1.はじめに
2022年6月19日(日)の第24回日曜数学会で、2つの自然数の3乗の和として2通りに表される数(タクシー2)もn通りに表せる数(タクシーn)も有理数の3乗の違いしかないことを発表したが、重要なことを明確に言わなかったような気がするのでここにメモしておく。最初に復習から。
2.最初に少し復習
定義:タクシーn に対し、同値関係~を で定める。
定義:有理数から0を除いた集合 の元 に対し、同値関係 を で定め、 と表す。
命題 をタクシーnの集合とするとき、 の~による商集合と
は、 とするとき
で定める。[ ]は同値類を示す。
また、 が成り立つ。
3. タクシーnの同値類の求め方
上の命題により、 の同値類を求めるには、区間(0,1)に含まれる 関係 で同値な元を を見つければよい。
このとき、
なので、適当に自然数をかけてやればタクシーnが得られる。
(1) 方法その1
試したことはないが、分母の小さな範囲でシラミつぶしで検索する。
(2) 方法その2
楕円曲線の有理点より同値の を求める。
であれば、
両辺に をかけて
したがって、楕円曲線
の有理点 で
となるものを 例えば SageMath を用いて 個見つける(kの分母が大きいとおそらく計算できないが)。
として楕円曲線の有理点を用いて計算したところ、以下の13個が同値だとわかった。
これより、174桁のタクシー13
を得た。あまり大きすぎて自慢にもならないですね。
kの分母が10000以下ぐらいの同値類をそのうちにシラミつぶしで定めてみたいなと思っています。
ご関心のある方、ご連絡ください。