2022年10月15日の第25回日曜数学会で、 の実2次体での整数解を求める発表を行いました。その際、なぜ実2次体なのかという質問をうけ、虚2次体であれば簡単に例が求まるので実2次体とした旨の回答をしました。ここでは、その虚2次体の例を記しておきます。
(1)
とすると
かつ (2)
または
かつ (3)
は(1)の解である。
(2)を解くと
(3)を解くと
である。
したがって、 とおき、(1) を に関する方程式とみて、左辺-右辺を整理すると
したがって、 かつ として を満たす をとれば(1)の解である。
を解くと
が実数であれば、根号の中は負であるので は虚数となる。
よって、
となり、虚2次体整数で5乗和を2通りに表わす例が得られた。
例えば とすると であるので
である。