ES 地面の目印

以前の数学メモは、地面の目印 -エスワン- にあります。

メモ20 特異点を持たない平面3次曲線の加法について

1.はじめに

 メモ19で以下の非特異平面3次曲線からWeierstrass標準形の楕円曲線への双有理変換 について記した。ここでは、非特異平面3次曲線を E、Weierstrass標準形の楕円曲線を W 、双有理変換:W→E  を φ と記そう。 

 x^3+3kx^2y+3xy^2+9ky^3-1=0  

Eの加法構造は、Wの加法構造から φ によって定めれば良いだろうと考えた。つまり、Eの元 U,Vに対して、

 U+V=\varphi^{-1}(\varphi(U)+\varphi(V))

とするのである。このようにEの加法を定めた時、\varphi^{-1} は加法を保存するのであろうか。つまり準同型になるのであろうか。これについて、SilvermanとTateによる”Rational Points of Elliptic Curve”(1994年第2版。 以下、[Sil]と記述する。)のP24から以下の説明がある。

 

The transformation we used to put the curve in normalized form do not map straight lines to straight lines. Since we defined the group law on our curve using lines connecting points, it is not at all clear that our transformation preserves the structure of the group. (That is, is our trans- transformation a homomorphism?) It is, but that is not at all obvious. The point is that our description of addition of points on the curve is not a good one, because it seems to depend on the way the curve is embedded in the plane. But in fact the addition law is an intrinsic operation which can be described on the curve and is invariant under birational transformation. This follows from basic facts about algebraic curves, but is not so easy (virtually impossible?) to prove simply by manipulating the explicit equations.

 

 つまり、双有理変換は、直線を直線に移すわけではなく、群の構造を保つかどうか明瞭ではないが、実際、群構造を保つというのである(これはある意味、極めて不思議なことである。以下の2.で記載するがEの加法は直線を用いて定義するので、双有理変換は直線を直線に写さないが、E上に限って言えば共線性が成り立つということになる)。

2.  特異点のない平面3次曲線Eの加法について

 平面3次曲線の加法について[Sil]のP18~p21に幾何学的な説明がある。以下に簡単にその紹介をする。

 右図のFigure1.6~1.8は[Sil]の引用である。非特異平面3次曲線上の点PとQについて、PとQをとおる直線を引き、P、Q以外のEとの交点をP*Qとする。さらに、あらかじめ定めた点ΟとP*Qを結ぶ直線がEと交わるもう一つの点をP+Qと定めるのである。これがFigure1.6の説明である。

f:id:fifthtaxi:20220131084424p:plain

 

 Figure1.7は、Q=Oとした時に、P+O=Pであることを示している。つまり、Oは単位元である。

 Figure1.8は逆元の求め方を示している。まず、Oから接線を引き、もう一つのEとの交点をSとする。E上の点QとSを結ぶ直線を引き、もう一つのEとの交点をQの逆元とするのである。

f:id:fifthtaxi:20220131084556p:plain

 この加法により群をなすためには、結合法則が成り立つことを示せばよい。つまり、E上の点、P,Q,Rについて、(P+Q)+R=P+(Q+R)を示すのである。これについての[Sil]の説明は少し複雑なのでここでは省略することにする。

 また、単位元Oは任意に選べるが、別の点O’を単位元に選ぶと

 P → P+(O’ーO) 

という写像により、単位元をOとする群Eから単位元をO’とする群Eへの同型写像となるとのことである(これは必ずしも自明には思えないが)。

3. 双有理変換を準同型とするための単位元の決定

 双有理変換φが準同型となるためには、Wの単位元がφによりEの単位元に移されることが必要である。

 そのように設定しておけば、実際φが加法を保つことをいくつかの例で見てみよう(本当は実際に準同型であることを示したいが、こうした初歩的な方法では[Sil]にも「簡単でない、実際上不可能?」との記述がある。準同型であることの証明は、代数曲線の因子の理論を用いて行うらしい)。

 

 最初に、3次曲線Eの単位元を決定する。

 メモ19より E,W, φ を具体的に書き出せば以下のとおりである。

E: x^3+3kx^2y+3xy^2+9ky^3−1=0    (k:有理数≠0, ±1)(1)

 W :t^2+a_{1}st+a_{3}t=s^3+a_{2}s^2+a_{4}s+a_{6}

   ここで、 a_{1}=-8/3k(3+k^2)/(k^2-1), a_{2}=2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2,

a_{3}=0, a_{4}=4/3(k^2-1)^2, a_{6}=8/27(k^6-75k^4-45k^2-9)

 

\varphi(s,t)=(x,y) とするとき、

 x=B/A

 y=18t(k^2-1)^2/A

  ここで、

 A=9(k^2−1)^2s^2−16k^2(k^2+3)^2s+12k(k^2−1)(k^2+3)t

            −4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

  B=9(k^2−1)^2s^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)s−6k(k^2−1)(k^2−9)t

            +4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

である。

  A=0 の時は、φをうまく定義する必要がある。

 

  Wの単位元無限遠点であるので、E,W, φを同次式で書き表せば

 E: X^3+3kX^2Y+3XY^2+9kY^3−Z^3=0

 W: T^2U+a_{1}STU+a_{3}TU^2=S^3+a_{2}S^2U+a_{4}SU^2+a_{6}U^3

\varphi(S:T:U)=(X:Y:Z) とするとき

    X=\tilde{B}, Y=18TU(k^2-1)^2, Z=\tilde{A}

 ここで

   \tilde{A}=9(k^2−1)^2S^2−16k^2(k^2+3)^2SU+12k(k^2−1)(k^2+3)TU  −4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

  \tilde{B}=9(k^2−1)^2S^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)SU−6k(k^2−1)(k^2−9)TU +4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

 

 Wの単位元は、(0:1:0)であるので、S=0,T=1,U=0 である。そのまま上式に代入すると、\tilde{A} \tilde{B} も0となりφが定まらないが、下に記した付記2により、φ(0:1:0)=(1:0:1)としてよい。なお、U=0となるWの点は(0:1:0)のみである。

 

 U \neq 0 かつ \tilde{A}=0 となるWの点は、付記1より

 (S/U,T/U)=(2/3(5k^2+3), -32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1)) 

    (S/U,T/U)=(-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2, 0)

のみである。近傍の点からの極限を取ることにより、前者の場合、付記2より、φ  により(-3k:1:0) に写されるとしてよい。これはEの無限遠点である。後者の場合は

 (1/4(k^4+18k^2-3)(k^5-21k^4+18k^3-18k^2-3k-9) (k^5+21k^4+18k^3+18k^2-3k+9) / {(k^2+3)(k^4-6k^2-3)(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 +9)} ,

3/4(k^2-1) (k^4-6k^3+12k^2+6k+3)(k^4+6k^3+12k^2-6k+3)(7k^4+6k^2+3)/ {(k^2+3)(k^4-6k^2-3)(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 + 9)} )

に写されるとしてよい。

 

  以上を整理すると

\varphi(S:T:U)=(\tilde{B}:18TU(k^2-1)^2: \tilde{A})=\varphi(S/U,T/U)

                                     (2/3(5k^2+3),-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1))、

                                      (-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2, 0)、

                                      (0:1:0) 以外のとき

                     =(-3k:1:0)     

                                      (2/3(5k^2+3),-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1))のとき

                      =(1:0:1)         

                                       (0:1:0) のとき

                     = (x_{0}:y_{0}:1) 

                                       (-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2, 0) のとき

 ここで、

 x_{0}=1/4 (k^4+18k^2-3)(k^5-21k^4+18k^3-18k^2-3k-9)(k^5+21k^4+18k^3+18k^2-3k+9)

    / {(k^2+3)(k^4-6k^2-3)(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 +9)} 

  y_{0}=3/4(k^2-1) (k^4-6k^3+12k^2+6k+3)(k^4+6k^3+12k^2-6k+3)(7k^4+6k^2+3)

   / {(k^2+3)(k^4-6k^2-3)(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 + 9)}

 

 次に逆変換 \varphi^{-1} について考える。

逆変換 \varphi^{-1} は、同じくメモ19より

\varphi^{-1}(x,y)=(s,t) とするとき

s={2(k^2−1)x−2/3(k^2+15)ky+2(k^2−1)}/(x+ky−1)

t=−8/9y(yk^7−5xk^6+57yk^5−4k^6+51xk^4−21yk^3−24k^4\\+9xk^2+27yk−36k^2+9x)/{(x+ky−1)^2(k^2−1)}

である。

 Eの点(x,y)でx+ky-1=0となる場合は、x=-ky+1を(1)に代入して整理すると

y^{2}(2k(k^2+3)y-3(k^2-1))=0 

よって

 y=0 のとき、x=1

y=3/2(k^2-1)/k/(k^2+3) のとき、x=-1/2(k^2-9)/(k^2+3)

の場合に限る。

 この2点の場合、E上の近傍点からの極限を取ることにより、 \varphi^{-1} を定める。付記3より、

(1,0) は W の無限遠(0:1:0) に写される。また、

(-1/2(k^2-9)/(k^2+3),3/2(k^2-1)/k/(k^2+3)) は、(s_{0},t_{0})に写されるとしてよい。ここで、

s_{0}=-2/9(k^2+3)(k^3-9k^2+3k-3)(k^3+9k^2+3k+3)/(k^2-1)^2

t_{0}=-16/27k(k^2+3)(k^3-9k^2+3k-3)(k^3+9k^2+3k+3)/(k^2-1)^3

である。

 \varphi^{-1} を同次式で書けば、

 E: X^3+3kX^2Y+3XY^2+9kY^3−Z^3=0

 W: T^2U+a_{1}STU+a_{3}TU^2=S^3+a_{2}S^{2}U+a_{4}SU^2+a_{6}U^3

 \varphi^{-1}(X:Y:Z)=(S:T:U) とするとき

 S={2(k^2−1)X−2/3(k^2+15)kY+2(k^2−1)Z}(k^2−1)(X+kY-Z)

 T=−8/9Y(Yk^7−5Xk^6+57Yk^5−4k^6Z+51Xk^4−21Yk^3−24k^4Z\\+9Xk^2+27Yk−36Zk^2+9X)

 U=(X+kY−Z)^2(k^2−1)

ここで、Z=0 となるE上の有理点は、

 X^3+3kX^2Y+3XY^2+9kY^3=(X+3k)(X^2+3)

より (-3k:1:0) のみである。X=-3k, Y=1, Z=0 を上式に代入して

 \varphi^{-1} (-3k:1:0)=(8/3(k-1)(k+1)k^2(5k^2+3):-128/9k^3(k^4-6k^2-3):4k^2(k^2-1)) \\=(2/3(k-1)(k+1)(5k^2+3):-32/9k(k^4-6k^2-3):(k^2-1)) \\ = (2/3(5k^2+3),-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1)) 

を得る。これはWの点である。整理すると

 

\varphi^{-1}(X:Y:Z)=\varphi^{-1}(X/Z,Y/Z)

 (1:0:1), (-1/2(k^{2}-9) / (k^{2}+3) :3/2(k^{2}-1) / k / (k^{2}+3):1),  (-3k:1:0) 以外のとき

     =(0:1:0)                                                                                        (1:0:1) のとき

     = (2/3(5k^2+3),-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1))              (-3k:1:0)のとき

     =(s_{0}:t_{0}:1)                                   (-1/2(k^2-9)/(k^2+3),3/2(k^2-1)/k/(k^2+3):1) のとき

 

 これで、無限遠点を含め、φとその逆変換が定義された。φによる原点の行き先を求めるだけであればメモ19の変換式で定義されない点の行き先を求める必要はなかったがメモとして記載した。

 Wの単位元(0:1:0)はEの点(1:0:1)=(1,0)に写されるので、この点を原点としたうえで、

 いくつかの点でこのφが準同型になっていることを次に確かめたいが、今回はここまで。

付記

付記1 \varphi:W→E が定義できない場合

 アフィン平面で定義した場合のWeierstrass標準形Wから平面3次曲線への双有理変換 φは以下のとおりである。なお、ここでは平面は実平面で考える。

E: x^3+3kx^2y+3xy^2+9ky^3−1=0    (k:有理数≠0, ±1)    

W: t^2+a_{1}st+a_{3}t=s^3+a_{2}s^2+a_{4}s+a_{6}

 ここで、a_{1}=-8/3k(3+k^2)/(k^2-1), \\a_{2}=2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2, a_{3}=0, \\a_{4}=4/3(k^2-1)^2, a_{6}=8/27(k^6-75k^4-45k^2-9)

 

\varphi (s,t)=(x,y) とするとき、

 x=B/A

 y=18t(k^2-1)^2/A

  ここで、

 A=9(k^2−1)^2s^2−16k^2(k^2+3)^2s+12k(k^2−1)(k^2+3)t

            −4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

  B=9(k^2−1)^2s^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)s−6k(k^2−1)(k^2−9)t

            +4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

である。

------------------------------------------------------------

命題1 φが定義できないWの点は、以下の2点である。

   (2/3(5k^2+3),-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1)) 

   (-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2,0)

------------------------------------------------------------

(説明)φが定義できないのはA=0となる場合である。

そのとき、A=0より

 t=-3/4(k^2-1)/k/(k^2+3)s^2+4/3k(k^2+3)/(k^2-1)s\\+1/3(k^3-9k^2+3k-3)(k^3+9k^2+3k+3)/k/(k^2+3)

(s,t)はWの点であるので

t^2+a_{1}st+a_{3}t-(s^3+a_{2}s^2+a_{4}s+a_{6})=0

である。tを2番目の式に代入する。

 そのために、まず最初の式を変形すると

k(k^2-1)(k^2+3)t=-3/4(k^2-1)^2s^2+4/3k^2(k^2+3)^2s\\+1/3(k^3-9k^2+3k-3)(k^3+9k^2+3k+3)(k^2-1)

である。また、2番目の式に k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2 を乗ずると

{k(k^2-1)(k^2+3)t}^2+(a_{1}k(k^2-1)(k^2+3))s(k(k^2-1)(k^2+3)t\\+a_{3}k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2t-(k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2s^3\\+k^2(k^2+3)^2(k^2-1)^2a_{2}s^2\\+k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2a_{4}s+k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2a_{6})=0

さらに,

(k^2-1)a_{1}=-8/3k(3+k^2)\\(k^2-1)^2a_{2}=2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)\\a_{3}=0

に注意して

{k(k^2-1)(k^2+3)t}^2+(-8/3k^2(3+k^2)^2)s(k(k^2-1)(k^2+3)t\\-(k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2s^3\\+k^2(k^2+3)^{2}2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)s^2\\+k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2a_{4}s+k^2(k^2-1)^2(k^2+3)^2a_{6})=0

となる。これをsの4次式としてsagemathで因数分解し、整理すると

-1/432(k-1)^2 (k+1)^2(10k^2-3s+6) \\ (4k^4+12sk^2+9s^2+216k^2+36s+36)\\(2k^6+9sk^4-150k^4-18sk^2-90k^2+9s-18)

  これより A=0となるのは、

s=2/3(5k^2+3)\\ 4k^4+12sk^2+9s^2+216k^2+36s+36=0\\2k^6+9sk^4-150k^4-18sk^2-90k^2+9s-18=0

のいずれかである。

 3番目の場合は、

s=-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2

である。

 2番目の場合は、s の2次式として整理すると

9s^2+12(k^2+3)s+4(k^4+54k^2+9)=0

  判別式Dは

D = 12^2(k^2+3)^2-4\cdot9\cdot4(k^4+54k^2+9)\\ \hspace{10pt}  = 12^2(-48k^2)\lt 0

となり、この2次方程式は実根を持たない。

s=2/3(5k^2+3) のとき、t=-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1)

s=-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2 のとき t=0  

である。                                       (説明終)

付記2 φの定義できない点及び無限遠点での値を定める

 E及びW を無限遠点まで含めて考えるため、それぞれの定義式を同次多項式として考える。そのとき、

 E: X^3+3kX^2Y+3XY^2+9kY^3−Z^3=0

 W: T^2U+a_{1}STU+a_{3}TU^2=S^3+a_{2}S^2U+a_{4}SU^2+a_{6}U^3

\varphi(S:T:U)=(X:Y:Z) とするとき

    X=\tilde{B}, Y=18TU(k^2-1)^2, Z=\tilde{A}

 ここで

   \tilde{A}=9(k^2−1)^2S^2−16k^2(k^2+3)^2SU+12k(k^2−1)(k^2+3)TU  −4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

  \tilde{B}=9(k^2−1)^2S^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)SU−6k(k^2−1)(k^2−9)TU +4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

である。

----------------------------------------------------

命題2 

\varphi(2/3(5k^2+3):-32/9k(k^4-6k^2-3)/(k^2-1):1)\\ \hspace{45pt}=(-3k:1:0)

 \varphi(0:1:0)=(1:0:1)

\varphi(-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9):0:(k^2-1)^2)=(x,y)

 ここで、

\hspace{15pt}x=1/4 (k^4+18k^2-3)(k^5-21k^4+18k^3-18k^2-3k-9) \\ \hspace{20pt} \cdot (k^5+21k^4+18k^3+18k^2-3k+9) /(k^2+3)  \\ \hspace{20pt}/(k^4-6k^2-3)/(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 +9)

\hspace{15pt} y=3/4(k^2-1) (k^4-6k^3+12k^2+6k+3) \\ \hspace{20pt} \cdot (k^4+6k^3+12k^2-6k+3)(7k^4+6k^2+3)/(k^2+3) \\ \hspace{20pt}/(k^4-6k^2-3)/(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 + 9)

---------------------------------------------------

(説明)

 φ が定義できない点は A=0 すなわち  \tilde{A}=0 である。そのとき、

 9(k^2−1)^{2}S^2=16k^2(k^2+3)^{2}SU-12k(k^2−1)(k^2+3)TU\\+4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

よって、\tilde{B}9(k^2-1)^2S^2 の項を上式で置き換えて

\tilde{B} = 2U(k^2-1)(4k^6U+18k^4S-300k^4U-9k^3T-36k^2S\\- 180k^2U+9kT+18S-36U)

よって、

\varphi(S:T:U)=(\tilde{B}:18TU(k^2-1)^2:\tilde{A})\\ \hspace{50pt}=(2U(k^2-1)(4k^6U+18k^4S-300k^4U-9k^3T-36k^2S\\ \hspace{55pt}-180k^2U+9kT+18S-36U):18TU(k^2-1)^2:0)\\ \hspace{50pt}=(4k^6U+18k^4S-300k^4U-9k^3T-36k^2S\\ \hspace{55pt}-180k^2U+9kT+18S-36U:9T(k^2-1):0)

したがって、

\varphi(2/3(5k^2+3)(k^2-1):-32/9k(k^4-6k^2-3):(k^2-1))=(-3k:1:0)

\varphi(-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9):0:(k^2-1)^2)=(0:0:0)

 後者のWの点は、E の点とならないのが、ひとまずそのままとし、Wの無限遠点(0:1:0) が φ によって写されるべきE の点について検討する。

W: T^2U+a_{1}STU+a_{3}TU^2=S^3+a_{2}S^2U+a_{4}SU^2+a_{6}U^3

において、Uは一定でS,Tが大きくなった時の挙動を考える。

両辺をS^{3}で割ると

T^2/S^3U+a_{1}T/S^2U+a_{3}T/S^3U=1+a_{2}U/S+a_{4}(U/S)^2+a_{6}(U/S)^3

s→∞とすると 右辺は1に収束する。よって、

s→∞のとき T^{2}/S^{3} \rightarrow 0とすると T/S^{2} \rightarrow 0, T/S^{3} \rightarrow 0 である。 \hspace{5pt} T^{2}/S^{3}→∞とすると右辺が1に収束することに矛盾するので、T^{2}/S^{3}有界である。また、S/T→ 0となる。φ(S:T:U) は φ(S/T:1:U/T) と同じ値であるべきであり、

\varphi(S/T:1:U/T)=(\tilde{B}/T^2:18U/T(k^2-1)^2:\tilde{A}/T^2)\\ \hspace{60pt}=(\tilde{B}/T^{4/3}:18U/T^{1/3}(k^2-1)^2:\tilde{A}/T^{4/3})

\tilde{A}=9(k^2−1)^2S^2−16k^2(k^2+3)^2SU+12k(k^2−1)(k^2+3)TU\\−4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

\tilde{B}=9(k^2−1)^2S^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)SU−6k(k^2−1)(k^2−9)TU\\+4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2

より、

\tilde{A}/T^{4/3}=9(k^2−1)^2(S^3/T^2)^{2/3}−16k^2(k^2+3)^{2}S/T^{4/3}U\\+12k(k^2−1)(k^2+3)/T^{1/3}U\\−4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2/T^{4/3}

\tilde{B}/T^{4/3}=9(k^2−1)^2(S^3/T^2)^{2/3}+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)S/T^{4/3}U\\−6k(k^2−1)(k^2−9)U/T^{1/3}\\+4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)U^2/T^{4/3}    

ここで S→∞とすれば、この両者は同じ値に収束することが分かる。よって

φ(S/T:1:U/T)=(\tilde{B}/T^{4/3}:18U/T^{1/3}(k^2-1)^2:\tilde{A}/T^{4/3})

において S→∞ とすることで

\varphi(0:1:0)=(1:0:1)  としてよい。

 ここで、再び (-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9):0:(k^2-1)^2) の行き先について考える。

 再びアフィン平面で考えることにする。

\varphi(s,t)=(x,y)  とするとき、

x= B/A

y=18t(k^2-1)^2/A

ここで

 A=9(k^2−1)^2s^2−16k^2(k^2+3)^2s+12k(k^2−1)(k^2+3)t

            −4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

  B=9(k^2−1)^2s^2+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)s−6k(k^2−1)(k^2−9)t

            +4(k^2−1)(k^3−9k^2+3k−3)(k^3+9k^2+3k+3)

であるが、

(s_{0},t_{0})=(-2/9(k^6-75k^4-45k^2-9)/(k^2-1)^2,0) のとき、A,Bとも0となるのが問題であった。このため、極限操作でマッピングすべき点を求めることとする。

dA/ds=18(k^2-1)^2s-16k^2(k^2+3)^2+12k(k^2-1)(k^2+3)dt/ds

dB/ds=18(k^2-1)^2s+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)-6k(k^2−1)(k^2−9)dt/ds

d(18t(k^2-1)^2)/ds=18(k^2-1)^2dt/ds

 一方、

t^2+a_{1}st+a_{3}t-(s^3+a_{2}s^2+a_{4}s+a6)=0 より

2tdt/ds+a_{1}t+a_{1}sdt/ds+a_{3}dt/ds-(3s^2+2a_{2}s+a_{4})=0

(2t+a_{1}s+a_{3})dt/ds=-a_{1}t+(3s^2+2a_{2}s+a_{4})

dt/ds=(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a_{4})/(2t+a_{1}s+a_{3})

これを dA/ds、dB/dsに代入して

dA/ds=18(k^2-1)^2s-16k^2(k^2+3)^2

\hspace{30pt}+12k(k^2-1)(k^2+3)(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a_{4})/(2t+a_{1}s+a_{3})

\hspace{30pt}=( (18(k^2-1)^2s-16k^2(k^2+3)^2)(2t+a_{1}s+a_{3})

\hspace{30pt}+12k(k^2-1)(k^2+3)(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a_{4}) )/(2t+a_{1}s+a_{3})

dB/ds=18(k^2-1)^2s+4(5k^6−51k^4−9k^2−9)

\hspace{30pt}-6k(k^2−1)(k^2−9)(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a4)/(2t+a_{1}s+a_{3})

\hspace{30pt}=( (18(k^2-1)^2s+4(5k^6−51k^4−9k^2−9))(2t+a_{1}s+a_{3})

\hspace{30pt}-6k(k^2−1)(k^2−9)(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a_{4}) )/(2t+a_{1}s+a_{3})

d(18t(k^2-1))/ds=18(k^2-1)^2(-a_{1}t+3s^2+2a_{2}s+a4)/(2t+a_{1}s+a_{3})

 

x=\lim_{(s,t) \to (s_{0},t_{0})}B/A=\lim_{(s,t) \to (s_{0},t_{0})}(dB/ds)/(dA/ds)

\hspace{20pt}=1/4 (k^4+18k^2-3)(k^5-21k^4+18k^3-18k^2-3k-9)

\hspace{20pt} \cdot (k^5+21k^4+18k^3+18k^2-3k+9) /(k^2+3)

\hspace{20pt}/(k^4-6k^2-3)/(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 +9)

y=\lim_{(s,t) \to (s_{0},t_{0})}18t(k^2-1)^2/A

\hspace{20pt} =3/4(k^2-1) (k^4-6k^3+12k^2+6k+3) \\ \hspace{20pt}(k^4+6k^3+12k^2-6k+3)(7k^4+6k^2+3)/(k^2+3) \\ \hspace{20pt}/(k^4-6k^2-3)/(k^8+180k^6+30k^4+36k^2 + 9)

                                                                                                   (説明終)

付記3 有理式では値が定まらない\varphi^{-1} の点の値の決定

 ここでは、以下の平面3次曲線EからそのWierstrass標準形W

E: X^{3}+3kX^{2}Y+3XY^{2}+9kY^{3}−Z^{3}=0

W: T^{2}U+a_{1}STU+a_{3}TU^{2}=S^{3}+a_{2}S^{2}U+a_{4}SU^{2}+a_{6}U^{3}

への双有理変換 \varphi^{-1} について、次の2点 (1:0:1), (-1/2(k^{2}-9)/(k^{2}+3),3/2(k^{2}-1)/k/(k^{2}+3)) の値を決定する。

------------------------------------------------------

命題3 

 \varphi^{-1}(1:0:1)=(0:1:0)

\varphi^{-1}(-1/2(k^{2}-9)/(k^{2}+3),3/2(k^{2}-1)/k/(k^{2}+3) ) \\ \hspace{10pt}= (-2/9(k^{3}-9k^{2}+3k-3)(k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{2} \\  \hspace{10pt},-16/27k(k^2+3)(k^{3}-9k^{2}+3k-3)(k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{3})

-----------------------------------------------------

(説明)

 メモ19より、以下のへの双有理変換 \varphi^{-1} を同次式で書けば、

 \varphi^{-1}(X:Y:Z)=(S:T:U) とするとき

 S=(2(k^{2}−1)X−2/3(k^{2}+15)kY+2(k^{2}−1)Z)(k^{2}−1)(X+kY-Z)

 T=−8/9Y(Yk^{7}−5Xk^{6}+57Yk^{5}−4k^{6}Z+51Xk^{4} \\−21Yk^{3}−24k^{4}Z+9Xk^{2}+27Yk−36Zk^{2}+9X)

 U=(X+kY−Z)^{2}(k^2−1)

である。

 まず、(1:0:1) の 行先を決定する。

 \varphi^{-1}(X:Y:Z)=(S:T:U)=(S/Y:T/Y:U/Y) であるので、S/Y,T/Y, U/Y を以下に計算しておく。

 S/Y=(2(k^{2}−1)X−2/3(k^{2}+15)kY \\ +2(k^{2}−1)Z)(k^{2}−1)(X+kY-Z)/Y

 T/Y=−8/9(Yk^{7}−5Xk^{6}+57Yk^{5}−4k^{6}Z+51Xk^{4}\\−21Yk^{3}−24k^{4}Z+9Xk^{2}+27Yk−36Zk^{2}+9X)

  U/Y=(X+kY−Z)^{2}/Y(k^{2}−1)

である。

 X^{3}+3kX^{2}Y+3XY^{2}+9kY^{3}-Z^{3}=0 より

 (X-Z)(X^{2}+XZ+Z^{2})+3Y(kX^{2}+XY+3kY^{2})=0 

 (X-Z)/Y=-3(kX^{2}+XY+3kY^{2})/(X^{2}+XZ+Z^{2}) 

 (X+kY-Z)/Y= -3(kX^{2}+XY+3kY^{2})/(X^{2}+XZ+Z^{2})+k

したがって、X,Z → 1,Y → 0の時

(X+kY-Z)/Y → 0 となる。このとき、

 S/Y \rightarrow 0

 T/Y \rightarrow -8/9(-5k^{6}-4k^{6}+51k^{4}-24k^{4}+9k^{2}-36k^{2}+9 \\ =-8/9(-9k^{6}+27k^{4}-27k^{2}+9) \\ =8(k^{6}-3k^{4}+3k^{2}-1)=8(k^2-1)^{3}

 U/Y \rightarrow 0

よって φ-1(1:0:1)=(0:1:0) となり Eの点(1,0) はWの無限遠点(=原点)に写される。

 

 次に  a=(-1/2(k^{2}-9)/(k^{2}+3),3/2(k^{2}-1)/k/(k^{2}+3))はどこに写されるか?

アフィン平面で考えることとして、 \varphi{-1}(x,y)=(s,t) とするとき

  s=(2(k^{2}−1)x−2/3(k^{2}+15)ky+2(k^{2}−1))/(x+ky−1)

  t=−8/9y(yk^{7}−5xk^{6}+57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4} \\−21yk^{3}−24k^{4}+9xk^{2}+27yk−36k^{2}+9x)/ ( (x+ky−1)^2(k^2−1) )

である。

 Fn(x,y)= (2(k^{2}−1)x−2/3(k^{2}+15)ky+2(k^{2}−1)) 

 Fd(x,y)= (x+ky−1) 

 Gn(x,y)=−8/9y(yk^{7}−5xk^{6}+57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4} \\−21yk^{3}−24k^{4}+9xk^{2}+27yk−36k^{2}+9x)

 Gd(x,y)=(x+ky−1)^2(k^2−1)

とおく。

a=(ax,ay) について  \varphi^{-1}(ax,ay)=(u,v) とするとき

 u= \varphi^{-1}(ax,ay)=Fn(ax,ay)/Fd(ax,ay) で求めたいが Fn,Fd ともこのままでは(ax,ay) で0となる点が問題である。v=Gn(ax,ay)/Gd(ax,ay) についても同様である。このため、Fn,Fd,Gn,Gdをxの関数と考え、 x \rightarrow aの極限をとる操作により行先を定めることとする。

 

 dFn/dx=2(k^{2}-1)-2/3(k^{2}+15)k \cdot dy/dx

 dFd/dx=1+k \cdot dy/dx

 dGn/dx=-8/9 \cdot dy/dx \cdot (yk^{7}−5xk^{6}+57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4}−21yk^{3} \\−24k^{4}+9xk^{2}+27yk−36k^{2}+9x) \\-8/9y(k^{7} \cdot dy/dx-5k^{6}+57k^5 \cdot dy/dx \\+51k^{4}-21k^{3} \cdot dy/dx+9k^{2}+27k \cdot dy/dx+9) \\= -8/9 \cdot dy/dx( (yk^{7}−5xk^{6}+57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4} \\−21yk^{3}−24k^{4}+9xk^{2}+27yk−36k^{2}+9x) \\+(yk^{7}+57yk^{5}-21yk^{3}+27yk))-8/9y(-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9) \\=-8/9 \cdot dy/dx(2yk^{7}−5xk^{6}+2 \cdot 57yk^{5}−4k^{6} \\+51xk^{4}−2 \cdot 21yk^{3}−24k^{4}+9xk^{2}+2 \cdot 27yk \\−36k^{2}+9x)-8/9y(-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9)

 dGd/dx=2(x+ky−1)(k^{2}−1)(1+k \cdot dy/dx)

 

 x^{3}+3kx^{2}y+3xy^{2}+9ky^{3}-1=0 x微分して

 3x^{2}+6kxy+3kx^{2} \cdot dy/dx+3y^{2}+6xy \cdot dy/dx+27ky^{2} \cdot dy/dx=0

よって、

 (kx^{2}+2xy+9ky^{2})dy/dx=-(x^{2}+2kxy+y^{2})

これを上式に代入して

 dFn/dx=2(k^{2}-1)-2/3(k^{2}+15)k(-(x^{2}+2kxy+y^{2})) \\ \hspace{20pt}/(kx^{2}+2xy+9ky^{2})

 dFd/dx=1+k(-(x^{2}+2kxy+y^{2}))/(kx^{2}+2xy+9ky^{2})

 dGn/dx=-8/9(2yk^{7}−5xk^{6}+2 \cdot 57yk^{5}−4k^{6}\\+51xk^{4}−2 \cdot 21yk^{3}−24k^{4}+9xk^{2}+2 \cdot 27yk\\−36k^{2}+9x)(-(x^{2}+2kxy+y^{2}))/(kx^{2}+2xy\\+9ky^{2})-8/9y(-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9)

dGd/dx=2(x+ky−1)(k^{2}−1)(1+k(-(x^{2}+2kxy+y^{2})) \\ \hspace{20pt}/(kx^{2}+2xy+9ky^{2}))

 

これをもとにsageで計算すると、

 (dFn/dx)/(dFd/dx)(ax,ay)=-2/9(k^{3}-9k^{2}+3k-3) \\ (k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{2}

 

dGd/dx,dGn/dx  は a でともに0となるので、2回微分まで求める必要がある。

 

 dGn/dx=-8/9 \cdot dy/dx(2yk^{7}−5xk^{6}+2 \cdot 57yk^{5}\\−4k^{6}+51xk^{4}−2 \cdot 21yk^{3}−24k^{4}\\+9xk^{2}+2 \cdot 27yk−36k^{2}+9x)\\-8/9y(-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9)

より

 d^{2}Gn/dx^{2}=-8/9 \cdot d^{2}y/dx^{2}(2yk^{7}−5xk^{6}+2 \cdot 57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4} \\−2 \cdot 21yk^{3} −24k^{4}+9xk^{2}+2 \cdot 27yk−36k^{2}+9x) \\ -8/9 \cdot dy/dx(2 \cdot dy/dx \cdot k^{7}-5k^{6} +2 \cdot 57 \cdot dy/dx \cdot k^{5}+51k^{4} \\ -2 \cdot 21 \cdot dy/dx \cdot k^{3}+9k^{2}+2 \cdot 27 \cdot dy/dx \cdot k+9) \\ -8/9 \cdot dy/dx \cdot (-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9) \\ =-8/9 \cdot d^{2}y/dx^{2} \cdot (2yk^{7}−5xk^{6}+2 \cdot 57yk^{5}−4k^{6}+51xk^{4} \\ −2 \cdot 21yk^{3} −24k^{4}+9xk^{2}+2 \cdot 27yk−36k^{2}+9x) \\ -8/9 \cdot dy/dx \cdot ( (2k^{7}+2 \cdot 57k^5-2 \cdot 21k^{3} \\ +2 \cdot 27k) \cdot dy/dx+2(-5k^{6}+51k^{4}+9k^{2}+9) )

           

 dGd/dx=2(x+ky−1)(k^2−1)(1+k \cdot dy/dx) より

d^{2}Gd/dx^{2}=2(1+k \cdot dy/dx)(k^{2}-1)(1+k \cdot dy/dx) \\ +2(x+ky−1)(k^2−1)k \cdot d^{2}y/dx^{2}

 

 dy/dx=-(x^{2}+2kxy+y^{2})/(kx^{2}+2xy+9ky^{2}) より

d^{2}y/dx^{2}=(-(2x+2ky+2kx \cdot dy/dx+2y \cdot dy/dx)(kx^{2}+2xy+9ky^{2}) \\ +(x^{2}+2kxy+y^{2})(2kx+2y+2x \cdot dy/dx+18ky \cdot dy/dx))/(kx^{2}+2xy+9ky^{2})^{2} \\ =( (-2(x+ky)(kx^{2}+2xy+9ky^{2})+(x^{2}+2kxy+y^{2})2(kx+y) ) \\ +(-2(kx+y)(kx^{2}+2xy+9ky^{2})+(x^{2}+2kxy+y^{2})2(x+9ky) ) \cdot dy/dx)  \\ /(kx^{2}+2xy+9ky^{2})^{2}

 

これをもとにsageで計算すると

 (d^{2}Gn/dx^{2}/d^{2}Gn/dx^{2})(ax,ay) \\ =-16/27k(k^2+3)(k^{3}-9k^{2}+3k-3)(k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{3}

 

したがって、

 u=\lim_{(x,y) \to (ax,ay)}Fn(x,y)/Fd(x,y)=\lim_{(x,y) \to (ax,ay)}dFn/dx(x,y)/dFd/dx(x,y) \\=dFn/dx(ax,ay)/dFd/dx(ax,ay) \\ =-2/9(k^{2}+3)(k^{3}-9k^{2}+3k-3)(k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{2}

v=\lim_{(x,y) \to (ax,ay)}Gn(x,y)/Gd(x,y)=\lim_{(x,y) \to (ax,ay)}d^{2}Gn/dx^{2}(x,y)/d^{2}Gd/dx^{2}(x,y) \\ =d^{2}Gn/dx^{2}(ax,ay)/d^{2}Gd/dx^{2}(ax,ay) \\ =-16/27k(k^2+3)(k^{3}-9k^{2}+3k-3)(k^{3}+9k^{2}+3k+3)/(k^{2}-1)^{3}

(説明終)