだ。でもどうもすっきり頭に入ってこない。そこで章末の問…

メモ27 第24回日曜数学会での発表の補足

1.はじめに 2022年6月19日(日)の第24回日曜数学会で、2つの自然数の3乗の和として2通りに表される数(タクシー2)もn通りに表せる数(タクシーn)も有理数の3乗の違いしかないことを発表したが、重要なことを明確に言わなかったような気がするのでここにメ…

第24回日曜数学会の発表資料

第24回日曜数学会(2022.6.19)で発表する(した)資料です。ご関心のある方はご覧いただけると嬉しいです。

メモ26 楕円曲線の等分点の作る体について学び始める

1. はじめに Q上の楕円曲線の等分点の作る体や関連して虚数乗法の話が面白そうにみえたので、Silverman・Tateの”Rational Points on Elliptic Curves”(以下[Sil]とする)の第6章を読み始める。その後、Hasse-Weil ゼータ関数でも具体的に計算してみようかな…

メモ25  タクシー数:2通りに表せる場合とn(>2)通りに表せる場合(その4)

1. はじめに (その3)の最後に「既存のタクシーnからランクの大きな楕円曲線 が得られるのではないだろうか。」と書いたが、いくつか試してみたので、それをメモとして残して、このタイトルでのメモは終わりにしようと思う。 (その2)の「1.はじめに」 …

メモ24 タクシー数:2通りに表せる場合とn(>2)通りに表せる場合(その3)

1.はじめに メモ22,23の「タクシー数:2通りに表せる場合とn(>2)通りに表せる場合」のその1と2で、3乗の違いを無視すれば、タクシー2もタクシーn(>2)も同じであることを書いたが、その検討の際にいくつか気づいたことがあった。それについて、備忘録として…

メモ23  タクシー数:2通りに表せる場合とn(>2)通りに表せる場合(その2)

1.はじめに (注)2022年4月14日に誤りを発見し、図1、図2等を訂正しました。タクシー2を与えるa,bのペアは、より狭い範囲となりました。 メモ22の本文の最後に、「3乗の違いを除けば、タクシー2は、2つの自然数の3乗和としてn通りに書けることになる。」…

メモ22 タクシー数:2通りに表せる場合とn(>2)通りに表せる場合

1.はじめに 2つの自然数の3乗の和として2通りに表せる自然数をタクシー2と呼ぶことにする。そうすると最小のタクシー2がいわゆるラマヌジャンのタクシー数 である。 タクシー2を求めるには、次に不定方程式を解けばよい。 この不定方程式の有理数解は以下…

メモ21 特異点を持たない平面3次曲線の加法について(その2)

本メモ21は、メモ20の続きであるので、メモ20からご覧いただけば幸いです。 4.非特異平面3次曲線とそのWeierstrass標準形の間の双有理変換が準同型であることの確認 ここでは、メモ19,20で記した双有理変換 φ が準同型であることを2つの例でみてみる。 対…

メモ20 特異点を持たない平面3次曲線の加法について

1.はじめに メモ19で以下の非特異平面3次曲線からWeierstrass標準形の楕円曲線への双有理変換 について記した。ここでは、非特異平面3次曲線を E、Weierstrass標準形の楕円曲線を W 、双有理変換:W→E を φ と記そう。 Eの加法構造は、Wの加法構造から φ に…